その1 リブセンスの社長も憧れるベンチャーの星



Kigyouka

 




3月決算が佳境に入ってきました。
かなり忙しい毎日ですが、忙しければ忙しいほど
かえって本を読みたくなるものですね。


先日、大学生の方からメールもらいました。
「会社を起業したいのでぜひ相談に乗ってください。」


もううれしくなりましたね。
聞くと起業をめざすネットワークに加入しているのだそうです。
そんな学生さんが多いのを聞くと、まだまだ日本経済の先行きは
明るいと思ってしまいますね。


その学生さんも、リブセンスの村上さんの本を読んでいました。こちら
そういえばリブセンスの村上社長も、
このサイバーエージェントの藤田さんの本を読み、刺激を受け
起業を思い立った一人だったのですね。


ずいぶん前に、この藤田社長を取り上げました。こちら
あの頃は、「若い経営者なのにしっかりしているな。」
と妙に思ったのですが、この本を読んであらためて
よく分かりました。


この本の題名の通りに「起業家」としての道を
着実に歩んできていたのですね。
しかもずいぶん険しい「いばらの道」だったようですが・・・。


若い人があこがれる「藤田社長の成功イメージ」とはかなり
かけ離れた「泥臭い」お話ばかりです。
それがかえって、この藤田さんの実像に迫り、
彼の非常に誠実な姿が描かれています

 

1998年に藤田さんは若干24歳で
まさにゼロから、それこそマンションの一室から起業します。

でもここで私しかできない「ツッコミ」
実は私も1998年起業なのですね。同級生です!?
同様にマンションの一室(正確には自宅マンションの一室)からです。

1998年というとあのグーグルが起業した年なのですね。
これは私が良く言う「ネタ」です。

それから、たかだか15年しかたっていない。
それでもグーグルは世界的な企業になったし、
サイバーエージェントは日本を代表するIT企業に
育ったのです。

でもこの本を読むと、
「いったいITバブルとはなんだったのか?」
「これからインターネットビジネスはどうなるか?」

そんなことまで考えてしまいます。

現在株式市場が好調ですし、若い方が藤田さんや村上さんを目標に
もっと「起業家」を目指してほしい、
そんな願いを込めて、ご紹介していきましょう。




その2 ITビジネスの歴史書



この本はここ15年間のITビジネスの「歴史書」でもあるのですね。
なぜなら時代の「生き証人」である藤田さんだから。
懐かしい「村上ファンド」や「ホリエモン」などたくさん出てきます・・。


1999年に遡りますが、
サイバーエージェントが設立された直後に、
証券取引所に「マザーズ」という新興証券市場ができたのですね。


「赤字企業でも将来性のある企業なら上場できます」といううたい文句。
政府主導の国家的政策だったのかもしれませんね。


サイバーエージョントは「サイバークリック」というサイト
(その時の下請け企業は当時のオンザエッジ社長の堀江文貴『ホリエモン』)
の成功で、そのうまく波に乗って、「第六番目の企業」として
設立されて、わずか2年しかたっていないのに
しかも本当に赤字企業なのに上場できました。


しかも「トンデモナイ」株価がつき、225億円もの資金調達に成功。
ラッキーだったとしか言いようがないのですね。
まさにバブルだったから・・・。


つまり、まだ市場は「インターネットビジネスが」どういうものか
誰も分かってないのに、「ファッションで」高株価がついてしまった
だけなのですね。
それでITバブル崩壊。
その後低迷にあえぎます・・・。


この本で上場後すぐ、会社をたたもうかとしたリアルな本心も
正直に書かれています。
「最年少社長の上場企業」としてもてはやされたけど
「無力な自分に絶望感をもった・・」
これは本心からそうなのでしょう。


その時助けてくれたのが、楽天の三木谷社長。
10%の自社株を10億円でポンと買ってくれたそうです・・・。


でもこの方はその時以後ずっと自分の経営者としての能力を
懐疑していきます・・・。


このあたり、起業する人には参考にしてほしいのですね。
この点よくいいますが、誰も大学で「経営学をマスターしてから」
起業開業するわけはないのですね。


「経営とは」


ということを、普通は会社を興してから、まさに「OJT」で
学んでいくからなのです。



しかもこの本で書かれていることの中心は
「ビジネスモデルの確立」


サイバークリックという成功で上場できたもので
実はその部門は「赤字を垂れ流していた」メディア事業。
実際に収益を上げていたのは、広告代理店事業。
ここに彼は悩むのですね。


ビジネスモデルが確立できていないのに
上場できてしまったことが問題であったのです・・・。




その3 インターネットビジネスは誰も経験したことがない



上場直後の2001年の決算は売上32億円あったものの
赤字はなんと16億円!
本当に、これでよく上場できましたね。


そこで藤田社長が打ち出した目標。
「3年後の2004年に売上300億。営業利益30億円!」


でも社内では猛反発を受けます。
それに誰もついてきません・・・。
20代の経験の乏しい若手社長としてはそうなのでしょうね。
ここでいろいろ社長として悩み試行錯誤しますが、
これは非常に参考になるところですね。



