その1 マックのV字回復の理由


読書の「春」ですね。
新しいことにチェレンジしたくなる季節です。
お勧めの書。マクドナルドの原田社長の本です。

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原田社長の本は、以前「とことんやれば必ずできる!」という本で
ご紹介したことがありました。こちら
まだその頃はマクドナルドの社長になって日も浅く、
マクドナルドの経営というより、彼の「転職の極意」を
結構面白がってご紹介しましたね。

同じ社長を定点観測しているとまた見えるものが
あるのですね。


2004年に原田社長が社長になった当時は
2期連続の赤字企業、しかも対前比売上高も7年連続マイナス。
いわば「どん底」だったのですね。
それが社長に就任して以来、なんと7年連続の対前比売上高のプラス!
売上高も6000億円にも達する勢いなのですね。
見事な「V字回復」ですね。

どうやって回復したか非常に興味ありますね。


ところで、いろいろ私の独断と偏見で「経営者本」を
いままでたくさん紹介してきましたが
私自身気が付いたことは、それぞれが相関関係をもってくるのですね。
熱心なファンの方なら!?当然お気づきでしょう。


例えば、前回はワイキューブの破たんしたお話でしたね。
「どうしてこの企業が破たんしたか?」
それがご理解できたでしょう。
今度は「V字回復した企業」のご紹介です。
そうすると熱心なファンの方なら、

「ワイキューブはこうしたからダメで
マックはこうやったから良かったのか!」

そう気が付くのですね。
またこれも「コアなファン」(いるの?)なら気が付くでしょうけど
ずいぶん前にサイゼリアを取り上げましたが、(こちら

本当に買って読んだ方ならお分かりになります。
サイゼリアの社長が、
「外食産業の中で常にチェックするのはマクドナルドだ」
と書いてあるのですね。


「マクドナルドはどんな経営をしているのか?」

チェーンストアの大成功者も目標とする経営術なのです。
さあ!その経営術をご紹介していきましょう・・・。




その2  基本に戻る


マックのV字回復のために取った原田社長の作戦は
基本に戻るという実に当たり前の戦略を取りました。

「QSC」という外食産業では基本中の基本の「定石」があります。
外食産業のコンサルタントが必ず最初にいうキーワードです。
つまり、

QUQLITY    (クオリティ・最高のおいしさ・安全性)
SERVICE    (サービス・心温まるおもてなし・クイックサービス)
CLEANLINESS(クレンリネス・快適な食事空間・清潔さ)

これはまさに基本中の基本です。
これができなかったら外食産業はできません。
さらに社長はこれにもう一つ、「V」を加えます。
Vというのは、熱心なブログファンならすぐわかりますね。

VALUE(バリュー・総合的な価値ある食事体験)
です。これは先日アップしたばかりですね。
「100円のコーラを1000円で売る方法」のコトラー理論です。

「なんだ!そんなことか!」

と思うかもしれませんね。
でもこの基本を大事にすること。これが原田経営の神髄なのでしょうね。


「業績が低迷しているときの新規ビジネスほど危ういものはない」

こうもはっきり言っています。
「新規ビジネスでもう一本柱を立てておこう」
こんな発想は危険でやめるべきとまで。

これは知らなかったのですが、昔、マクドナルドで
「カレーライスやチャーハン」まで出した時期があるそうです。
マクドナルドでカレーなんて出してほしくはないですよね。


また、基本に戻るため「マクドナルドらしさ」を取り戻したそうです。
たとえば、「フライドポテト」がありますね。
以前は、昼時に買に行くと、店員がたくさん揚げられたポテトを
シャベルみたいなもので、ガサッと入れてくれましたね。

もうあのような作り置きはやめたそうです。
それより
「ポテトは揚げた後7分経つと廃棄する」

そんな社内ルールまでできたそうです。
揚げたてのポテトこそ「マクドナルドらしさ」だと私も実感します。
まずその「らしさ」を取り戻すことから始めたのです・・・。




その3  マクドナルドらしさとは


マクドナルドが日本に進出して40年だそうです。
そういえば確かに私が小学生の頃
「マクドナルド第一号店が日本に!」
ということでかなり話題になりました。


でもあの頃は、「ハンバーガーを食べる習慣」が日本にあまり
なかったように思います。
街の中のパン屋さんでは、コロッケパンや焼きそばパンなどの
「調理パン」が全盛でした。
やはり私は「マック世代」ではないのですね。
大学生の頃、卒業旅行で渡米して
「ハンバーガー=アメリカ」を実感したくらいですから。

確かにマックには何度も行きましたが、
まさにファーストフード感覚。

やはりマックに行くようになったのは子供ができてからですね。
毎週日曜日は必ずマックに買いに行きました。
おまけのおもちゃを子供たちは期待しているようで
それを喜んでいる子供の顔を見るのも楽しみでした。

