その1  天下りではとバスへ


最近書評をあまり書きませんでしたね。
確定申告本書いたり、囲碁やマラソンをやったりして
忙しかったのも事実ですが、もちろんしっかり読書はしています。


鳩バス


また私の好きな現場の社長が書いた「ベタな」経営術本。
勝手なことを言ってお題目ばかりの「経営コンサルタント」の本より
役に立つと思います。
何となく本屋で見つけて買ってみたものの、この著者にまず驚きました。
まず著者が都庁の元高級官僚だったのです。
つまり天下りで「はとバス」の社長になったのですね。


民主党の「事業仕分け」でやたらと批判の多い「天下り」ですが
こういう立派な官僚さんもいらっしゃるのですね。


都庁を交通局長という要職で定年退職した筆者は
東京都地下鉄建設株式会社に「代表取締役専務」という肩書きで
まず最初の「天下り」します。
「社長は運輸省OB、常務は大蔵・建設両省OB、監査役は自治省OB
実質的な責任者が私でした。」
と本に正直に書いてあったのですから、
どう見ても天下り先ですよね。
事業仕分けで切られそうな会社かと思いきや、
「都民の税金2000億円と銀行借入7000億円投入している
大地下鉄会社」だそうで、
そんな会社で、あの大江戸線の開通のために大活躍したそうです。


その手腕を買われて、はとバスの社長になるのですね。
それでまずやったことは
@社長室を廃止する
A社長専用車を共有車にする
この二つ。


こういう優れた方がお役人にいらっしゃるのですね。
民主党の「事業仕分けの委員長」になっていただきたいですね。


この経営手腕は参考になりますのでご紹介していきましょう・・・。





その2  人材ではなく人財


ところで「はとバス」に乗ったことありますか?
このレモンイエローの印象的な車体!

hatobus


私は生まれも育ちも東京です。
これだけ長く住んでいて一度も乗ったことがないのですね。
やはり東京見物する必要がないからでしょうか?
事実、東京タワーも一度も行ったことがありません。


「はとバス」は創業60周年を越えた老舗企業で、
しかも株主が東京都とJTBだったとは、この本を読むまで
知りませんでした。


当然代々社長は都庁とJTBの天下り。
そんな「親方日の丸」みたいな企業が黒字の訳ないのでしょうか。
「はとバス」と「都バス」と名前だけでなく体質も似てそうですからね。


事実バブル崩壊後ずっと赤字企業だったようです。
主力の観光バス事業や海外旅行事業、料理飲食業など大幅な赤字。
しかもこの筆者が社長になるまで、負債70億円のいつ潰れても
おかしくない企業だったそうです。


「親会社がなんとかしてくれる・・・」
そういう「甘え企業」は世間でも多いですね。(内緒)


そんな倒産寸前の企業に筆者は社長として乗り込みます。
まず最初に社長室と社長車をなくしたのは申し上げましたね。
では次に何をしたか?


賃金カット!です。
社長3割。役員2割。社員1割と全社員の賃金カット。
当然社員からの反発があったようですが、
救われたのは社員がこの「はとバス」に対して
かなり愛社精神があったようです。


このあたり一般の中小企業とは違うかもしれませんが
参考になりますね。
まずトップから変わる!
あとは従業員の問題です。
しかもリストラはあえてしなかったのです。


ところでこの著者はかなりの読書家のようです。
ここでも出てきました!ドラッガー!
実にいいこと言っています。噛み締めて読んでください。


「人件費がコストであることは間違いない。
しかし、人は材料ではなく財産だ。
つまり、『人材』ではなく『人財』なのです。」





その3  組織を逆ピラミッドに  


まだ続きます。「はとバス」ネタ。
やはりV字回復して欲しい会社のために書き続けます。


この本で一番感動したお話。
この人本当に役人出身なの?と思ったところです。


社長になってすぐ
「組織を逆ピラミッドにする」
これを、はとバスでまず打ち出したのですね。
普通の会社組織では社長がトップですよね。
それからピラミッドが始まっています。
一番下が平社員ということなのでしょうか。
社長の命令一つで全体が動く仕組みですよね。


日頃中小企業と接している税理士としては
至極当たり前のお話なのです。
ワンマン経営者ならそれが鋭角!なっています。
それを「コペルニクス的に」まずひっくり返したのです。


では一番上は誰になるか?
お分かりになりますか?
図で書くとこうなります。

逆ピラミッド.JPG


一番上は当然「お客さま」ですね。
そのすぐ下がバスの乗務員です。


はとバスの組織で一番お客様に接している乗務員を大事にした。
「社長は一番下だよ」とトップ自らが言い出したのですね。
もちろん全社員への発想の転換を促したのですね。


