その1 新宿シティ・マラソン10キロの部
日曜日に新宿シティ・マラソンを走ってみました。
本当はハーフを走りたかったのですけど、すぐ定員一杯になってしまって
仕方なく10キロにエントリーしていました。
でも10キロと言っても初体験のマラソンです。
少し言い訳をいいますが、
実は小、中、高校とマラソン大会などありませんでした。
小学校と中学校と池袋という都会の真ん中の小さな学校で、
校庭も直線距離で100メートルもないくらいでした。
高校もまた都会の進学校だったので、猫の額のような校庭でした。
よって長距離など本当に走ったことがなかったのです。
唯一高校の部活で皇居を走ったくらい。
その前人未到の?10キロをどうやって走るか、
どうも想像がつかないというのが正直な気持ちでした。
実は新宿シティ・マラソンは制限時間があります。
10キロは70分で走らなければならないのです。
初マラソンとしては結構ハードルが高いのですね。
因みにハーフでは2時間30分です。
市民マラソンとしては、東京マラソンと違って結構厳しい関門なのです。
一応「毎朝は走っています!」とブログに
正直に言っているので、あまりみっともないタイムを
出すわけにはいかないのですね。
自分で結構プレッシャーをかけていました。
「本当に走れるだろうか?」
ちょっと不安になってきたときに、一緒に走る友人から
実によい本を勧めてくれました。
これはいい本ですね。
マラソンを走るからと言って、急に谷川真理さんの本なんか買っても
ダメなのですね。
あの手の本は、本当にもともと陸上競技をやっていたような
本格的にやる人向けの本なのです。
実は本屋でその手の本を「ながめて」いたのです。
「ちょっと自分には無理かな・・・」と。
作者は大学教授の方で、50歳でフルマラソンを始めて走って
55歳にトライアスロンに挑戦したのです。
しかも57歳でフルマラソンで3時間20分で走った・・・。
こういう方のいうことは本当に説得力があります。
「いきなりフルマラソンを走るのではなく、10キロ、ハーフと
段階を踏んだ方がいい」
なるほどと思いましたね。
今月行われる東京マラソンに何の練習もしていないのに
いきなり走る人もいますからね。ファッションで走るほど
マラソンは甘くないですからね。
特に良いこと書いていました。
「初めての10キロは60分で走ればよい。」
「もし5キロで30分を切っていたら、ペースを落とせばよい。」
ここを読んだだけで気が楽になりました。
この本は実は前日に買って読んだのですが、
おかげでぐっすり眠れました・・・。
さあ!いよいよマラソンデビューの日・・・・。
その2 ついにスタート
マラソン当日は快晴、暖かな3月の陽気です。
絶好のマラソン日和。
スタート時刻の2時間前に会場到着。意気込みは万全。
でも10キロの前に行われていたハーフマラソンを見て唖然。
結構シビアに走っています。しかもかなり早い。
写真はそのときのものです。
でも新宿の街を走れるのは気持ち良さそうですね。
会場にて受付。
ここで「計測タグ」のついたゼッケンをもらいました。
初めて見る「計測タグ」に感動しました。
そういうランナーは、私くらいでしょうか・・・。
これがあれば、スタート地点からゴール地点まで瞬時に計算してくれます。
本当に走った後、ゼッケンを見せただけでその場で、正確なタイムの入った
完走証を打ち出されたのも感動しました・・・。
世の中進歩しているのですね。
しかし、回りのランナーが速そうに見えます。
まず格好が違う。流行のウエアで決めています。
私はと言うと、上下のテニスウエアでしかもテニスシューズ。
そういうランラーはいませんでしたね。
実は「テニスシューズはやめたほうがいい」って忠告を受けていました。
でもこれでダンベル持って3、4年は走っているし大丈夫だろうと
タカをくくっていました。(でも本当はよくないらしい・・)
軽くストレッチして、いよいよ入場。
参加者が3000人くらいいたから、会場の国立競技場のトラックは
あふれんばかりです。
ここでまたマラソン・ビギナーの私が始めて知ったこと。
参加者の予想タイムごとにスタートの列が決まっているのですね。
10キロは優勝する人は多分30分そこそこ。
それで30分〜35分と5分刻みにプラカードがありました。
さすがに30分で待っている人は、まさにカッコも体型も違いますね。
それで私はと言うと、目標の60分に並ぼうと思ったけど
ちょっと欲張って55分に並びました。
でも結果的にこれがまずかったのかとあとから知りました。
後ろから走っても「計測チップ」があるから一緒かと
思っていたのですね・・。
いよいよスタート。
胸の高鳴りを押えつつ、実際に体調もよく軽快な足取り。
でもすぐ気づきました。
大人気のマラソンレースです。まさに「団子レース」です。
列に入るとまったく抜けないのです。
「このままのペースかよ〜。」
正直かなりゆっくりでした。
前後左右すぐぶつかりそうになるくらい。
抜くに抜けないイライラが募ります。
最初の1キロの関門。時計を見るともう6分です。
「いま6分もかかっていたら10キロで60分切れないのではない」
あせりました・・・。
マラソン・ビギナーの試練です・・・。
その3 給水所に感激
10キロは神宮外苑のコースを4週もするのですが
最初の1週目は、ペースがゆっくりのせいか余裕もあり
実に楽しく走れました。
絵画館前に給水所があります。
マラソンでよく見るあの給水所です。
「これが給水所か・・・」
ここでもまたビギナーランナーは感動します。
「一度ここで飲んでみたかったんだ」と。
ところで、あのコップをどうやって掴んで飲むか知っていますか?
