その1 ニーサを真面目に考えてみました




Nisa

 


20014年から始まるあの「NISA」。
元証券マン税理士として、これは語らざるをえません。


ずいぶん前に、「アイサ」というのも解説したことがありました。こちら
英国版「ISA」にならって「アイサ」となるのかと思っていたら
どうも日本版ということで「ニーサ」が定着しましたね。
利便性のいい「ISA」とはずいぶん異なるからかもしれませんが・・・。


この「ニーサ」を日本語で訳すと「少額投資非課税制度」と
いうのですね。
枠は年間100万円なのですが、売却益と配当が非課税になります。


「非課税の口座なんだ・・・」


そう誰でも思うのでしょうね。



「非課税だから作っておかないとソンですよ・・・」


そう金融機関からいわれて口座を作った方も多いのでしょう。
一人1口座しか作れないということで、各金融機関、証券会社でなく
銀行も巻き込んで「口座取り合い合戦」が行われましたからね。


証券業協会の発表では300万件以上を目指すそうですから
各金融機関も必死です。


口座を作るのに、住民票が必要だということもご存知でしょうか?
証券会社と何十年取引してようが、2013年1月1日現在の
住所が分かる住民票が必要なのです。
ちょっと面倒ですね。


その住民票をもとに、実は税務署は名寄せするのですね。
ということは今後


「国税庁が、国民の証券投資している方々と名簿をきちっと管理」


することなのですね。
これは正直、「隔世の感」ですね。


30年前なんて結構適当でしたから(以降内緒のお話。単なるつぶやきです。)
当時は、偽名借名なんでもあり・・・。


「マル優使うために孫の名義出してください・・・」


当時はそれこそポチでもタマでも作れました・・・!?


国税庁も大変な手間をかけてこの300万件の名寄せをしているようです。
結構はじかれる方も出てくるのでしょうね・・・。


「銀行に頼まれて孫の名前使ったら、
その孫も知らないうちに自分で作っていた・・・」


きっとそんなこともあるのでしょうね。
30年前にはそんなシステムなど当然なかったので・・・。


本当にこの「ニーサ」ってなんでしょう。
真面目に考えてみましょうか・・・。





その2 上場株式の譲渡所得に対する課税強化


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ニーサの説明の前に、証券税制の税率が2014年から上がることを
説明しなければいけませんね。


現在、上場株式や株式投資信託の売買益と配当の税率は10%です。
これがなんと倍の20%になるのですね。
更にこれに復興特別所得税もかかります。


これは投資家の心理としては、


「来年から税率が倍になるのなら、年内に売っておこうか・・・」


普通そうなります。
実際そう思っている投資家は現在多いはずだと思います。
そうすると、当然株式市場は暴落してしまいますね。


だから、それを阻止するために来年からニーサを
導入して暴落を阻止したいのですね。
ただ株式市況とは、やはり日本経済の先行きを反映しますので
安倍首相はアベノミクスを打ち出して、日本経済を立ち直らせ
何としてもこの暴落を阻止したいのですね。


そういう意味では、ニーサは国家的な大命題でもあるのです。


でもここで古いお話をしたいのですね。
今から10年ほど間も、証券税制の大幅な増税がありましたね。
平成14年までは売却代金の1.05%納税して終わりという
「源泉分離課税制度」がありました。


この年までは実に簡単でした。
要するに売却してもその金額から1%ほどしか取られないので。
でも平成15年から20%の分離課税に変わったのですね。


当然時の政府も「暴落」のことを考えましたね。
時の首相は小泉さん。財務大臣に塩川氏。
この塩川さんが考えたという「塩じい税制」というのを
覚えていますか?


