その1 ふるさと納税がなくなる??


政府税調や野田総務大臣が
「高額返戻品を歯止めする」
ということを言い出してから、ついに
「ふるさと納税存続の危機」
とまで騒がれているようです。

大騒ぎしている割には、実態がよく分からないマスコミから
電話取材を受けることがたまにあります。

「今日の夕方の番組に間に合わせるためコメントもらえますか?」

昼ごろに何度か受けたことあります。
実は昨日も某公共放送からも電話取材を受けました。

「またかよ・・・」


先日アップしたように、たけしの番組にもブログ使われましたからね。
天下の公共放送も

「ふるさと納税 税理士」

あたりで検索して安易に番組作っているのでしょうか?
正しい世論がこれで把握できるのでしょうか?


ブログで政治ネタや固有名詞で批判はご法度にしているので、
これ以上書きません。
ただ、ここ数年ずっと取り上げてきたふるさと納税を「存続の危機」とまで
書かれていたら、やはり黙ってはいられません。


ただ、何度か書いてきたように、高額品や換金のできるような
金券や家電製品などの返戻品はやめるべきでしょう。

まさに、「節税目的」で使われることが明白だからです。
本来は一時所得の対象となると国税庁も明言しているのですから
これは、その安易な節税に対しては課税強化でもすべきところなんでしょうね。こちら


これも前にアップしましたが、
「返戻品は10万円を限度とする」
というような歯止めはすべきだと思います。
私自身何十件とふるさと納税をやってみましたが
1万円を超えるふるさと納税は一度もありません。
1万円で十分楽しめるのがふるさと納税ですから・・・・。


ただ言いたいことは、なぜ「3割」という歯止めをかけるのでしょうか?
そもそも3割という「価格」は誰が算定するのでしょうか?
例えば、1万円でお米は3000円までということなのでしょうか?
それなら東京で買えば10キロ買えません。
それは販売価格ですよね。でも生産者価格ならもっと安いはずですね。

各自治体が企業努力により寄付者に
最大限のメリットを享受できるようにすべきだと思うのです。

各地方自治体の人気投票のようになることで
困る人がいるのでしょうか。
知恵を出しあって

「おらが町の特産品」

を必死になってアピールすべきだと思いますが。


一番最初に取り上げた、長野阿南町のふるさと納税は
お米20キロでした。

「20キロもお米がもらえる町」

ということで有名になりましたね。
それにより町も活性化したと聞きます。

きっと反対するような市区町村は
お米しかない、何もアピールするものがない

「特産品のないただの過疎の町」

と認定されるのが困るのでしょうか・・・・?





その2 上限3割の意味


ふるさと納税の趣旨から考えれば、

「ふるさとを応援したい。地方を活性化したい。地元企業を応援したい。」

そういうことを目的としてきて作られた制度だと思うのですね。
そうなると、「地元産以外の物品を返戻品」とするのは
確かに好ましくないとは思うのですね。

それでも地元産以外を積極的に取り扱っている
大阪の泉佐野市が、人気と納税額がナンバーワンです。
こちら
あれはちょっとやり過ぎだという意見がありますね。
下手な通販サイト以上に種類がありますし、
なんといっても、かなりお得感満載です・・・。

でも個人的には、あれだけのサイトを作り、あの仕組みを作り上げた
市長の才覚を感じますね。
昨年度135億円もの税収を上げたのですから・・・。

 


この特産品問題は多めに見たとしても、

「なぜ3割の上限」

をもうけようとするのでしょうか?


一般の企業では、この厳しい経済環境下、売上をあげるのに必死です。
どうやって消費者に気に入られ、売上を上げ利益を上げるか
知恵を絞っているのですね。
そうでなければ企業は存続できないのです。
売上のあがらない、利益の稼げない社長は首を挿げ替えられるだけです。

自由競争の社会ですからそれが大前提なのです。

例えば、アパレル業界で、ユニクロの商品が売れすぎて困るからと

「980円なんかで売られては困る。価格規制をしてくれ!」

と頼んだことかつてありますか?


ふるさと納税に対して批判的な地方自治体としては、
大成功している泉佐野市に対して、
多少やっかみの感情を抱いているのでしょうか?


特に政令指定都市に関しては、

「ふるさと納税のおかげで減収だ!あんな制度なくせばいい!」

たぶんそういっているのでしょう。


政令都市の首長は、税金の徴収は何と言っても楽ですからね。
人口がたくさんいるから黙っていても住民税は入ってきますね。
東京など大企業が集中していますから、
言い過ぎかもしれませんが、
企業から簡単に地方税も取れますから・・・。
「企業努力しない」また「する必要もない」からですね。
これを守ろうとするのは、昔の「護送船団方式」
みたいですね・・・。(これも言い過ぎ?)


税収が減って悔しいなら、政令指定都市であっても
魅力あるふるさと納税を考えても良いと思うのです。
またなぜやろうとしないのでしょうか?


