その1 韓国経済を支える世界的企業 


オリンピックの熱戦が続いていますね。
またここで「偉そうに」ウンチクを語っても誰も読まないでしょうから
久しぶりの書評。


しかし、私もマラソンや囲碁で浮かれてばかりではないのですね。
真面目に本も読んでいます。
週末の誰からも電話かかってこない事務所で一人静かに本を読むのも
結構好きなのですね。


日本中がオリンピックに熱中して、一瞬この不景気を忘れていますが
まだまだ日本の経営環境は何ら変わらないのですね。
本当に不透明な政治情勢からまだまだ・・・。

Samusun

 


さて、また得意の題名につられて買ってしまった本。
サムスンとは韓国を代表する企業。
韓国最大手の総合家電メーカーのサムスン電子を始め
サムスングループの系列会社は64にのぼり、その売上高は
韓国のGDPの22%にも占めるほど!なんだそうです。


いわは サムスン=韓国 ですね。
日本の家電メーカーがサムスンに抜かれてしまったと
言われて久しいですから。


この本はずいぶん前から話題になっているので知っている方も
多いでしょう。
この出版社も結構宣伝がうまいですし。
この副題「5年で一流の社員になる」につられて、
私と同じように衝動買いをされた方もいるのではないでしょうか。

この本を何度も読み返しましたが、
この私の「定評のある?」書評欄に乗せようか、結構迷ったのですね。


「どうしてこんなに売れるの?」


正直不思議に思いました。
ただ私のような「昔のサラリーマン」には、結構懐かしいことが
たくさん書いてあったのですね。


「今の若いサラリーマンには受け入れられないのでは?」


そうも感じましたね。
それでも、売れているのは、私の年代より上の『古い経営者』が


「オレのときはこんなに働いたのだ。新入社員よ。頑張ってくれ!」


そんな「古風な」願いからなのでしょうね・・・。




その2 かつての野村証券でも・・ 


「入社5年で一人前になる!」


これはどんな経営者でも、新入社員に願うことですね。
でも


「過酷に働かなければ成果は生み出せない。」
「月月火水木金金」


なんだか古いフレーズが出てきましたね。
私がサラリーマンだった20年以上前にもあったような
近代日本史に出てきそうな『古語』ですね。


今の野村証券では分かりませんが、当時の野村証券でも確かに


「5年で一人前になれ!」


とよく言われましたね。
当時の新入社員は全員、必ず地方の支店で証券営業を
させられました。
最初の支店で通常2〜3年間。
そこで成果を出してから次の営業店でまた「がむしゃらに」頑張る。
そこでまたそれなりに営業成果を出すと、
まさに「一人前」と認められました。


いわゆる「トップセールス」は、本当にわずか5年以内で
「一人前」扱いされ、ここで晴れて本店に「ご栄転」です。
そんなエリートを目指して必死になって、5年間は
「月月火水木金金」と「過酷」に仕事でした・・・。


サムスン式どころか、

「野村証券式仕事の流儀 5年で一流社員になる」


くらい私でも書けてしまいそうですね。


でも、もうサラリーマン生活は遠い昔ですから


「それで本当の一流社員か!」


とどこかで正直なお話として、突っ込みたくなるのですね。



決して真面目に仕事することを否定するつもりはありません。
でも、それは「携帯」も「メール」もない20年も30年も前の
お話でしたから。
日本の高度成長を支えたのは確かに、
この「モーレツサラリーマン」と「滅私奉公」でした・・・。


ただ、今の時代環境も違うし、何より新入社員の価値観も
まったく違うと思うのですね・・・。





その3 サムスン流仕事の流儀 


では「入社5年で一人前になる」ためのサムスン流の
仕事の流儀をいくつかご紹介。


何故今サムスンに日本企業が負けてしまうかを考えながら
読むと確かに面白いです。


入社前の流儀@ 「報告書の書き方をマスター」


もう「入社前にこれだけマスターするのか!」
驚いてしまいますね。
確かにビジネスにおいて報告書は大事ですね。
それをどうやって書くかを指導しています。
報告書でもっとも重要なのは
「タイトル」と「ポイントの要約」
なのだそうです。でも、これは至極当然ですね。
現代の報告書はほとんどがメールですから。
忙しい上司としては、部下からの報告(メール)を
いちいち読んでいられませんからね。


入社前の流儀A 「会議のあり方をマスター」


「サムスンよ!おまえもか!」という感じですね。
サムスンもやはり会議地獄だそうです。
私もかつてサラリーマンだった時に、毎日3回くらい会議だった頃が
あります。
「会議のための仕事」ばかりで、何ら生産性のないことばかりで・・・。


でもサムスンは、会議の議事録を毎回作り、出席者全員に
会議終了後すぐメールで送るそうです。
そのあとも「フォローアップシート」も作成していく。
確かに実効性はありそうですが、まさに「会議地獄」ですね・・・。


入社2年目の流儀「社長の考え方をマスター」


これは日本企業でもよく言われることですね。
「社長の考え方をよく理解しろ!」と。
でも入社2年で社長と同じレベルには絶対ならないですよね・・・。


入社3年目の流儀 「結婚でシナジー効果を生み出す」


サムスンの場合は未婚だと海外駐在員の資格から外れることが
あるそうです。
でも、このあたりもし「社内規定」でバッチリ決まっていたら
日本では間違いなく問題になることでしょうね・・・。


