その1 25歳の最年少上場社長


Livesennce

読書の秋ですね。
走ってばかりもいられません!?


先日未来工業の「80歳にもなる」老経営者のことを
取り上げましたが、一方でその対比となる
「25歳で最年少上場社長」の本も読んでいました。


ご存知ですか?
この方も最近よくマスコミにも取り上げられますね。
「80歳と25歳でどう違うのか?」


そんな読み方をするのは私ぐらいでしょうけど、
こんな観点から読むと結構面白いのです。


「経営ってそうなのか?」


年齢は関係ないのですね。
80歳の未来工業のお話もまだまだ「研究課題」ですので
どこかでまたアップしますが、今週はその25歳のお話。


リブセンスとは「LIVE=生きる」+「SENSE=意味」
直訳すると「生きる意味」
こんな社名を若い経営者が付けるところに
面白いと思いませんか?



あと最初に書きますが、この本はこの経営者である村上氏が
書いたものではありません。
ライターの上坂氏が書いたもの。
ここが正直不満でした。


「どうして自らその熱い思いを自分の言葉で書かないのだろう?」


若くて大変優秀な社長さんのように思えましたが、
このライターの方のフィルターを通して描かれている点に
ちょっと違和感も覚えました。


でも25歳ながらなかなかの人物だと思います。
これから起業を目指す方、若い方、学生さんに
ぜひ読んでいただきたい本です。


先日の80歳で経験豊富な社長さんとの対比で


「経験もカネもないのにこんなことやれるんだ!」


若い人ならなおさら、そう感動するでしょう・・・。




その2 画期的ビジネスモデル



ではこの社長の考え出されたビジネスモデルを、
まずご紹介しましょう。
成功報酬型のリクルートサイト = 『ジョブセンス』 です。

Jobsense_2

 


例えばラーメン屋さんがアルバイトを探しているとします。
その場合、ラーメン屋さんがこの求人サイトに入って
登録するだけでいいのです。実に簡単ですね。
ここで大事なのは、まったく「無料」なのですね。


アルバイトを探している方が、そのラーメン屋に応募して
それが決定すると、そのラーメン屋さんはジョブセンスに
「成功報酬」として求人広告料を支払う仕組みです。
ラーメン屋さんとしては、求人が成立した段階まで
何も支払わなくてよいのですから、実にリーズナブルですね。


ここでポイントは、アルバイトの方は、なんとジョブセンスから
「お祝い金」として最大2万円も!もらえるのですね。


簡単にいえばこんな仕組みです。
このビジネスモデルを若干二十歳そこそこの若者が
考えついたから上場できたのです。


今までの求人システムとは、
「コペルニクス的」発想の転換なのですね。

 

「どうしてこんな仕組みくらい考えられなかったのだろう?」


不思議に思いませんか?
私はここで、残念ながら倒産してしまった求人広告の会社、
「ワイキューブ」を思い出しました。こちら
リクルート出身の方は今や数多く活躍されていますが、
既存の発想では、こんなことはまったく思いつかないのでしょうね。


求人広告の会社は,ラーメン屋からどうやっておカネを
取ろうとしか考えなかったからのです。
だから「決まっても決まらなくても」求人広告料を
キッチリ徴収していたのですね。


例えば、今までも求人サイトは数多くあった思います。
でも、サイトに登録するだけでカネを取られたり、
求人の応募があっただけでも、課金されたりする仕組みで、
ラーメン屋さんとしては不満だったのでしょうね。


ではこの「お祝い金」のシステムはどうか?
この本のおかげでこんな面白い仕組みを知りましたけど、
よくよく考えてみたら、結局こういうことなのでしょう。


アルバイトが決まっても、ラーメン屋さんが「決まりました!」って
報告しなければ、求人広告料を払わなくても
よくなるからなのでしょうね。


だから、想像するにアルバイトに
「決まらなかったってジョブセンスに言っておけ!」
そう言って採用すればいい・・・。
そんな「不正をする」ラーメン屋さんも結構あったのかもしれません。


だからアルバイトに、直接手渡す仕組みがあれば
アルバイトから必ずジョブセンスに必ず報告しますからね。
確かに面白い仕組みを考え付いたと思いませんか?
しかも、アルバイトを探す側としては、お祝い金があるのとないのなら
あるほうから探しますよね。当然アクセスも殺到する・・・。


でもラーメン屋が
「お前に2万円お祝い金やるからジョブセンスに黙っておけ!」
とはならないのでしょうかね・・・・?


(すいません。すぐこういうことをつい考えてしまいます・・・)




その3 名門早稲田高等学院卒


ではこの社長「村上太一」氏はいったいどんな方か?


一言でいえば「ごく普通の人」(失礼!)なのですね。
本当にどこでもいそうな若者です。


早稲田大卒ですので私の後輩ですね。
都内の中学校から推薦で名門「早稲田高等学院」へ。
昔は大学内で「高等学院」出身というと
結構「でかい顔」できたのですね。
最近では系列校が増えたので知りませんが・・・。


しかし付属ですから大学も無試験なのですね。
ということ受験勉強にそれほど苦労しなかった方です。
このあたり普通の学生とは違って余裕があったのでしょうか。


高校在学中から起業を決意しています。
でも高校在学中はテニスに熱中した「普通の高校生」でした。


ちょっと変わっていたのかなと感じたのは
高校2年生の時に、
「簿記」と「システムアドミニストレータ」の
勉強をしていることくらい。


でもこれは大事ですね。
簿記やパソコンの勉強をしておくと間違いなく経営に役立ちますね。


高校3年生の冬。
早稲田大学で、「ベンチャーコンテスト」があることを知ります。


これが彼にとって一大転機なのですね。
普通の高校生から「企業家」への一歩を早くも歩みだしたのですね。


でもそのとき彼が考えたのは


「アルバイトを探している人が、自分の希望する勤務地や条件などを
匿名で登録するサイト」


これでは、確かに学生さんが思いつきそうなアイデアです。
でも、よほどプレゼンがうまかったのか、
大学一年生の夏に、このビジネスモデルで、そのベンチャーコンテストで
優勝してしまうのですね。