今日の朝日新聞に出ていましたが、
世田谷区が旧玉川線(玉電)の車両の補修のために、
ふるさと納税方式で560万円も集めたそうですね。
そんな使い方もあるのです。

各地方自治体もこのふるさと納税という制度を使って
知恵を出し合う時が来ていると本当に思うのです・・・・。




その3 税額控除のシステム上の問題?


「ふるさと納税は原点に戻れ!」

「ふるさと納税は金持ち優遇だ!」

ここ数日マスコミは得意の「手のひら返し」でふるさと納税批判を
続けていますね。

自称「ふるさと納税応援大使」は黙っていられないのです。


ではここで「誰も言っていない」問題提起を。
税の現場を見る税理士として、「システム上の大問題」です・・・。


ではやさしく解説するために、まず私のHPの「ふるさと納税超簡単解説」から
抜粋します。こちら


6万円のふるさと納税をした川内勇気さんでしたね。
確定申告書の別表1の「寄付金控除」の欄に
控除額2,000円を超えた58,000円と書くのでしたね。


1

 


これは誰でも書けるのです。
実は問題は別表2なのです。


2

 

 

この右側に「寄付金控除」の欄があるので「寄付先の名称」と
「寄付金」60,000円を書くことは比較的簡単なのです。


しかし、絶対間違うのか、もしくは圧倒的に書き忘れるのは
左側の「寄付金税額控除」の欄なのですね。
そもそも「寄付金税額控除」という意味すら普通分からないですし、
ふるさと納税は「都道府県、市区町村分」の欄に書くことすら
普通の方は知らないのです。


ここに60,000円を書き忘れたらどうなるか分かりますか?
実際に住民税を控除してくれないケースが本当にあるのです。


具体的には川内勇気さんの場合は

「なんと52,200円も住民税が控除できない」

ということになるのです。


正直いろんなケースを見てきましたし、
これだけ「ふるさと納税に詳しい」と吹聴していると
問合せも結構あるのですね。

結論を言うと、ほとんどの市区町村が

「税額控除をしない」のです。

市区町村としては

「書かなかったあなたが悪い!」

ということなのでしょうね・・・。

 

本当にふるさと納税をした方は住民税の納税通知書を
見直してもらいたいのです。

「税額控除されていない・・・」

きっと多くの方が思うのではないでしょうか。

0717nagatuma

 

 

昔「消えた年金問題」で一世を風靡した国会議員がいましたね。

「消えたふるさと納税問題」

を国会議員に教えてあげたいくらいですね・・・。


どうしてこうなるのか私自身も不思議です。
国の徴収システムである確定申告書のデータが
たぶん「超アナログな形で」各市町村に送られているという
仮説を私は立てています・・・。

 






その4 消えたふるさと納税問題



では具体的に住民税の「寄付金控除税額控除」されなかった場合
どうなるのでしょうか?


これは「応援大使」として黙っていられないので、
区役所に問い合わせの(文句の?)電話しました。

面白いので3人のケースをご紹介しましょう。
実は3人とも税務署に対して電子申告しているのです。

 

A区の場合
(以下具体的にどこの区か明らかにできるのですが一応やめておきます)

吉田
「寄付金税額控除の欄に6万円書き忘れたのが、
どうしたらよいのですか?」

A区の住民税担当
「それはこちらの内部調査で分かったので、適正に処理しました。」


素晴らしい区ですね。
確定申告で書き忘れても直してくれるのです。
こういう区に住みたいですね。

 

ではB区の場合、

B区の住民税担当

「すいませんが、住民税の申告をし直してもらえますか。」

実に不親切ですね。
国の確定申告のデータがそのまま区へ転送されていない
ことが分かりますね。


C区の場合、

これも住民税の申告を要求されたとともに
「寄付金の控除証明書も添付してください」


「おいおい!・・・」

思わず突っ込みたくなりましたね。
電子申告は添付書類を省略できることがウリなのですが
時代を逆行するようです。
これでは税理士として黙っていられません。


「税務署のデータはそちらには来ていないのですか?」


そう聞いたら、何と

「では税務署に行って確認してきます・・・」


「・・・」(絶句)


数日たってその住民税担当から電話がありました。

「税務署には過去のデータがないのです。
すいませんが、やはり寄付金の控除証明をつけて
住民税の申告をしてください」


このA区、B区、C区の対応を見てどういうことが
考えられますか・・・。
これこそがふるさと納税の真実なのです・・・・。




その5 バラバラに徴収する弊害


今まで吉田ブログの基本方針として
言いたいことを書く、書きたいことを書く
好き勝手に書いてきたのですね。

貴乃花親方のように協会から圧力を受ける訳でもないので
もっとハッキリ書いていきましょうか・・・。(マズイか・・・)