おそるべしサムスンです。





その4 日本の現代に通用するか


どうもこの「サムスン式」に違和感を覚えるのは
私だけでしょうか。
別にサムスンという世界企業を批判している訳でもないのですね。
かつての日本企業なら、どこにでもあったお話なのでしょう。
日本の高度成長期の大企業にありがちだった「洗脳教育」の
ような気がしてならないのですね。


「会社というのはこういうものだよ。」
「社長さんに忠誠をつくするのが基本だよ。」
「残業することをいとわず働かなければダメだよ。」


なんだかそんな気がするのですね。
他の大手企業のことは、想像でしか話せませんが、
30年前の野村証券は、確かにこの「洗脳教育」だったと思うのですね。


野村証券は、入社して確かに5年くらいは独身寮暮らしです。
朝7時から11時!まで働いて、寮に帰れば同僚しかいません。
土、日は自主的に働くことも多かったし、
少ない休日の娯楽といえば、同僚と麻雀かゴルフ。


携帯もネットもないあの頃は、確かに外界と
遮断されていたといえるでしょう。
四六時中、そんな会社人間と一緒ですから
当然そんな「洗脳」を自然に受けてしまうのですね。
5年たつと、立派な「野村マン」のできあがりです・・・。


「四六時中会社のために働け」ということなのでしょう。
それを何も考えずに受け入れる「真面目さ」も当時の新入社員には
ありましたね。でも現代はどうでしょうか・・・。


そういえば、先日ご紹介した、江上剛さんの「55歳のフルマラソン」に
こんな面白い経験談が出ていました。
江上さんが都市銀行の人事部研修課にいらした頃のお話です。
お荷物行員(ひどい言い方ですが、評価が低く昇格が遅れている行員のことを
指すそうです)の研修をしたことがあったそうです。
その「お荷物」のほとんどが、近所の子供たちのサッカーや野球を
教えていたことに驚いたそうです。当然
「そのエネルギーを少しは仕事に向けてほしい」
と江上さんはキツク指導したそうです。
そんな失礼な発言をしたことを江上さんは、
今頃ようやく気がついて後悔しているらしいですが
当時は「会社人間」として、そんなことは至極当たり前だったのでしょう。


つまり、
「仕事に支障が出るような趣味などもってのほか」
ということなのですね。
確かに私も会社人間だった20代の頃、土日にテニスしようとか
マラソンしようなんて思ったことなかったのですね。
そんなこと思うこと自体、「会社人間として失格だ!」
とさえ「洗脳」されていたのですから。


現在では、テニス・スクールやマラソン大会に若いサラリーマンが
たくさんいる時代なのですからね。
また企業側も、新入社員を外界から遮断して「洗脳」するのは
難しいでしょうね。


あらゆる情報があふれかえっているのですから・・・。




その5 この本の正しい使い方



最後にサムスン式でこれは大変だな!と思ったのは、


「部下が退社前に、必ずその日の報告事項を整理し上司にメールを送る。
夜上司がそのメールを見て、その夜のうちにメールで指示しておく。
その結果その翌朝すぐ仕事に取り掛かれる・・・」


サムスンでは偉くなると、もう寝る間もないのですね。


ではサムスン式を参考に、日本企業のことに話を戻しましょうか。
しかし、日本では「愛社精神」や「滅私奉公」というのは、
どうも「死語」になりつつあるのでしょうか?


私が新入社員だった30年近く前は、土曜日も出勤でした。
それから多くの大企業が週休二日制に移行していきましたね。


それでも土日も働いたし、平日は朝7時から夜の11時くらいまで
必死になって働きました。
よく証券会社が「セブン・イレブン」と言われましたね。
「セブン・イレブン」どころか「セブン・ワン」!くらいまで働いたことも。


あの頃は、それが法律的にどうのこうのなんて、
思いもしなかったかもしれません。
「洗脳」されていたといったらそれまでですが。


それこそ「残業代」なんてまともにつけたこともなかった・・・(内緒)
せいぜい毎日夜の8時くらいまでつけて、あとは「サービス残業」
朝7時に来ようが、土日働こうがそれもすべて「サービス残業」
でも残業代が欲しくて働いたこともなかったのも事実ですが・・・。


最近話題になっていることが、「残業代の不払い問題」ですね。
ご存知だと思いますが
「1週40時間、1日8時間を超えて働かせてはならない」
労働基準法という立派な法律があるのですね。


それを超えて働かせる場合は、当然ですが「残業代」を払わなければ
ならないのですね。時間外労働は25%増しで、休日は35%増し。


中小企業の実態として、確かに残業代がまともに払われていない
ということは知っています。
でもこれが社会問題化しているのは事実ですし、それこそあちこちで
訴訟にもなっています。


ヤフーでもグーグルでも「サービス残業」と検索したら
もういくらでも出てきますからね。


ですからこの「サムスン式」を日本で今やったら
「深夜に上司にメールを送った時間まで残業代払ってくれ!」
って言われてしまわないですかね・・・?


最後にこの本の使い方としては


「オレが若かった頃はこれくらい頑張ったんだ!」


と新入社員に渡すのは正直間違っていると思うのです。


「当社が今後、競合企業に負けないようにグローバル・スタンダードを確立すべく、
法令を順守し、社員を鼓舞していくにはどうしたらよいのか?
サムスン式を比較検討した上で、社長の立場になってあなたの考えを述べなさい。」


こんな「管理職昇格テスト」に使うべきだと私は思うのですね・・・。




(ガンバレ日本の中小企業! ガンバレ日本!シリーズおしまい)

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