驚いたのは、この方はそもそも都庁時代から
こんなこと言っていたのですね。


都庁の交通局で働いていた際に
こういっていたのです。
「知事ではなくお客様をみろ!」


「お客さまあっての都営交通だ!」
「我々の給料はお客さまからいただいているのだ!」


「役人らしくない」どころか
「都庁からはみ出た異端児」
とまで言われたそうです。
そんなこと絶対にいえないですよね。


石原慎太郎さんに対してこんなこと言えますかね。
本当に次の都知事になっていただきたいものですね・・・。

 



その4  まず顧客満足研修を実施


「組織の逆ピラミッド化」分かりましたか?
これは意味深いお話ですね。  


つまり、「社長は一番下で全社員を支えている」わけで、
「ピラミッドの頂点であぐらをかいてはいけない」ということです。
社長自ら変革しないとできないでしょうね。


以前ご紹介したスズキ自動車の会長の名言
「トップダウンはコストダウン」
を思い出しました。
会社を変革するには社長自ら動くしかないのですね。


では逆ピラミッドの一番上の「お客様」をいかに大事にするべきか
その意識改革にまず何をしたか?


赤字会社ながら1000万円もかけ、
CS(顧客満足)研修をまず実施します。
JTBにお願いして800人の全社員に実施したのです。


その後、全社員サービス研修まで発展させていきます。
ここでの中心はグループ討議なのですね。
「サービスアップのために何ができるか」、まさに
現場レベルで徹底議論です。


このワザは星野リゾートでも研究しましたね。
全社員一丸になるには全員参加型の討議が必要なのですね。
一方的に「上からやりなさい」では絶対ダメなのですね。
これも同じ経営理論です。


さらに、現場の乗務員が一番大事にされていると認識させることも
大事なのですね。
そのため社長は何をしたか?
これは決して真似ができないですね。


毎朝出発するすべてのバスに乗り込み、
「私が『はとバス』の社長です」
と乗客に挨拶しただけでなく、バスガイドさんや運転手に声をかけて
言ったそうです。これで社員の顔と名前を覚え元気付けたのですね。


それと毎朝だけでなく、毎週日曜日に「自腹で」
はとバスツアーに奥さんと参加したのだそうです。
これもすごいお話ですね。
この「自腹で」というところがポイントです。
お客さん目線で、はとバスがどう見られるか確かめたかったのでしょうね。


分かりますか。
商売柄想像がつくのですが、会社の「忠実な」経理部長あたりが
「社長!それは会社の経費に落ちますから領収書まわしてください」
そんな進言があるかもしれませんね。


この社長はもしそんな経理部長がいたら、
「社長ではなくお客様をみろ!」
「お客さまあっての『はとバス』だ!」


と言って間違いなくクビにするのでしょね。
「組織の逆ピラミッド化」深いです・・・。





その5  デパートの売り場は「買い場」


「NGワードを決める」


面白い経営術だと思ったのでご紹介しましょう。
NGワードは「末端」、「業者」、「生き残り」
どうですか?
なんとなくすぐ言う使いそうな言葉ですね。


「末端はNG」
ある日役員の一人が
「この計画を末端まで周知徹底して行います。」
と社長に言って、これを聞いた社長は激怒したそうです。
お分かりになりますね。これはまさに「逆三角形理論」が理由ですね。
営業所の所員や乗務員が「末端」ではあってはならないのです。
そういう発想を上司が持ってはならないという、まさに精神論です。


「業者はNG」
これは業界によっては毎日のように言ってそうな言葉ですね。
業者とはいわゆる「下請け業者」のことですからね。
特に建築関係なんて絶対に言いますからね。
はとバスではこの「業者」という言葉を使うと即クビだそうです。
恐ろしいですね。
「お取り引き先」
と呼ぶそうです。


確かに下請けを小バカにしたような「業者」という言葉は
見下した感じがしますね。
これは心すべきNGワードですね。



「生き残りはNG」
この言葉もこの不況期まさに使いますね。
厳しい業界に合ってはなおさらです。
では生き残りではなく何なのか?
これは勉強になりますね。

「勝ち残り」


つまりSMAPの歌なのですね。
「ナンバーワンより♪ オンリーワン♪♪」


このように言葉一つとっても会社経営進むべき方向がきまると
思いませんか?


最後にデパート業界のお話まで著者は触れています。
デパートで「売り場」
ということばがいけないとしています。
こんな言葉を使うからデパート業界は不況から脱しきれないのだ
そうです。


「逆三角形理論」をマスターした方ならお分かりですね。
「売ってやる」という発想がいけないそうです。
「買っていただく」という発想。
つまり「買い場」!


「ご来店ありがとうございます。8階家具『買い場』です・・・?」


(はとバスシリーズ おしまい)

何だか『はとバス』に一度くらい乗ってみたくなりましたね・・・。

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