その1  昨年一番売れた本!著者百田尚樹氏は囲碁6段!



海賊と呼ばれた男


新春第一弾!経営に役立つ本。
ついにこの名著を読みました。


ご存知、「海賊と呼ばれた男」。
きっと読まれた方も多いでしょう。
昨年一番売れた本で、累計170万部も超えたそうですからね。


実は昨年の夏ごろ、この本を買ってはあったのですね。
でもあの頃は「半澤直樹」に夢中。


同じ「なおき」でも当時話題の「百田尚樹」さんは
見向きもしていなかったのですね。


そういえば昨年話題の3人物とは猪瀬直樹さんとの
「三なおき」だったそうな・・・・。


実は百田直樹さんの趣味は囲碁。なんと6段の腕前。
息子さんは元院生というくらいですから
大の囲碁好きのようです。
そんな話を囲碁雑誌で読んで、
海賊と呼ばれた男を「速攻買い」していたのですね。


でも上下巻で700ページ超。
なかなかの長編です。
ですからかなり長い間「積読」だったのです・・・。
それでこの正月、ようやく時間ができたので
読んでみました。
でも読みだすと、あっという間に読み終えましたね。


もっと早く読んでいればよかった・・・。
反省することしきりです。


昨年なぜこんなに売れたか。よく分かります。
本当に素晴らしい本です。


物語は、終戦直後の玉音放送から始まります。
映画やドラマでよくあるスタート場面ですね。


戦争で焼き尽くされて何もない荒廃した日本。
主人公は見事に日本を復興させていきます。
戦後復興と東日本大震災から復興する日本と
ダブらせて読んだ方もきっと多いのでしょう。
そこだけ読んでいてもワクワクする本です。


でも読みながら、
「これはまさにベンチャースピリッツ。
経営に役立つ本だ。」
と確信したのですね。


「ノンフィクション」ですが、ズバリ経営者の方にこそ
読んでいただきたい本なのです。
私なりの解釈で、少しだけご紹介していきましょう。






その2  なぜ日本が戦争に負けたかよく分かる


この本を一言でいうなら、


「石油から見た日本近代史」


主人公は石岡鐵造。
このモデルとなった方は出光興産の創業者、出光佐三という
実在の人物なのです。
明治18年(1985年)生まれですから、
明治政府が誕生し西南戦争などをへてようやく基盤が固まり、
近代国家ができつつある時代なのですね。


当然ですが、この時代はまだまだ石油のセの字もない・・・。
でも先に述べますが、この主人公は何と95歳まで生きるのですね。
昭和56年(1981年)没ですから、
日清日露戦争や世界大戦など戦争のすべてを経験し、
戦後の高度成長やオイルショックまで、
まさに石油とともに生きてこられた方なのです。


この本を読むと、


「エネルギー政策ということはこういうことか。」

「日本はだから戦争に負けたんだ・・・」


そう必ず実感するのでしょうね。
「脱原発」が叫ばれる現在、資源のない日本で、
エネルギーということをこの本から本当に考えさせられます。


しかし、この鐵造の石油に賭けるその生きざまに感動します。
鐵造は九州の片田舎に生まれ、
勉強して神戸高商(現在の神戸大学)に進みます。
現在と比べてそれはどれだけエリートコースだったか。


でも大学三年のときに、東北旅行をして秋田の油田を見てから
人生観が変わったのですね。
大学の卒業論文は、
「筑豊炭田の将来について」


毛筆で200枚を超える大作は、
当時花形産業だった石炭事業の将来性を否定するもの。
さらに、「石炭産業への国家統制に対する批判」まで書いてあります。


すごいですね。
学生時代から、石油の将来性を見越していたのですね。

 

さらに、卒業した後の就職先がすごいのですね。
神戸にある石油を取り扱う酒井商店という
わずか従業員3人だけの小さな会社。


現在以上にエリートばかりの神戸高商。
同級生からは「神戸高商の面汚し」とまで言われます。


これこそまさに「日本初代の」ベンチャースピリッツ!





その3  日本初のベンチャーと日本初のVC


この長編は、上巻、下巻に分かれます。
個人的には、鐡造の起業開業の苦しみとそれを乗り越えるたくましさが
描かれている上巻が好きですね。


鐡造は大学卒業後のわずか2年後の25歳で起業します。
起業には、ちょっと想像がつかないスポンサーが
現れたのですね。
日田という個人の資産家なのですが、若干25歳の若造に対して、
今の金の貨幣価値でいうなら数千万円を出資する(本には贈与する?)のは
正直驚きですね。
でも、鐡造はそのカネを使って門司で起業したものの
最初はまったくうまくいかなかった・・・。
3年やってみて、その数千万のカネを使い果たします・・・。
そこで一度は商売をあきらめたのですね。