その暴落を阻止するために、平成14年中に1000万円の
上場株式を購入すれば売却益を非課税にする制度を
思いついたのですね。


ただ買ってすぐ売却されたら困るので、
平成14年中に買ったものを平成17年から平成19年中に
売却するという「しばり」を入れたのです。


ニーサを聞いた瞬間に、こんな昔の税制を思い出した税理士は
私くらいでしょうか。


この「塩じい税制」の恩恵を受けて、非課税で大金を
受け取った人は、日本でいったいどれくらいいるのでしょうか・・・。


証券市場を税制の力で、人為的に支えようとするということは
土台無理なのですね。


「泣く子と相場には勝てない」


政府が何といおうとも、これは声を大にして言っておきましょう・・・。






その3 ニーサの税務で聞くことは二つだけ?



ニーサの「本質」を探るために、ある証券会社の
「ニーサ講座」にのこのこ行ってきました。


平日の午後だったので、参加者は退職者と主婦が多かったですね。
これが夕方以降なら若いOLさんやサラリーマンも来るのでしょうね。
皆それなりに感心がかなり高いようです。


税の専門家として「ニーサ」の税務をよく知りたかったのですが
どうも素人さん向けに、「非課税でお得です」という説明しか
なかったのですね。
これは大事なことなのですが、「メリットしか説明していない」のです。


ニーサの税務で、「素人さん向け」に説明することは2つだけです。



1.NISA口座で購入した株式投信、上場株式等の売買益や
  分配金・配当金等が非課税になる制度


2.非課税投資枠は毎年100万円まで。
  非課税投資期間は投資を始めた年を含めて5年間。



要するにこれだけ。
あとはリスクを分散するためには、NISAには、
「国際分散投資を前提とした海外の証券投資信託」が安全でお勧めです・・・。
もうこの商品説明ばかり・・・。


多分これを聞いた方は


「5年もあれば値上がりすることもあるだろうから、
非課税のメリットを受けられるのかな・・・
なるほど証券投資信託が安全か・・・」


そんなことくらいしか思わないのでしょうね。
「でも売却したあとはどうなるの?」
は思うかもしれませんが、どうも相場の世界を知っているものとしては


「でも下がった場合はどうなるの?」


結構これが大事なのですね。
証券会社での説明会では、一切これに触れていませんでした。
パンフレットに小さく書いてありましたが・・・。
まあこういう「ネガティブ情報」というのはセールスとしては
振れない方がよいのでしょうけど・・・。


でもこういうことが5年後あたりに、きっと問題になりますよ・・・。
これは元証券マン税理士としてハッキリ書いておきましょう。



ニーサは上場株式や株式投信が「値上がりすることを前提」とした
税制上の優遇策なのですね。


ですので、「値下がりした場合」は基本想定していないのです。
こんなこと書く税理士は私だけでしょうけど、
「国民の幸せのために」ハッキリ書いておきましょう。


ニーサはギャンブルと同じです・・・!?」






その4 ニーサはギャンブルか?


「ニーサはギャンブルと同じです・・・」


またやってしまいましたね。
ついまた例のごとく「筆を滑らせて」しましました。
お叱りを受けることを覚悟で敢えて書きます・・・。


もっというと、「丁半博打」に例えると分かりやすいですね。
サイコロ振ってやる「丁か半か」というヤツです。
確率は2分の1。勝つか負けるかです。
ニーサも、ある意味「勝つか負けるか」なのですね。


お分りになりますか。
値上がりしたら「勝ち」。値下がりしたら「負け」


どういうことでしょうか。
こういうことを説明する税理士も少ないでしょうから
解説してみましょう。



ニーサは値上がりした場合の利益は確かに「非課税」でした。
でも値下がりした場合はどうなるのでしょうか?



