その1 弁護士仲介業がマザーズ市場に上場




弁護士



また面白い本を見つけました。
もう3回も読み直してしまいましたね。
なぜこれだけ私にとって魅力的な本なのか。
ただ、これは私だからこそ、そう感じるのかもしれませんが・・・。


それは、まず著者が私と同じ「士業」の弁護士さんであること。
そしてネットビジネスで最近上場したことなどなど・・・
もう私なりに「突っ込みたい」ところが盛りだくさんだからなのです。


著者は弁護士の元榮(もとえ)太一郎さん。
1975年生まれですからまだ30台。若いですね。
慶應の法学部を卒業し1999年の24歳で司法試験合格。
制度改革前ですから、その最難関の旧試験をわずか2回であっさり合格。


その後2001年にアンダーソン・毛利・友常事務所という
M&A専門の大事務所に勤務します。
もう早くもエリート弁護士への道ですね。


ところが、2005年に4年ほどで早くも独立。
この弁護士ドットコム株式会社を立ち上げます。


業務内容は「弁護士仲介業」


その仲介業を10年かけてマザーズ市場へ昨年末(2014年12月)に上場。
それで今回この本が緊急出版されました。


でも自称「経営者本評論家」としては、
上場と同時に創業社長の本が出版されるのはよくあることなのですね。
まさにマーケティング戦略の一環。ハッキリ言えば「ブランディング広告」です。


しかし、今回はわざわざそのゴーストライターの名前まで実名で出して
あえて「共著」としています。


どうしてそうなのか。
これは士業としてよく分かるのですね。
まああまり弁護士業界に波風立てなくなかったのでしょうね。
そのあたり含めて解説していきますので、しばらくお付き合いください・・・。






その2 若き優秀な弁護士


元榮弁護士は確かに若いのですね。
1999年に弁護士合格して2001年登録開業。


私と比較して恐縮ですが、実は私が税理士試験に37歳で合格したのが
1997年12月。2か月後の1998年に即登録開業ですから、
私と年は確かに15歳も違うのですが、
この弁護士と税理士と資格は異なるものの、
それほど登録年数は変わらず、専門家として同じ時代を生きてきました・・・。


1999年という時代背景は分かりますか?
まさに「ITバブル到来」の時代。
この本の題名の「ドットコム」を聞いて懐かしくなりませんか。


Windowsの爆発的な普及とともに、


「これからはネットの時代だ!」
「21世紀はすべてのビジネスがネットに変わるのだ!」


そう迷信めいたものができあがってしまって、
ネット関連の社名に必ず「○○ドットコム」が大流行。
そのせいでドットコムと名のついた会社はベンチャーキャピタル(VC)が
どんな会社でも出資して、上場公開ブームになったのでしたね。
この頃VCのあるお手伝いをしていてよく覚えています。



でもその後のITバブルの崩壊・・・。
そんな時代背景の中で、この元榮弁護士は時代を先読みして
弁護士紹介でドットコムビジネスを立ち上げます・・・。


ところが最初はものの見事に失敗。
それはどうしてでしょうか?


何となく聞いていたお話ですが、この本を読んでよく分かりました。
これは勉強になりましたし、考えさせられました。



簡単に言えば


「弁護士法という法律で、弁護士紹介ビジネスは禁止されているのですね。」



でも弁護士さんなのですから、そんな法律くらい当然知っているハズですよね。
それに敢然と立ち向かっていきます・・・。



このあたり私も同じ時代を生きていた「士業」の一人として
非常に感銘を受けました・・・。





その3 なぜ仲介業がダメなのか?


