その1 税務署の裏側を書いたOB税理士




税務署なんて



税務署暴露シリーズ!?まだまだ続きます。


税務署女子第一期生シリーズを長々と続けましたが、
あの方は税務署に長くお勤めになった方でした。
そうなるとなかなか本音で内情を暴露するというまでは
いかないのでしょうね。


最後に少し触れましたが、やはり遠慮しているからなのでしょう。


私も野村證券に長く務めましたから分かるのですが、
「野村証券なんて・・・さ」
みたいな本はやはり書けないのですね。
(そんな依頼は絶対ないとは思いますが)


やはり長く勤めればそれなりの知人もでき、
「あの野郎!」
なんて元の先輩や同僚から反感はもらいたくないから
なのですね・・・。

 

では比較の意味でまた別の税理士を取り上げます。


税理士松嶋洋(まつしまよう)先生。
2002年(平成14年)あの東京大学を卒業しています。
東大を卒業後国税局に勤務。
正直なかなか珍しいでしょうね。


在職中に税理士資格を取ってから退職し、税理士として
現在活躍しています。
まだまだ30代。
若手のバリバリの先生ですね。
まあ東大卒の税理士も珍しいです。


しかし、あえてこういう方の本を読むようにしています。
税理士の後輩だからと言って教えてもらうところは
あるのですね。


なかなか本音をズバズバと言ってなかなか気持ちが良いです。


そいいえば私も30代の駆け出しの税理士の頃そうでした。

「こんな業界おかしい。俺が変えてやる・・・」


本当に何も怖いものがなかったのですね・・・。


昔を思い出させてくれる元気な後輩です・・・。







その2 マイナンバーで丸裸か?




税理士松嶋先生のこと実は前から知っていました。


著書は

「税務署の裏側」
「社長、その領収書は経費で落とせます!」


こういう類の本を書かれていて、きっと税務署の暴露本みたいな
「売らんかな」の本かと・・・。
正直避けていたのですね。


「開業したばかりで必死なんだろうな・・・」


くらい先輩として冷ややかな目で見ていたのです。

 

今回初めて真面目に読んでみましたが、先入観はいけませんね。
すいません。結構真面目な方です。



「本書のタイトルを『税務署なんて怖くない』としたのは
対等な立場で税務署と交渉することの重要性を述べたものであり、
その最低限のルールとして、不正行為に手を染めてはいけません・・・。」
始めに書いてあったのですが、当たり前と言えば当たり前。
ギリギリのお話を語るのではなく、
正々堂々と交渉すること・・・。


若い先生ながら、なかなか良いことを言いますね。


さてマイナンバーの下りはなかなかタイムリーなお話。
今年からいったいどうなるのでしょうか?


システム屋さんばかりが大騒ぎして、特需が起きていると
新聞報道がされていますね。


「マイナンバーで丸裸はまだ先?」

と書いてありましたが、実際はそうなのでしょうね。



「預金付番こそが国税の宿願である」


これは本当にそう思いますね。
すべての通帳にマイナンバーが付番されたら、
税務署は簡単に名寄せできてしまいますね。


不正取引を隠しようもなくなり、まさに丸裸・・・。





その3 OB税理士が税務調査に強いのか?




「税務調査に強いOBの実態とは」


なかなか参考になりました。
若い税理士だからと言っても学ぶべきところはあります。

 

「税務署のOBだから税務調査に強いはずだろ・・・」


これはよく会社経営者が思うことですね。


「税務署に顔が効かないと困るんだよね・・・
ウチは必ずOBの方にお願いしているから・・・」


私が駆け出しの税理士だった20年も前の頃、
必死になって顧客開拓した際によく言われました。


試験合格したばかりでやる気満々の私としてはこの言葉は堪えました・・・。


「そんなことあっていいのか!租税は平等であるべきだ!!」


若く血気盛んな私は怒りすら覚えたものですか・・・。

 

