その1 なぜ青山学院が急に強くなったのか?



フツー



お正月に箱根駅伝で青山学院大学が連覇しましたね。
しかも圧勝でした。


「どうして青山学院が急に強くなったのだ・・・?」


多くの日本中の方が思いましたね。
私もその中の一人なのですが、思わず飛びついてしまった本です。
著者はあの原晋監督。
最近よくテレビのコメンテーターとして出てきますので
かなりの有名人。


「選手ほっておいてテレビばっかり出て・・・」

そうも思いますよね。
でもそれが彼の戦略であることがこの本読むとよく分かります。


原監督は1967年生まれ。現在48歳。
昨年高校駅伝でアベック優勝した広島の世羅高校出身。
原監督もそこに駅伝留学。
高校3年生の時に全国優勝しています。


でも有名選手だったのはそこまで。
中京大学に進学したものの選手としては「ダメ選手」
インカレで5000メートル3位が最高の成績。


卒業後に陸上部が新設されたばかりの中国電力に
スカウトされたもの、入社1年目に捻挫。
それがもとで結局5年ほどで現役引退。


そこで中国電力の営業マンに転身。
でも電力会社の仕事は、電気料金の集金、電気メーターの検針。
そこで3年ほどやったものの、まったく目が出ず
さらにその下部組織であるサービスセンターへの異動。
陸上部の第一期生として華々しく入社したものの、
サラリーマンの悲哀を味わいます。


そこで「提案営業」といビジネスに初めて出会い、
そこでようやく成果。
さらに新会社の立ち上げにも成功。


入社10年、37歳になってようやくサラリーマンとして
眼が出てき始めた頃に、
まったく縁もゆかりもない青山学院大学の監督のお話。

しかも、この監督それまで指導経験がまったくないですね。
よくこの話を受けたと思いませんか?


青山学院大学がなぜ強くなったのか?

世の中にある「ビジネスノウハウ」を最大限に活用して
築きあげられたからなのです・・・。




その2 ファースト・ペンギン



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今年の流行語大賞?の候補に「ファースト・ペンギン」という言葉が
ありますね。ご存知ですか?
NHKの朝ドラ「あさが来た」で出てきたフレーズ。

「群れで行動するペンギンの中で最初に海に飛び込むペンギン」

のことをいうそうです。


原監督はまさに「駅伝界のファースト・ペンギン」ですね。
保守的な陸上競技界で、常に新しいことに取り組んでいるのが、
この本を読むとよく分かります。


例えば従来から、陸上競技の補強トレーニングとして、

「腕立て伏せ、腹筋、腕振り1000回」

のようなことをやっていたそうです。

たぶん、どこの大学でもこれは今だもってやっているのではないでしょうか。


青山学院はこれを一切やっていません。
そういえば、青山学院の選手は小柄で華奢な選手がほとんどですね。
ウサイン・ボルトみたいな「がっちりした体形」はいません。
これは原監督の考え。陸上競技に筋肉は邪魔だという考えからです。


それで何を取り入れているというと、「動的ストレッチ」
たぶん、これは皆ご存知ないでしょうね。

実はランナーである私もさっそくこのトレーニングを開始しています。
例えば、この動的ストレッチで股関節の可動域を広げることが
できます。


今までは10のうち3程度の力で走り出していたのが、
いきなり7ぐらいの力で走り出せるのだそうです。


「へ〜!」
と思いませんか。

我々の世代以上は、体育会系というと、とにかく
「根性論」が主流でしたね。
陸上競技というと伝統的にこれが行われていたのではないでしょうか。

しかし、そんな「無駄なこと」は原監督の頭にはないのですね。

どうでしょうか。
まさに「ファースト・ペンギン」!!







その3 なぜ週に3日は自主練なのか?





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瀬古選手が早稲田大学に名将中村監督の猛練習で強くなったというのは
有名なお話ですね。
いわゆる伝統校には必ず名監督がいて、猛練習。
そうやって名選手となった方が引退後また監督に就任。
猛練習こそが強くなる秘訣。そう心から叩き込まれます・・・。


先日ご紹介したように、「毎日腹筋1000回、腕振り1000回」
は当たり前。監督の言われる通り猛練習の日々・・・。


しかし、青山学院はまったく違いました。

週に練習日は6日。そのうち、3日は全体練習。
残りの3日は自主練なのです。

選手の思い通りに練習させます。
当然練習メニューも自分で決めさせます。


これは驚きました。
瀬古さんが、「練習は辛くて辛くて仕方がなかった・・・」
そんな話を聞いたことがあります。


通常は監督から、


「○○キロを××分で走りなさい。」
「今日はこれだけの距離を走りなさい。」


と事細かに指示を与えますよね。

でも選手が自分で考えることで「マネジメント力」が
つくというのです。


何より、自分で考えて練習することで、走ることが楽しくなるのです。

「走らされるより、自ら考えて走る。」

これは楽しいですよね。
さすが、サラリーマン経験のある監督です。


伝統校における悪しき慣習。
考えて練習したことのない選手が監督になる・・・。
これはまた何も考えずに猛練習するしかないですよね。


瀬古さんがどうのこうのではないですが、
なぜ早稲田大学が箱根駅伝で低迷しているのか!?
何となく分かるような気がしました・・・。





その4 神野大地選手の復活の理由




原晋監督は年間何十回も講演をやっているようです。
この題名のように、フツーの会社員が箱根駅伝強豪校に
してしまったことが、非常に痛快なのでしょうね。


読んでいると、サラリーマンなら自己啓発で必ず読みそうな
ネタがいっぱい出てきます。


「フツーの駅伝監督」では絶対思いもつかないこと
なのでしょうか・・・。
これはある意味、強烈な業界批判なのでしょね・・・。

 