その翌年2月に起業を決意。
まさに学生ベンチャーでね。


そんな簡単に起業なんかできないですよね。
事実予定通りいかなかった。
資本金300万。でもそううち半分は親が出したもの。


でも18歳の学生さんがビジネスなんて分かるはずがないと
思いませんか?
こういう言い方すると失礼かもしれませんが、
学生さんが「サークル感覚」で始めたような会社です。


しかし、すごいと思ったのは、それでもその翌年4月に
サイトを立ち上げてしまうのですね・・・。




その4 大学一年で起業


平成18年2月創業。
なんと本当に大学一年生の時です。
実際に事業を開始したのが4月。
それでもまだまだ二年生になったばかり。


平成18年12月の初年度の決算。
売上わずか450万円!
実は本業以外の売上(SEOコンサル)があって、
本来の広告サイトの売上は250万!だけだったそうです。


このころが一番大変だったのでしょう。
当然社長の給料なんてなし。
月5万円って書いてありましたが、
学生ですから「扶養家族」だったのですね・・・。
ただここでSEOコンサルの儲けがあるくらい、
SEOを勉強したようです。
実際にカネがなかったから、自分達でやらざるをえなかったようですが・・・。
一時は会社を売却する、つまりやめてしまうことまでも
考えたそうです。


第2期に入り、平成19年2月頃から
一気に売り上げが伸び出します。
このころ全国展開に切り替えたからなのですね。


でも、ネットビジネスですから営業所が必要なわけではない。
ここがポイントだったのですね。
お分かりですか?
これこそネットビジネスの強みです。
それで月商1000万円を突破!


第二期の売上高はなんと7506万円!
経常利益はなんと3108万円!
すごいですね。
この数字は本に書いてありましたが
よくご紹介するEDINETからでも確認しています。
役員報酬は20万だったそうですけど、急に伸びたので
上げられなかったのでしょうね。
社長の月給を200万くらいにしても大丈夫だったのでしょう。
だから利益がたくさん出てしまた・・・。


第三期(平成20年12月期)の売上は、なんと3億2120万円
経常利益1億5276万円!


すごいですね。
これから急成長するのですが、
税理士として感心したこと。


高校二年で簿記の勉強をした村上社長は、
このあたりまで自分で経理していたのですね。
仕訳を起こしてあとは税理士に任せていたそうです。


ただ月次決算まではしていなかったそうなので
まだまだ「どんぶり」ですね。
日頃このような経理状態の会社さんは
たくさんお目にかかりますが・・・。


でもまたここで感心したのは、
この第二期目くらいから、
なんと「上場を目指していた」のだそうです・・・。




その5 上場は単なる通過点


冒頭に申し上げた通り、
「未来工業の80歳の老経営者とどう違うのか?」
そんな観点から、最後にまとめてみましょう。


まず共通点は「ブレない心」なのですね。
感心したのは、上場の承認が決まった日。
仲間とお祝いするのではなく、定食屋で、からあげ定食を食べた・・・。
これは元証券マンとしては、「まったく信じられない」のですね。


バブルの頃、上場の日には、幹事証券は社長を「吉兆」で接待して
銀座の高級クラブ・・・、自宅には奥さん宛に胡蝶蘭を送り届け・・・。
ものすごかったものでした。


また上場が決まってから、六本木ヒルズに引っ越した訳でもなく
テレビも冷蔵庫もない8畳一間に引っ越した・・・。
いまや時価総額300億円!もの上場会社のオーナーがです。
あとここが面白かったのですが、ベンチャーキャピタルの申出を
すべて断っているのですね。
ですから、株式の大半を村上氏がいまだ所有しています。


しかし、「ブレない」ということは、非常に大事なことなのでしょうね。
本人いわく
「上場は通過点でしかない・・・」
ここで高級外車を買ったり、六本木に行って遊んでいたりしていては
いけないのでしょう。
そういえば、未来工業の老経営者の社長車も
10数年間も使っている日産サニーでした・・・。


では「相違点」は何か?
80歳の老経営者と圧倒的に違うことは
やはり「若さ」と「将来性」なのでしょうね。
今やリブセンスはアルバイトのサイトだけではないのです。
正社員の転職サイトや、不動産の賃貸のサイトまで・・・。
この仕組みを使えば可能性は無限大ですね。
でもやはり若いということは、老経営者に比べたら
圧倒的に「経験不足」。


ここで参考になるお話を。
ソフトバンクの孫社長も若干25歳で起業したのです。
当時はもっと注目されていた。 こちら
しかしそこで大病を患って数年間も長期入院。
どん底を味わっています。


しかも、あの頃のソフトバンクは、名前の通り、
「単にソフトを売るだけの会社」
30歳になってから孫社長は、飛躍的な成長を遂げたのですね。


ただ、そこには孫社長の経験不足を補う北尾氏のような、
信頼できるパートナー、「ブレイン」がいたからなのです。


そんな条件さえ整えば、この村上社長はもしかすると、
孫社長のように大化けするかもしれません。
そんな可能性のある魅力的な方です。


Webサイトという「小さな世界」にとどまらず、
まったく違った業種業態に変化するかもしれませんね。
これからもブレずに、「生きる意味」を追い求め続けていってほしいものです・・・。


(ガンバレ リブセンスシリーズ おしまい)

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