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その1 伝説のエンジニアがAIの未来を予測する



2034 未来予測-AIのいる明日


最近YouTubeでこの著者の「中島聡氏」をよく見ますね。

この本を宣伝していたから思わずAmazonポチ買い。

この本に書かれているAIについてこれから熱く語って

いくのですが、まずこの中島氏の経歴に感動しました。

 まずこの方の肩書。

 

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 「米マイクロソフト本社で、Windows95の開発に携わった

伝説のプログラマー」 なのですね。

 

Windows95というと懐かしいですが、まさにパソコンが

この世の中に爆発的に普及したトリガー事件。

今では当たり前になっている「右クリック」や

「ドラッグ&ドロップ」という操作の概念を

この方が広めたのですね。

YouTubeで語っていたのですが、

 

「Windows3.1が出た後、Cairo(カイロ・次世代OS)が

出るまで何も出ないとまずいから、

じゃあを場つなぎに作ろう」 ということで結成された、

いわば傍流のチームだったそうです。

でも中島氏がこのWindows95を作ってしまったから

本流のチーム、(つまりCairoチーム) 400名が

解散させられたそうです……

 

つまりまさに「Windows95の生みの親」なのですね。

その後2000年にマイクロソフトは退社したものの、

 

「複数の企業を起業・経営し、2019年には車載システムの

ソフトウェア会社を3億2000万ドル(約352億円)で売却」

「その後もエンジニアや起業家、経営者として活動する一方、

有料メルマガの著者として毎週、 IT企業やスタートアップ、

最新テクノロジーについて 書き続けている」

 

という、伝説でありながらまさに「現役の」エンジニア。

まず驚きました。 1960年生まれ。

つまり私と同級生なのですね。

しかも早稲田高等学院出身。

そうなのですね。 早稲田の同期ですね。

巨額の資産を築き上げながら、それでもまだまだ現役。

でも50年でこんなに差が開いたのか……

その感動とともにこの本をご紹介していきましょう。




その2 時価総額1位のNTTをわずか1年で辞めマイクロソフトへ


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(NECのTK-80)

 

中島氏とパソコンとの出会いは、早稲田高等学院時代に

さかのぼるそうです。

NECのTK-80という、

当時「マイコン」と呼ばれていた「半田ごてで自作する」

というデバイスでした。

私がバスケットボールと囲碁に夢中になっていた時代に、

中島氏はすでにこれを使ってプログラミングを

していたというから驚きです。

「アスキー」というマニア向けの雑誌に投稿を続け、

これが収入につながりました。

ウィキペディアの情報によれば、

以下の通りです。

 

「大学3年次には日本のCADソフトの草分け的存在

である『CANDY』を開発。

このソフトのヒットで大学在学中の4年間で

3億円ものロイヤリティを稼ぎ、

マンションを購入した」

 

1985年に早稲田大学大学院を卒業後、

いったんはNTTに就職されました。

 YouTubeの情報ですが、

以下のようにおっしゃっています。

 

「当時成績が良かったから教授に勧められて、

理系の人気トップ企業であったNTTに入った」

 

 「これは悪口になってしまいますが、

修士号や博士号を持ったすごい人たちが集まっている会社

でした。けれど、結局自分ではものを作らないのですね。

会社は仕様書だけ書いて下に投げるという体制もあり、

せっかく日本の頂点の研究所ですごいことが

できるんじゃないかと思ったら違った」

 

 結果として、1年で退社してしまいます。

 

 「Microsoft日本法人の代表取締役社長に就任する、

元アスキーの古川享氏に直訴し転職した」

 

ということです。

ここで同級生として突っ込みを入れますが、

天下の早稲田高等学院から早稲田の大学院まで進み、

理系の誰もが憧れるNTTに就職した経歴からすれば、

当時のMicrosoft日本法人はまさに外資系のベンチャー企業であり、

そこへの転職は大きな決断だったと思うのですね。

 

私たちの世代は「終身雇用」が大前提の時代でした。

「学歴社会」のエスカレーターで優雅な老後が待っている、

いい高校、いい大学、そしていい会社に入れば幸せになれる

と信じられていたのです。

「転職」とか「脱サラ」なんて言葉すら

流行っていませんでした。

私も「野村證券を辞めて税理士になる」と言った瞬間に

「もったいない」と何人に言われたことでしょうか。




その3 AIで死生観が変わる


中島氏の経歴があまりにも感動的だったので、

多少突っ込み過ぎました。

そろそろ内容に入りましょう。

 

この本の構成として、5つのチャプターがあります。

それぞれ、今からわずか8年後の2034年に

AIによって起こるであろう出来事を描いた小説です。

それぞれの話が興味深く面白いです。

小説の後に、中島氏による解説があります。

小説をじっくり読み返しながら、さらに解説を読むことで

より理解が深まります。

 

Chapter1「AIによる『死生観』のグレート・リセット」

 