ということは味への期待は二の次。
自分にとってマックとはそんな位置づけでした。


考えてみれば、マックはこれまで成長してきたのは、この
「子供志向」
というコンセプトではなかったのかなと感じます。

子供志向であれば、味にそれほどこだわらなくて良いし、
そういう観点なら、
子供が絶対飲まないコーヒーなど味なんか気にしなくて良い。
店舗の内装にも子供受けするような配色や、
汚されても良い堅いプラスチックの椅子でもよいはずだったのですね。

ここに、マックが低迷した原因があったのでしょう。
それを原田社長を見事に覆していきます。


基本である「QSC+V」にこだわる社長は、
フライドポテトだけでなく、
ハンバーガーそのものも作り置きをやめました。

作り置きをすれば確かに、昼時など混雑時に大量の客がさばけて
売上が増加します。
でも、それをあえてやめたのですね。
独自のキッチンシステムを作って、

「オーダーを受けてから。バンズを焼いてマスタードとケチャップを
トッピングして、ピクルスとオニオン、さらにパティをのせて
ラピングするまで50秒でできるようにして全店に導入」

したのだそうです。


最近マックにいくと必ず並びますね。
でも必ず「アツアツのハンバーガーとポテト」がでてきます。

これこそが「QSC+V」にこだわった「マクドナルドらしさ」なのです。




その4 リーチ一発カンチャンツモ!


「マクドナルドらしさ」を取り戻すために
原田社長の実行されたことで一番感心したこと。

歌舞伎町のど真ん中にあるマクドナルド店を
なんと閉鎖してしまったのだそうです。
歌舞伎町の一等地。まさにドル箱店です。
私も何度か利用したことがあります。
それをあえて閉鎖しました。


普通の企業だとなかなか実行できないことなのではないでしょうか。
多分全店トップクラスのドル箱店を閉鎖してしまうといことは。


理由は、お分かりですね。
当然子供をターゲットにするという
「マクドナルドらしさ」のためだけですから・・・。


なかなかこの社長の実行力はすごいです。
何度も言いますが、ワイキューブの社長と比較しながら読んでみてください。
マクドナルドの本社は新宿アイランドタワーの最上階の38階、39階、40階です。
あのワイキューブが一時本社を置いたところですね。
生き残った会社と消えてった会社の差はなんなのか・・・。


原田氏が社長になる前、マクドナルドは2000年(平成14年)から
130円のハンバーガーを半額の65円にして大成功しましたね。
覚えていますか?
ユニクロとともに「デフレの勝ち組」と称されたのですね。


そのキャンペーンで成功したマックドナルドは
その勢いで2002年(平成14年)にJASDAQに上場します。
でもアップしたようにその2期連続赤字決算となってしまいます。
価格破壊競争に勝ったものの、「ハンバーガーは安物食品」という
イメージが定着してしまったのですね。


このイメージ払しょくにマクドナルドは実は苦しむのです。
2004年(平成16年)に社長になった原田社長は
このブランド復活に取り組むのですね。

「店舗の投資、人材の投資を猛烈に行いました・・・」

「なんだ、ブランド構築のために惜しみなく投資したワイキューブと
同じ戦略を取ったのか・・・」

実は私もそう思ったのですね。
でもこの原田社長の経営術は、実に面白いですね。
何が面白いかというと分かりやすい「フレーズ」を使います。

このフレーズを使って大胆に改革していくのです。
この点はワイキューブの社長とはまったく違っています。
一番感心したフレーズ。意味分かりますか?


「ビジネスはリーチ一発!カンチャンツモ!!」




その5  大胆な変革


ビジネスはリーチ一発!カンチャンツモ!!」

このフレーズは麻雀をやらない人は分からないでしょうか?
でも「なるほど!」と感心してしまいます。


麻雀が分からない方のために解説すると
「思い切ってチャレンジすること!」
「ビジネスは運もあるし、運を引き寄せることが大事!」
そんな意味でしょうか。


原田社長は思い切って「リーチ」をかけていきます。
例えば最近マクドナルドの店構えが変わっているのを
お気づきでしょうか?

昔はマクドナルドではあの定番の看板があるのが目印でした。
内装もどこも似たような構えでしたね。
しかし、今は、「ここがマクドナルド?」というような店が増えたのですね。


看板のない店も増えたそうです。
これは「新世代デザイン店舗」といって
特に東京では港区や渋谷区を中心に増えています。
実に大胆な戦略ですね。


また一方で、2004年時点で3900店あった店舗を
徐々に減らして3300店まで減らしています。
2010年だけでも433店舗を110億円も使って
一気にクローズしているのです。
これはスゴイですね。

何となく想像つくのですが、不採算店舗を思い切って減らしたのでしょう。
これによってフランチャイズの法人契約者も440社から
200社へと思い切って減らしています。