でもその日田氏が


「これでダメだったら一緒に乞食でもやろう。」


と更に金を出してくれた・・・。
こんな方はなかなかいないでしょうね。


鐡造が日本最初の「ベンチャー企業」なら、
日田氏は日本初の「ベンチャーキャピタル」なのでしょうね。



それで「死んだ気になって」働いて成功するのですね。


つまり、題名となった「海賊」になるのですね。
海賊と言っても、本当の海賊ではなく、
船の上で漁船相手に軽油を売る商売を考え付いたのです。


当時は、油の販売には販売エリアが定められていて、
門司以外の漁船には絶対売れない仕組みがあったからなのです。
海の上なら販売エリアなど関係ないですから。
この箇所が一番面白かったところですね。


実は、鐡造は生涯を通じて、「規制」と戦った男なのです。
ベンチャースピリッツとはこういうことかと感心しました。


それと最後に個人的なことを書きます。
私自身の税理士登録した頃のことを思い出しました。


「携帯電話が今後普及して、ノートパソコンもあって
これからは、どこでも仕事ができるようになりますね。
車にパソコンを積んで移動式の税理士事務所に
したいのですが・・・」


これは以前書きましたが、16年前に
税理士の登録申請の際に担当官に本当にいったことです。こちら


私も鐡造のように、規制なんか気にしないで、
本当にこれを実行すれば良かったですね。
そうしたら、きっと私も今こう言われたでしょうね。


「海賊と呼ばれた税理士」・・・!?





その4  社員は家族


大長編ノンフィクションですから、突っ込みどころ満載なのですね。
まだまだ続きます。


経営者として考えていただきたいところに絞ってご紹介します。


田岡商店(出光興産)の創業以来の5つの社是


「社員は家族」
「非上場」
「出勤簿は不要」
「定年制度は不要」
「労働組合は不要」


明治時代ならまだしも、平成の現代から考えてみると
トンデモナイ社是ですね。
そもそも社長のことを「店主」というのですから。
ですから店主から見たら社員は「店員」
「店員はぼくの息子」そう考えているのです。
だからこそ出勤簿も定年もない。
労働組合なんて皆考えもしないようです。


「そんなの古い話さ」と切り捨てる人もいるでしょう。
「こういう経営者もいたのか」私はそう思うのですね。


田岡商店は終戦後、社員は全部で約1000人いました。
そのうち海外に6割。
終戦直後は、海外資産は没収され、当然ですが、
石油が輸入できなくなった以上、石油関連の仕事も一切なくなります。


会社の倒産の危機ですね。
こういう状況なら、普通の経営者、いや多分99.9%の経営者は
人員整理を始めるますね。


ところが、この社長は一人も首を切らなかった。
それどころか中国から引き上げる際には、中国人労働者に
きちんと退職金まで支払ったくらいです。
当時、そんな日本企業はどこにもなかったそうです。


店主が「社員を家族と思うから」なのでしょうね。
でも石油の仕事がないから店員全員が「門外漢の」ラジオの修理など
何でもやって食いつなぎます。


社長も自分の財産を売り払ってでも、社員に給料を払います。
こんな企業はなかなかないです。


このノンフィクションがどうして大ベストセラーになったか
よく分かります。


窮地に陥った中小企業が再生する策を
教えてくれているからこそ読まれたからでしょうか・・・。


ただ出光興産は鐡造がいなくなってから、
上場し、出勤簿も定年制も導入されたのです・・・・。





その5  経営に勇気を与えてくれる本!


本当は下巻の一番のハイライト「日章丸事件」のことを
最後に書きたかったのですが
やはり「ネタバレ」でしょうからやめておきます。


でも、日章丸がイランから石油を運んでくる場面は本当に
感動しますよ・・・。


でも、経営者向けに、最後に言いたいことを書いておきます。


それは、「企業が拡大するには銀行とのお付き合いが本当に
大事なのだな」とこの本を通じ感じることです。


国岡商店(出光興産)はいろいろな苦難に遭遇します。
それを切り抜けたのは、この鐡造社長の絶え間ぬ不屈の闘志と
それを支える忠臣社員の力だと思います。
でも、一方で絶えず資金繰りに苦しんだ会社でもあるのですね。


社員に手厚い会社とは、当然ですが社員に対する給料など
厚遇です。自然と人件費も膨らみますね。
鐡造の家族的精神から来るものでしたね。


「でも経営学的にどうなのだろう?」


これは絶えず疑問に思いながら読み進めていました。
会社の経営が右肩上がりに進むときは、人件費増を上回る
売り上げ増で回収されるからよいのですね。
でも企業経営には不測の事態が起きうるのです。


例えば、関東大震災の時も鐡造社長は直面しています。
当時の銀行(第一銀行)から融資の全額引き上げを通告されます。
国岡商店倒産のピンチですね。
それを救ったのは、二十三銀行の頭取の度量でした。


鐡造社長に会っただけで、つまり「何も話さないで」
当時の25万円(今でいえば25億?)の巨額の
融資を決めたのですね。


これこそ「真のバンカー」だと本当に思います。


またその後日章丸事件の時にも、1000万ドルという巨額の融資を
したのはバンクオブアメリカの頭取の度量でした・・・。


銀行が「決算書」にカネを貸すのではなく、「人」に貸していた
古き良き時代なのでしょうか・・・・。


本当に感動する本です。
しかも、経営に勇気を与えてくれるはずです・・・。


(海賊シリーズ おしまい)

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