「目標を数字に置き換えよ。」


何だか小山昇さんあたりの本で必ず出てきそうなフレーズです。

 

「育成プランをA4用紙一枚にまとめる。」


この「A4用紙一枚」というのもよく聞くフレーズですね。
目標管理シートの書き方などまさに自己啓発本で出てくるはずです。


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昨年、箱根駅伝第5区でブレークして一躍時の人になった
「神野大地選手の目標管理シート」


これ見るだけで感動してしまいます。


こんなことやっている大学スポーツ選手は
どれくらいいるのでしょうか。


有名なお話ですが、神野選手は昨年の箱根駅伝後に
故障してしまいましたね。
今回の出場は無理だろうと言われていました。


昨年の青山学院の優勝の立役者が出場できないということは
一大事なのですね。
フツーの監督なら、「つきっきりで」絶対に回復させるはずです。
それがこのようなやり方で・・・。
ここが青山学院の強さの秘訣だと私は感じました・・・・。







その5 ビジネスに通じる選手育成法




この目標管理シートこそが、神野選手復活の最大のポイントだったのでしょうね。
よく読むと分かります。
これは駅伝の3か月前の状況です。



「3次合宿8割以上消化 → 駅伝メンバー入りを狙う」


これがキャッチコピーです。
これを部員に公表して、自らの意識を高めます。
これ正直驚きました。


昨年あれだけ大活躍した神野選手ですからね。
「エース」という称号さえ手にしていたのです。
その選手が、メンバー入りを狙う。と言っていることの意味なのです。

これを聞いた他の選手はどう思うのでしょうか。

「今度は俺だ!」


皆が燃えるでしょうね。


こうも原晋監督は言っています。


「お前がエースだ。お前を中心にチームを作っていく」


ということ決めてしまうとチームは強くならないのだそうです。

「平等感」が大事なんだと。


これはまさにビジネスにも通じるお話ですね。
「過去の実績があるから。」ということで最初から
メンバーに入れていてはチームは強くならないのですね。

原監督のマネジメント能力は本当にすごいと思いませんか?







その6 選手に自ら考えさせる


この目標管理シートをよく読んでいただきたいのですね。
大学生にここまで書かせるのか!
感心してしまいますね。



〈具体例〉

として9月1か月間の具体的な目標が書いてあります。
ただ「頑張ります」ではないのですね。



その「目標達成のためにやるべきこと」
これまたかなり具体的です。


1番目の「バイアスを効かすためのトレーニング」
なんて「???」何だかわからないですよね。
「前鋸筋」こんな単語知っていましたか?
「ぜんきょきん」と読むのです。下後鋸筋も「かこうきょきん」
すごいですね。
自ら考えて自ら行動する。


これが原監督の指導方法なのです。



「世の中の上司や指導者には自主性を重んじると言いながら
『あいつは何も考えていない』と口にする人がいます。
それは私から言わせると、考えていないのではなく、
考えさせていないだけ。その時間を与えると誰でも考え始めるものです。」



これはまさにサラリーマン経験のある原監督だからこそ
できる指導方法なのでしょうね。


サラリーマンでも部下の指導方法として、


「自分で考える時間を与え、仕事を任せない限り、その部下は成長しないし、
組織の力になることはありません。」



「なるほど!」と思いました・・・。





その7 新しい発想を取り入れる


神野選手のやるべきことの2つ目に書いてある
大事なことをご紹介しておきましょう。


「中野さんトレーニング(3種目)週2回は必ず時間を取る」


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中野さんとは「中野ジェームズ修一さん」のこと。
このお方をご存知ですか?
現在マラソン界で話題沸騰の「青トレ」なのですね。
私もさっそく購入しました。
この内容に関してはいつか絶対どこかで触れますが、すごいですね。
いままでのコアトレーニングとストレッチの概念を変えるものです。


「これで青学は強くなったのか!」


そう本当に思います。

 

原監督の考え方によるものなのですね。



「企業が外部のコンサルタントや税理士、あるいは顧問という形で
協力を依頼するように、スポーツにおいても専門家の意見は
取り入れるべきです。」

 

やはり、原晋監督は、並みの駅伝監督とは違います。
なかなかしたたかな「ビジネスマン」なのです。



この古くからの伝統と称する「こり固まった考え方」を
新しい発想で打ち破り、まさに、「ファースト・ペンギン」として
駅伝界を、さらにはマラソン界を盛り上げていってほしいですね。



(ガンバレ! 青山学院シリーズ おしまい)

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