これはかなり衝撃的な内容でした。

小説ですから、あまり詳細に紹介するとネタバレに

なりますので控えます。

一言でいうと「個人再現AI」なのです。

亡くなった方がAIによって再現できるというものです。

 想定では「亡くなった奥さん」でした。

小説の中で奥さんが「メモリアルボックス」によって

AIとして生き続けるのです。

このAIで亡くなった後も今まで通り、

 

「あなた!今日まだ薬を飲んでいないですよ!」

「ちょっと飲み過ぎではないですか!」

 「3日で体重が3キロも増えているじゃない!」

 

と口うるさく言ってくれるというものです。

読みながら、「これは私の話だろうか」と思うのは

私だけではないでしょう。

そういう「口うるさかった」奥様が亡くなっても、

AIで代行できるというのです。

何だか8年後は大変なことが起きそうですね。

 

お墓にもAIが搭載されるそうです。

 

「墓石に二次元コードが刻まれ、それをスマートフォンで

読み取ると、祖父母のAIが画面に現れて思い出話に

花を咲かせる、そんな新しいお墓参りが当たり前になる

可能性があります。」

 

ちょっと恐ろしい気がしますが、私自身も亡くなった両親に

お墓の前なら話してみたい気もしますね。

でもこれもAIの恐ろしさ。

 

「あら、ずいぶん久しぶりですね。おばあちゃんのこと、

忘れられてしまったのかと思ったわ」

「お墓の掃除なんて誰もしてくれないから、

草だらけですよ」

 

まさに、AIによる『死生観』のグレート・リセットです!!




その4 もう現実に起こっているAI


Chapter2「24時間寄り添うパーソナルAI」

 

こんな夢のようなことが現実としてあと8年後に、

本当に起こるのでしょうか。

私は、非常に考えさせられました。  

 

伝説の営業マンの話から始まります。

「私は、一度会った人の顔と名前を、決して忘れません」

このようなトップセールスマンは、どこの会社にもいます。

私も以前、某野村證券で営業をやっていました。

ですから、ものすごく納得できるのです。

そうしたトップセールスマンは、顔どころか

「声」も覚えています。  

電話がかかってきた瞬間、

「〇〇さん、お元気ですか。娘さんのご入学でしたよね」

と声をかけます。相手も驚きます。

 声どころか、電話番号も覚えていました。

40年前は携帯電話もありません。

それでも、瞬時に電話ができるのですね。  

 

しかし、そのようなことは、もうAIアシスタントが

必ずやってくれるといいます。

「スマートグラス」というもので、 これをかけていれば、

誰でも「24時間寄り添うパーソナルAI」を

文字通り身に着けることができます。

もう営業手法も変わるでしょう。  

特定のハードウェアではなく、

 

「24時間、自分の視界や音声を共有し、常に隣で

支えてくれるパーソナルアシスタント」

 

が登場します。

何だかSFの世界のようですが、現実に起きるでしょう。

ある意味では恐ろしい時代に、営業マンは生きて

いかなければならないのですね。  

 

一方で「プライバシー問題」も指摘されていました。

24時間、他人のカメラが自分を捉えているかも

しれないという恐怖です。

GAFAMと呼ばれるアメリカ発の巨大IT企業による

情報独占など、課題はいろいろとありそうです。

 

それら問題を片づけないと、その「SFの世界」は

きっと進まないのでしょう。





その4 新三種の神器


Chapter3「高性能・人型ロボットによる空前の産業革命」

 

掃除、洗濯、夕食の準備のすべてをやってくれる

ロボットができるというのです。

1950年代の高度経済成長期には

「洗濯機、冷蔵庫、白黒テレビ」が三種の神器でした。

当時の白黒テレビは、現在の価値に換算すると

100万円相当というものでした。

現代は「ドラム式洗濯機、ロボット掃除機、食洗機」

らしいですね。

ロボット掃除機の「ルンバ」は、8年前から

当事務所でも使っております。

 しかし、8年後には人型ロボットがすべてを

やってくれて、しかも

「人型ロボットが一家に一台」

という時代が来るのだそうです。

 

でも、ここでまず疑問が浮かびます。

 「では、いったいいくらなのでしょうか」

ということです。

小説では月5万円のリースで登場していました。

安いです。 これなら私も欲しいです。

 5年リースの300万円くらいで購入できたら、

これは便利でしょう。

 

しかし、もっと驚くべき指摘があり、

「タダのロボットが出てくる」というのです。

これは驚きです。

なぜそうなるのか、

これはまさに「ネタバレ」になりますので書きません。

ぜひお読みください。

このロボットの開発は、アメリカのテスラ社が

もうすでに始めているというのです。

最新のAIを搭載した汎用ロボットは、

自動車を買うのと同じ価格帯にする

というのですから、

300万円は妥当な金額でしょう。

 

しかし、アメリカで開発されていながら、

なぜ日本では開発されないのでしょうか。

それは「サラリーマン社長が経営する大企業特有の保守性」

によるものだそうです。

 