それでも2010年度は全店売上でもプラスに転じていると事が
スゴイです。


社内的にも思い切った「リーチ」をかけていきます。
なんと!「成果主義の人事制度」を取り入れていきます。
簡単に言うと「年功序列を廃止」しました。

極端なお話として、
「部長になって失敗して課長からもう一回やり直す・・・」
そんな厳しい制度も取り入れたのです。


本邦企業にはなかなかなさそうな、「外資企業」的ですね。
この厳しさはワイキューブの社長にはなかったものです。
これは大変参考になります・・・。




その6 ウチの会社はどこへ向かうのか


巨大資本による飲食店経営。
昨日の「注文システム」も資金が必要とされるところですね。


ワイキューブとマクドナルドの失敗と成功の差は
「単なる資金力の差さ・・・」

なんてやはり一言では片づけられないと思うのですね。
確かに資金力にものを言わせて、中小企業の領域まで
大企業が攻め込んできています。


でも中小企業だって大企業を凌駕できるチャンスだってあるはずなのですね。
それが何か必死になって考えています・・・。
逆に大企業だからこそ、リスクも大きいとも思うのですね。
マクドナルドはあれくらい大きい所帯だと、今時点で
1年半後のメニューをいま考えているくらいですから・・・。


ワイキューブとマクドナルドの比較の中で
人事制度も参考になりました。
ワイキューブは単にむやみやたらに給料を引き上げたことで失敗したのですね。
マクドナルドの改革の中で原田社長は人事制度を変え
従業員を納得させたうえで、引っ張ってきたのですね。


参考になったことは
「うちの会社はどこへ向かうのか」
「私の給料はどうなるのか」
「私の仕事はどうなるのか」
その疑問にはっきり方針を打ち出してから、
原田社長は社員を引っ張っていたことなのですね。


残念ながら、ワイキューブの社長には
これはなかったことです・・・。
資本の大小とは関係ないことです。


最後にこの原田社長は2011年と2011年の東京マラソンを
完走したそうです。
すごいですね。
私と同じマラソン愛好家なのですね。
「最近はトライアスロンに挑戦すべく日々練習しています。
毎朝11キロ走っています。」


これは私も負けました。
私はたかだか8キロくらいしか走っていませんから。
マラソンの途中でよく都内のマクドナルドに立ちよるそうです。
11キロだと都内の都心のどこでのマクドナルドでも回れますからね。

従業員はびっくりするでしょうね。
早朝の店舗に社長がランニング姿で急に来るのですから・・・。


この元気さが、マクドナルドという会社自体を元気にしたと
私は思っています。


どうですか?
「勝ち続ける経営のために」
チーズバーガーでも食べたくなりましたか?





その7 マックはどこへ向かうのか



マックシリーズ最後にやはり実地調査をしてきました。
どうも本だけでは分からないこともありますから。

Mac


当事務所は駅前ですから、すぐ近くにマクドナルドはあります。
子供の土産に何度も買ったお店でしたが
実際にここで「実食」するのは数年ぶり。
やはり本で読むのと実際に見るのは違うのですね。

コーヒーはやはり100円に値下げされていました。
これにチーズバーガーも頼んでなんと220円!
確かに安いですね。


チーズバーガーを頼んでから1分ほど待たされます。
確かに「50秒」で作り上げるという、「メイド・フォー・ユー」という
独自のキッチンシステムの成果なのですね。


食事するスペースは、昼下がりの中途半端な時間帯だったのですが
ほぼぎっしり。
窓際の空いた席を見つけ、まずチーズバーガーを
ほうばります。
味は昔ながらのマックです。

「一日に数百万個を同じ品質で、同じ工程で、同じスピードで提供する」


このマック・システムがなせる業なのですね。
さあ!問題のコーヒーです。
本によると「コーヒーを美味しくした」と書いてあったのですが
これも昔ながらのマックの味です。
正直ちょっとがっかりしました。


実はこの本が出た後、マクドナルドが方針転換して
コーヒーの値下げをしたのですね。
この本には
「2010年6月、20円値上げしました。8年目にして6回目の値上げ・・」

と結構自慢げに書いてあったのです。
ここでもあの「価格を下げるのではなく、価値を上げて勝負すべし」の
「コトラー理論」ですね。
まさに「バリュー戦略」を今までとってきたのです。


ところがこのコーヒーの値下げにより、「100円マック戦略」で
低価格路線にまた方針変更したのです。


この戦略変更はどうなっていくのでしょうか?
でもこれも原田経営の神髄なのでしょうね。
「ビジネスはスピード」ともいっています。
よいと思ったことを思い切ってやる経営、つまり原田語録にある


「ビジネスはリーチ一発!カンチャンツモ!!」

このフレーズは私は好きですね。
これからもマックに眼が離せませんね。
マラソンランナーでもある原田社長に期待しましょう!


ガンバレ!マック!!


(マクドナルドシリーズ おしまい)

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