あれから時がだいぶ経って、税務や人生においてさまざまな経験を
してきたからでしょうか。いろいろ思うのですね。
何より、世の中自体もだいぶ変わってしまったのです。


それでも松嶋先生は、


「OB税理士の方が、試験組税理士より税務調査に強い。」


そう断言しています。なぜなら


「表に出てこない調査の実態を知っているから」


でも本当にそうなのでしょうか。
OB税理士も10年も20年も前に現役の方であった方です。
税務調査もそれに基づく法律も様変わりしてはないでしょうか・・・。

 

松嶋先生もこれについては正直に書いています。


「現在はかなりの税務署の内情も公開されており、法律でなく
調査官のダイレクトにつく交渉術も明らかにされています。」


これお分かりになりすか。
確かに国税庁のHPではかなり詳細にアップされているのですね。


「顔を効かせるのでなく」 正々堂々と交渉する。


まあ当たり前の世の中になったということでしょう・・・。




その4 税務調査のマル秘テクニック




「ごねて長引かせるのはもっとも有効」


これも勉強になりました。


我々税理士は年に何度も税務調査の場面に出くわせます。


「さっさと終わらせたい」


税理士どころか、会社経営者もそう思うのですね。


税務署の内部事情らしいですが、調査官は
「ノルマである調査件数との関係から、税務調査が長期化する
ことを嫌っている」そうなのですね。


長引かせると上司から、「何やっているのだ!」と
叱責を受けるのだそうです。
調査官は大変ですね。つい同情してしまいます。

 

最後は税理士と調整して社長を説得するのが常らしいです・・・。
まあ、とにかく税務調査は「ごね得」らしいですね。
私はどちらかというと「さっさ派」ですが!?
良いことを聞きました・・・。(内緒)

 

 

調査官の厳しい実態が書かれていますが、

最後に前のブログのテーマだった

「調査官の出世は調査税額に比例するのか?」

これについて、松嶋先生はズバリこう書いています。

 

「年収の3倍は税金取ってこい!」

上司から言われるそうです。
やはりそうなんですね。


「年収の3倍は稼げ」

とは普通民間企業の営業でも、当たり前に言われることです。
ノルマに追われるのは公務員も民間も同じなのですね・・・。

ここは妙に安心しました・・・!?



その5 異動直後は気を付けましょう




毎日「税務署なんて怖くない」などと「不謹慎なこと」を
アップしていると、


「税務署の本当の怖さを教えてあげますよ・・・」


などといつか言われるかもしれないので!?
もうこれくらいにしておきましょう。


いろいろ言いたいことはあるので、読んで考えてみてください。
ただ正直申し上げると、この先生はたかだか5年くらいしか税務署に
勤務されなかった訳ですし、それくらいのキャリアで
税務署の中をすべて知っているというのはおかしいでしょう。

 

例えば私は野村證券に8年しか勤めていなかった訳ですし、
「では野村證券のすべてという本を書いてください」
というオファーが仮にあっても書けるわけないのですね。
(絶対ないとは思いますが・・・)
そんな短い年月ではすべてのキャリアを経験できないからなのですね。


まあ、一意見として受けておけばいいのでしょうね。

 


では最後にタイムリーなネタをご紹介して終わりましょう。



「移動直後は調査が厳しくなりがちだ」


税務署は常に7月に人事移動があるのですね。
8月は夏休みが入る訳ですから、ちょうど今頃なのですね。


つまり今が調査官が一年で一番張り切っているところなのですね。

 

自分のサラリーマン経験でも確かに思ったのですが、
転勤直後は張り切りますからね。


「今度の支店長にいいところを見せてやろう。」
「今の上司に一目おかせてやろう。」

 

なんだ税務署も民間も同じなのですね。
9月の調査はお気を付けください・・・。


今回もお後がよろしいようで・・・。


(がんばれ! 東大卒OB税理士シリーズ おしまい)



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