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ホンダがかつて取り組んだ「ASIMO」も

中島氏に言わせれば失敗だったそうです。

現状のホンダの業績を考えれば、

ロボットに特化することはできないのでしょう。

この章の内容は、ぜひ若い方に感じ取ってほしいです。

 





その6 AIで戦争も変わる


Chapter4「AIドローンによる『戦争』と『日常』の再設計」

このチャプターも、かなり衝撃的な内容です。

 

まず、2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの

軍事侵攻で、ドローンがまさに戦争の主役であることを

世界中に思い知らされました。

つまり

 

「この戦争は『戦争の常識』を一変させました。

わずか数万円のコストで製造できるドローンが、

数億円から数十億円の戦車を次々に破壊していく光景が、

世界に衝撃を与えたのです。」

 

AIドローンの誕生により、人間はもう戦闘機を

操縦しなくなるのだといいます。

 

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映画『トップガン マーヴェリック』では、

主人公が戦闘機の操縦で重力と闘いながら、

標的にミサイルを撃ち込んでいました。

人間が耐えられるG(重力加速度)は5Gまでだそうです。

しかし、AIドローンは30Gを超える急旋回が可能です。

人間には決して不可能な、弾丸のような急旋回で

敵戦闘機の背後に一瞬で回り込むことができます。

そうなると、人間が操縦すること自体に意味がなくなるというのです。

 

そもそも、AIの判断によって

「無茶な戦争は勃発しなくなる」

とも書かれています。

「実行不可能です」

「成功確率は著しく低く、想定損失が許容範囲を超えています」

とAIが提示するからです。

 

ですが、本当にそうなるのでしょうか。

たとえばトランプ大統領が

「それはAIの言う通りだ」

と判断を変えるでしょうか。

プーチン氏なら、あるいは金正恩氏ならどうでしょうか。

 

色々と突っ込みどころは満載ですが、

最後に考えさせられました。

「核兵器根絶の決定打は、AIドローンのオープンソース化である」

という主張です。

これは、中島氏の平和への思いの表れなのでしょう。

 



その7 AIで失業率8割に


Chapter5「人間の仕事の8割が消える時代の『混乱と希望』」

 

このチャプターの内容には、非常に驚かされます。

ぜひ何度も読み返してください。

意味を理解しようと努めることで、これからの将来が

見えてくるような気がします。

まず、大前提としているのは

 

「AIと人型ロボットが労働の8割を代替する未来」

 

です。 これが高い確率でやってくると予想されています。

 

AIに仕事が奪われるという話は、

今から10年ほど前からよく言われていました。

「経理の仕事なんてなくなるよ」と、

そのように周囲から聞かされて、驚かされてきました。

しかし、今やもう現実のこととなっています。

 

「実際に、コンテンツ制作、データ分析、経理、法務。

あらゆる領域で、AIが『大卒の若手社員レベル』

の仕事をしています。」

 

すでにそうなっていると断言されています。

 

「バイブコーディング(Vibe Coding)」という

新しい開発スタイルがあります。

これは、厳密な設計図を書いてプログラムを

コーディングするのではなく、

「こんな感じの機能が欲しい」という“バイブス(ノリや雰囲気)”

をAIに伝えて、即座にコードを書かせる手法です。」

 

「こういう風に処理してほしいのだけど」とAIに伝えるだけで、

AIが経理処理をしてくれるというのです。

これは、実際にここ数か月で私が自分の「Claude」を使用して、

毎日のように実践していることです。

恐ろしいほどの変化です。

経理や法務だけではないのです。

次の文章には特に驚かされました。

 

「人間が働くことを前提に作られた組織は、

AIネイティブな新しい組織には勝てません。

極端な話、優秀なエンジニアが3人いれば、

AIを駆使して、数千人規模の従業員を抱える既存の大企業と

互角に戦えます。」

 

「最初からAIがいることを前提に、組織も、プロセスも、

ビジネスモデルも、すべてをゼロから設計し直します。

人間がやることを前提に作られた組織は、

AIネイティブな新しい組織には勝てないのです。」

 

小説の中で出てくるガイドラインは、非常に強烈です。

 

・AIで代替可能な業務は、段階的に契約社員の利用を減らしていく

・採用時にはAIの活用スキルを評価する

・パフォーマンス評価にもAIの活用状況を反映させる

・チームが業務の自動化を進められない限り、

人員の追加は行わない

 

「AIはホワイトカラーの仕事を奪い、

ロボットはブルーカラーの仕事を奪います。」

 

本当に、失業率が8割に達する世界が訪れます。

仕事がなくなった8割の人間はどうなるのでしょうか。

この本は、私たちに哲学的な問いを与えています。

 

「働かなくてよい社会は、本当に幸せなのでしょうか?」

 

これは、SFの世界の話であればよいのですが、

2034年に本当に訪れるのでしょうか。

 

(ガンバレ! 世界の中島聡シリーズ おしまい)