ここで弁護士法という法律を「難しく」解説するつもりは
ありません。



「誰かいい弁護士さん紹介してもらいませんか?」



これは税理士としてここ10数年何度も聞かれてきたことです。



「紹介するので紹介料ください。」ともちろん言ったことないし。

「紹介したのですから紹介料ください。」


と弁護士に言ったことも考えたこともないですね。



ただ弁護士法第72条に


「弁護士でないものがあっせんして紹介料をとってはいけない。」
というようなことが書かれているからなのですね。


でも一般の方はそんなこと知らないですよね。
何のための弁護士法第72条なのか?
この本には分かりやすく書かれていないのですね。


こういうことをやさしく解説してあげるのが、
こういうビジネスの基本だと思うのですね。
一応「弁護士ドットコム」の公式見解はコレです。こちら


でも、これ読んでも何が何だか分からないのですよね。
要するに「紹介しても弁護士からカネもらっていないから大丈夫です。」
ということなのでしょう。


でも実は一般の方にはそんなこと関係ないですよね。


「誰かいい弁護士さんいませんか?」


という純粋な要望にはどう答えているのでしょうか・・・。

実は税理士業界の「税理士法」にも同じような条文が
あるのですね。


「何のための業法なのか」
これは本当に勉強になりました・・・。







その4 困っている人のために



「交通事故をしてしまった。どうしたらいい?」


「相続でもめている困った・・・」


「従業員が職務中に大けがをしてしまった・・」



何が起きるか分からない世の中です。普段法律とは関係のない方に
突然必要に迫られることがあるのです。


「誰かいい弁護士を・・・」


インターネットが普及しているのに、確かにそういう弁護士のサイトは
少ないのです。
それどころか、業法によって、そういうことを「ビジネスライク」にやる業者
との提携を禁じているのですね。



あと業法で、実は2000年までは弁護士も税理士も広告すら
禁止されていました。
何度も書きますが、私も1998年登録開業です。
当時は広告は完全にご法度でした。
あの頃はインターネット黎明期。


ホームページなんか作ると業界の方から白い目で見られた・・・。


本当のお話ですが
「ホームページは業界で規制しよう!」
そういうことを真顔で論じられていました・・・。


しかし、上述した困っている人にとっては
何も探す手立てはないのです。
当時は「紹介」が中心。
銀行や取引先など誰かに頼るしかなかった・・・。


そこで
弁護士自身によってそういう困った人のためのサイトを作ろう!
2005年に元榮弁護士はそう思いついたのですね。


でも紹介料は取れません。
ご説明したとおり業法により禁じられていますから。
よってずっと赤字・・・。







その5 ブルーオーシャンへ



立ち上げ当初は年間3000万円もの赤字・・・。
ということは累積赤字が数千万にもなったのでしょう?
でもどういう訳か会社は潰れません。
「自分の法律事務所の利益をつぎ込んだ・・・」


これは驚きでした。
独立開業したばかりの法律事務所がそんなに儲かるのでしょうか?


この本の中で「ブルーオーシャン・レッドオーシャン」という言葉が
なんども出てきます。
元榮先生の人生観なのでしょうね。
レッドオーシャンというのは分かりますか?
レッド=血 です。つまり血で血を洗うような激しい領域ということです。
ブルー=青い海 です。 競争相手のいない領域の意味です。



つまり、いままで法律によって、弁護士の広告ができなかった訳ですから、
いくら紹介料がタダとはいえ、まさに「ブルーオーシャン」。
つまり、競争相手は誰もいません。弁護士紹介業は他にないのですから・・・。



これ分かりますか?
仕事が殺到したのでしょうね。



弁護士が作った「日本初・唯一の」紹介業サイトだからです。
最初は提携する弁護士も少なかったはずです。
ということは紹介する先は自分もしくは傘下の弁護士しか
なかったはずです・・・。



実は弁護士業界のことは知りませんが、税理士紹介業で
非税理士の方が運営している紹介業者ならいいのですが、
最近税理士自ら紹介業者を作って、「自分を紹介する」あやしいサイトも
増えているんだそうです・・・。


つまり、税理士の仲介業でといいながら、
税理士自身が経営し、自分を送り込んでいる輩です。


変なたとえかもしれませんが
中日の谷繁監督とまったく同じなのです。
監督でありながら自分を代打とするアレです。

「代打オレ」・・・??