普通に手のひらで握って取るのではなくて、指で挟んで取るのが
正しいらしいのです。しかも、取ったコップをつぼめて口で吸うのです。
練習しないとなかかな難しいですね。
実はそのあとその給水所は3回通ったのですけど
3回ともチャレンジしてみました。
そのためにタイムロスなんてどうでもよかった。
よくマラソンランナーがやるように、飲んでから沿道に投げ捨ている
シーンありますね。
でもそこは市民ランナーのマナーです。
ボランティアの方の迷惑にならないよう、ちゃんとゴミ箱に入れました。
もうここだけで、ビギナーとしてはマラソン気分を十分に味わえます。
ところでタイムの方なのですが、前半はなかなかペースが
つかめませんでした。
早そうな人についていけばいいと教わったのですが
なかなか適当な人がいません。しかも込んでいて本当に走りずらい。
それでいよいよ5キロのラップ。
なんと30分でした。
これは若干あせりましたね。どうも回りのペースが遅いのではないかと。
「本当に60分切れないのでは・・・」
そこで思い切って上り坂でスパートしました。
「オレは税理士会の柏原だ!」
心で叫びながら100人くらい一気に抜いたでしょうか。
やはり平地になったトタン、足がガクッときました・・・。
でも、もうそのあたりになると、意識はもうろうとし出して
ひたすら走ることで精一杯になっていました。
なぜか後半は若干ペースは上がったと思います。
さあ、ラスト1キロ。ここでまたスパートをかけようと思っていたのですが
足が前に出ません。
そうこうしているうちに国立競技場の門。
でもこの門をくぐるとまたビギナーとしての感動が待っていました。
数多くのドラマを生んだ競技場です。
入ると真正面に電光掲示板があります。
そこに「57分」の数字が見えました。
「60分は切れるぞ!」
ここで全身にアドレナリンがみなぎりました。
しかも観客は皆私を応援しているかのよう。
ここだけでも感動モノでした。
そこから炎のスパートです。ここでも50人くらいは抜いたでしょうか。
「まだこんなに力が残っているのか・・」
自分でもビックリするくらいでした。
最後はフラフラになりながら感動の初ゴール。
それで結果は・・・・・。
その4 感動の初ゴール
結果はなんと58分15秒!
50年近く生きてきて初めて走ったマラソンです。
自分ではまあまあかなと感じました。
目標の60分は切れたし。
でも前半は30分もかかって、後半は28分。
しかも、無駄なダッシュを2回もやったし、給水所で面白がって
3回も飲んだ・・・、テニスシューズだったし・・・。
言い訳はいろいろあるのですが、やはりペースがつかめなかったのが
敗因ですね。
でも上り坂のダッシュと、最後の国立競技場で全力ダッシュができたことで
まだまだやれるのかなと自信にもなりました。
58分15秒がどんなタイムかと言うと、残念ながら10キロでは遅いのです。
でも58分15秒は1キロだと5分50秒ということです。
でもこのペースをずっと走り続けたら、フルマラソンでは
なんと4時間を切れるのです!
最近知ったことですが、フルマラソンで4時間を切る人を
「サブ・フォー」
というのです。
市民ランナーのあこがれの数字なんですね。
これを目標に走っている人がどれだけ多いことか。
うぬぼれかもしれませんが、やれそうな気がしてきました・・・。
ところで、最初に発表した私のタイムを2日後すぐ
メールしてきた友人がいました。
こちら
驚くことに、マラソンレースの結果タイムと順位は、
ほとんどがネット公開されているのですね。
個人情報保護法なんて関係ないのですかね?
最近年賀状で「東京マラソン走りました」なんて
自慢げに書く人いませんか。
でもそんな人もすぐ検索するとタイムが分かってしまうのですね。
でも、その友人がこうも言っていました。
「マラソンをゴールするとまたマラソンを走りたくなるものだ」
本当にそう思います。
実はもう4月のハーフ・マラソンにエントリーしてしまいました。
(どこにエントリーしたか言うと検索されるので・・)
私のマラソン人生もスタートしました・・・。