例えば100万円で投資した株式が50万円になってしまった。
売却すれば50万円の損です。
通常なら譲渡損失は三年間の繰越ができましたね。


また、もし仮に「特定口座」で運用していて、他の銘柄で売却益がでたら、
この売却損と売却益は相殺できるのでしたね。
これを「損益通算」といいます。


でも、この「損失の繰越」も「損益通算」もニーサには認められません。
「ニーサ口座」では売却損は「ないもの」とされるのですね。
あと、もっとも悲劇なお話です。これは各証券会社のパンフレットに
小さく書いてあることです。

Nisa_2

 


その50万円に下がった株式が5年経ってしまった場合はどうなるか
ということです。
図のように5年の期間満了で、通常一般の口座に移し替えられてしまいます。
分かりにくいことはその際の価格は50万円という「時価」で
移し替えられてしまうのですね。


仮に6年後に80万円で売れたとしても差額の30万円に対して
なんと20%の6万円税金が発生してしまうのです。


そもそも100万円で買った株式ですよね。
それを80万円で売って「損をしていても」税金が取られるのですね。


「何だ何もしなければ良かった・・・」


ということなのですね。


証券会社でもらってきたパンフレットをあえてアップしましたが
そこまでのことを理解してる人がどれくらいいるのでしょうか。


ですから、分かりやすくあえて解説したまでです。
ただ図でいえば「上の例」はまずないのですね。
値上がりしたら、その期間中に普通売却してしまいますからね。



ニーサは証券投資を「5年の期限付きで博打をしたものと同じ」と
申したまでです。


5年間で「値上がりしたら勝ち」、
「値下がりしたら負け」なのですね。


ただ「絶対勝てる」ギャンブルはこの世にありません・・・。






その5 ニーサに対する考え方




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「ニーサはギャンブルか?」


という私なりの見解に対して、実はNISAを解説している政府広報に
のっているのですね。こちら


これには、
「投資はギャンブルである」とか「ギャンブルではない」
ともハッキリ明示されていないのですね。


「長期間」で運用して、「分散投資」していれば
あたかも安全であるような書き方ですね。
金融庁が試算したグラフまでのせています。

Nisa_kinyuutyou_3

 


証券投資は本当に安全なのでしょうか?
疑い深い私は、この政府の策略?を信じていないのですね。
やはりリスクはあるということを踏まえて「投資」してほしい
ということなのでしょう。


20年間のマーケットのグラフまでのせていますね。
証券会社の説明会では30年間のグラフを見せられました。


でもこれに対して、かつてマーケットの中心にいたものとして
本音で証言しますけど、
(内緒ですがこれでも証券会社の企画にいたものですから・・・)


有価証券投資して、「20年間も」、ましてや「30年間も」
ずっと持ち続けている人は絶対いないのです。
都合のいい表です。


ニーサに関して言えば、運用期間である「5年間」で勝負なのですね。
このグラフからも、「どの5年間で切るか」によってパフォーマンスは
かなり違ってくると思いませんか。



もう一つ気になったのは、「国際分散投資の方が安全です。」
のような金融庁の説明ですね。


これを受けて証券会社も国際分散投資をする証券投資信託を
勧めていました。
これ手数料3%と非常に高いのご存知でしょうか。
何となく証券会社の策略ですね・・・。(これも内緒)

 


最後にまとめます。


「証券投資はギャンブルだ」と割り切って、NISAに取り組んだ方が
良いのではないでしょうか。
へそ曲がりな意見かも知れませんが、
NISAであえて株式投資するのです。


5年間で成長する企業を見つけて、まさに「自己責任」で投資する。
その株が5倍、10倍になるかもしれません・・・。
夢のようですね。
私は証券市場にいつも夢をみていました。
株式に夢を託すのです・・・。


「これからどんな業種、どんな企業が成長するだろう」

それを必死に考えることもご商売には必要ではないでしょうか。

もっというと、日本はこれから復興しなければならないのです。
日本に希望が持てないのでしょうか。



私なりの独自な意見かも知れませんが、
そんなNISAの使い方もあると思いますね・・・。


ではいつものように私の座右の銘で終わります。

人の行く 裏に路あり 花の山


(NISAシリーズ おしまい)

 

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