ふるさと納税を考えることで、国民が日本の納税のあり方について
見直すきかっけになってほしいのです。

 

なぜこれだけふるさと納税の金額が増えているかというと
やはり今の納税について不満を持っている人が多いということも
一理あるのです。
どうしてそういう国民の不満に対して耳を傾けないのでしょうか。


前回東京都の三つの区でふるさと納税の間違いを
検証してみましたね。

これで分かることは、市区町村ごとに徴収の計算方式が
違うということなのですね。

これは各地方自治体の納付書が違うことから、すべての市区町村ごとに
それぞれシステムが異なっているのです。
税の現場を日々見ている会計事務所としては、分かっているのです。

そもそも、それを統一することが先なのではないでしょうか。
数年前にマイナンバー制度ができたときに、
「マイナポータルというシステムで、すべての国民の情報は統一されます」
そう宣伝していたはずですね。

分かりやすい例でいいます。
例えば、中野太郎さん(仮名)の所得が400万円とします。
簡単にするために、税率を
国税20%、地方税10%、国民健康保険税5%

としましょう。
これどうやって計算しますか?
今どきの中学生なら、エクセルに計算式入れてあっという間に計算するのでしょう。
そのエクセルに変わるものとして、
マイナンバー制度による「一気通貫」の徴収方法が
検討されているはずなのですね。

今の徴収方法は
税務署で 400万円×20%=80万円
区役所の住民税課で 400万円×10%=40万円
区役所の国民健康保険課で 400万円×5%=20万円

と別々に計算しているのですね。
データをかなりアナログな方式でやり取りしているのでしょう。
当然徴収のコストもかかっています。

ところが今回のふるさと納税は、
税務署でも控除し、区役所でも控除する制度なのです。

ふるさと納税に対して

「こんな面倒な税制はやめてくれ!」

と誰が言っているかもう分かりますね・・・・。




その6 総務大臣にぜひ頑張っていただきたい


来年の消費税増税をきっかけに、また増税論議が再燃するでしょう。
サラリーマンを中心に所得税はここ数年ずっと上がり続けているのです。

所得税も上がれば住民税も上がります。
何もしないで自動的に所得税にスライドして徴収している市区町村長が
「ふるさと納税はけしからん」
などという権利はあるのでしょうか。

 

サラリーマンは重税にあえいでいるのです。
納税への不平不満のはけ口が、ふるさとの納税に結び付いているのです。
ふるさと納税がこれだけ盛んになったのは、
「現代の百姓一揆」
というのは言い過ぎでしょうか。

 

「ふるさと納税の手続きがメンドウ。しかもウチも減収となって・・・」

もし、そのように大都市の長に言われるくらいなら、総務省が
「ふるさと納税受付センター」
でも作ればよいのではないでしょうか。

 

もっといえば、住民税を総務省が、今後全国民の一括して計算すればいいのです。

マイナンバー制度ができたときの未来図に
「歳入省構想」
があったと思います。
国税庁と社会保険庁を総務省がまとめて歳入省になればいい。

そうすれば日本全体の国税・地方税・社会保険の徴収コストは
何分の1に引き下がるのでしょうか。

 

まさに今はIT革命の時代です。
しかも「少子高齢化」が叫ばれる昨今、IT革命で公務員を減らして、
人手不足に悩んでいる民間企業に回せばいいとさえ思います。

きっと、そんな「未来予想図」はもう総務省内ですでに検討されている
はずだと思います。
でもそれを実行すると、きっと公務員の数が「天文学的な数字で」
減らされるのが分かっているのでしょう。
貴乃花親方のように「反対勢力」で押しつぶされているのでしょうか・・・。

もしそれを断行して「初代歳入省大臣」になったら、
黙ってても総理総裁の椅子は回ってくると思うのです・・・。

 


Saigostatue

 

 

最後に、固有名詞批判(いや応援です・・・)になってきたので
そろそろまとめましょう。
私の大好きなNHKの「西郷どん」から。

「廃藩置県」を断行し、封建時代の社会制度をぶち壊したのが
西郷どんでしたね。
近代国家として中央集権体制に一気に変えてしまったのです。

ただここで地方自治を否定するものではありません。
すべての租税を中央集権で徴収することなら、ITの力を借りれば
本当に簡単だと思うのです。

今まさに平成という時代が終わろうとしている「世紀末」
なのです。
過去のしがらみをぶち壊すときが来ているのです。


政治家はいったいどこを見て政治をしているのでしょうか・・・。
「100年後の日本」を見て政治をしてほしいですね。

100年後の未来の子孫から

「平成という大昔の時代は、そんな古くさい徴収制度だったのか・・・」

そう笑われないようにしてほしいと思いますね。

国民は今、西郷どんのような政治家を本当に待っています。

総務大臣! チェスト!! キバレ!!


(以上 文責は吉田ですが、あくまで妄想です。
よって取材等は一切受け付けません。)


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