その6 業界内の反発に負けないでほしい


すいません。またつい筆を滑らせてしまいました。


私なんて登録開業以来、「レッドオーシャン」で揉まれてきましたからね。
「ブルーオーシャン」に対するやっかみかもしれません。
大変失礼しました。
弁護士さんだから、もちろんキチンとやっているはずですね。


自分の業界のために、良い弁護士さんを探せる優良なサイトを作り、
しかもそれを上場させた功績は大きいと思うのですね。
ぜひこれからも弁護士業界のために頑張ってほしいと思います。

 

でも個人的な意見かもしれませんが、弁護士業界内の反発も結構大きかったと
思うのですね。


因みに、税理士自身が税理士の紹介業を立ち上げても
たぶん上場まではできないと思うのですね・・・。
こちらは、それだけ非常に陰湿な業界ですから・・・・(内緒)


いまだにホームページ(HP)すら持っていない税理士も多いのですよ。

「HPなんか持って宣伝している税理士は力のないやつだ!
オレは今まで一度も営業なんかしたことない。
紹介でしか絶対に客は取らないんだ!」


だいぶ前ですが、税理士会のある会合で真顔で
そう言われたことがあります・・・。



あと気になった表現で


「弁護士はサービス業だ!」


と書いてありましたが、この言葉なんか、こちらの業界の方に言うと
殴られそうなお話ですね・・・!?


「サービス業と反はなんだ!納税者の権利を守るのが税理士の使命だ!」


先輩に本当に怒られたことがあります。


弁護士業界のことは分かりませんが・・・・。

 



その7 すばらしい経験を生かして





あんまり余計なことを書いて、相手は弁護士さんだから

訴えられては困りますので!?

そろそろまとめます。

 

弁護士さんの意識改革にも一役買っていると書いてありましたから

きっと業界に良い意味での影響を与えているのでしょう・・・。

 

弁護士としてベンチャーを立ち上げ、それを成功させ上場までさせた経験は

すばらしいと思います。

その経験を生かし、ぜひ弁護士業を全うしてほしいと思いますね。

 

ただ私もかつて証券業に携わった身です。少し気になる点があります。

上場企業の社長でありながら、弁護士との二足のわらじは大丈夫なのでしょうか。

 

例えば、大阪の橋下市長は弁護士でありながら、政治家ですね。

肩書の弁護士というところは残していますが、弁護士業はやっていないはずです。

公務の合間に法廷に立って弁護士業していたら、有権者から怒られますからね。

 

上場企業の社長は、株主から選任され、株主のために働くのが仕事です。

弁護士業はできなくなるのではないでしょうか。

弁護士業と弁護士仲介業との利益相反の問題も出てくるでしょうし・・・。

 

まあこんなことは、弁護士さんとして「当たり前だのクラッカー」でしょうから(古い!)

私がとやかくいう立場でもないでしょうね。

 

最後に、税理士業界のために「税理士ドットコム」もやっているらしいので、

ぜひ弁護士業界のためと言わず、税理士業界のために一汗流してください。

 

弁護士の方はいつでも税理士として登録できます。

こちらのブルーオーシャンでも!? 先生をお待ちしております・・・。

 

(がんばれ!元榮弁護士シリーズ おしまい)

 

 

お問合せ
吉田信康税理士事務所
〒164-0001
東京都中野区中野3-34-31
大橋ビル4階
TEL:03(3382)8088
FAX:03(3382)8099
WEBでのお問合せ
 
 

「マイナンバー」
 掲載されました!!

プレジデント


平成27年4月より改正!

改訂版ふるさと納税

     

弥生会計なら自信あり
ぜひお任せください。
弥生で簡単
今月の弥生セミナー
弥生HPより



吉田の趣味のご紹介
囲碁の部屋

マラソンの部屋
またまた出ました!!NEW(赤)
月間ランナーズ
テニスの部屋


新サービスのご紹介
給与計算
相続税