当時は上場企業がこぞってM&A(企業買収)をやっていた時代です。
ホリエモンが相次いで企業買収して拡大したのは有名ですね。


つまり「売上を企業買収で買う」時代だったのです。
しかも上場時に200億もの資金が入ったのですから、
十分それはできたのでしょう。


またヘッドハンティングも流行っていて、
人材ビジネスがかなり盛況でした。
会社を拡大するためには、それなりの経験者を
「カネで」雇うことは容易にできたでしょう。
しかも上場企業はこれもこぞって、「ストックオプション制度」を
使って人材を確保していた時代でした。
「既存の業種での経験が、未熟なネット業界で生きる」
という『迷信』があったからなのですね。


でもこの藤田社長は試行錯誤しながら、
このM&Aやヘッドハンティングを封印します。


ここで藤田社長は


「過去の常識をネット業界に持ち込んだら逆に難しい」


ようやくそう気が付くのです。


これは読んでいて
「なるほどそうか!」と思ったのですね。


「インターネットビジネスは、誰も経験をしたことがないビジネスです」


これなのですね。
この彼の一言だけでも、十分この本を読む価値があるのです。


だからこそ既存の会社の経験者はいらないし、
既存の会社を買っても意味がなかったのです。
さらに、
「ストックオプションなど金で釣って入った人材は、結局は金で去っていく」
という重要な法則さえ気が付くのです。


起業家としての重要な資質、
事業はゼロから伸ばせるという確信さえできたのです。


だからこそ新卒を採用し、長い年月をかけて人と事業を
育成するという確固たる方針ができあがっていくのです。


ここ非常に重要ですね。お分かりになりますか・・・。




その4 メディア事業への執念



「サイバーエージェントっていったい何やっている会社?」


そうでしょうね。
これ思いますよね。
名前は知っているものの、実は何だか知らない人が多いのでしょう。


実は私もよく知らなかったのですね。
2000年に上場したときは、「インターネットの広告代理事業」と
言われていました。


でもこの本では、「メディア事業」という言葉が何度もでてきます。
藤田社長の執念ともいえるこの「メディア事業」も、何だか分かりますか?
実は、この本を読んで「何だ!そうなのか!」
本当に気付かされたのですね。


「メディア」というと、普通の人はテレビや新聞を思い浮かべますよね。
テレビでよく「視聴率」という言葉が出てきますが、
視聴率が伸びれば、スポンサーがつき、必然的に広告収入が入ります。
新聞もそうなのですね。
新聞も部数が伸びれば、同様に広告収入が入ります。
これがまさにメディア事業。


ではインターネットはどうかというと、
同様なメディア事業が存在するのです。
視聴率と同様な指数もあります。「ページビュー」です。
巨大なページビューがあるサイトを持っていれば、
必然的に広告収入が入ってくるそうです。


巨大なサイトというのは、分かりますよね。
「Google」や「Yahoo」のようなサイトなのですね。
でも13年前はまだまだ、そんな「メディア」ということを
誰も気が付かなかったみたいですね。
それが妙に面白かったのですね。


インターネット黎明期では、そもそも「インターネットって何?」
という人が多かったのですね。
インターネットが「Google」や「Yahoo」だと思っている人が
多かったのですね。事実私も最初はそう思っていました。(本当です)
いまだにそう思っている人も多いかもしれませんね。


しかも、当時はまだまだナローバンド。
「ピ〜〜ヒャララララ〜」
という音は覚えていますよね。
パソコン立ち上げて砂時計が登場し5分経ってから、
ようやくアクセスできるような
かったるい回線ではどうにもならなかったのですね。
ITビジネスが見直されたのは、やはりブロードバンドになってからなのですね。


藤田社長はITバブル崩壊して徹底的に打ちのめされますが、
この「メディア事業」に対して、
起業家としての執念を燃やし続けます・・・。





その5 ホリエモン事件とまたバブル崩壊



藤田社長がいう「メディア事業」に執念は燃やしていたものの、
その後ずっと、サイバーエージェントは「迷走」し続けます。


このあたり他の「起業家」の方には参考になりますね。
「お茶の通販サイト」、「並行輸入車の販売サイト」、「宝石の通販サイト」・・・
なんでも手がけます。
大規模な「メディア事業」を立ち上げるというより、
すぐ売上が立ちそうな「お手軽事業」ばかり
とりあえず手を付けていきます。


でも、ネット業界ではここが大事なのですね。
めまぐるしく変わるこの業界の中で、
常に新しいことを手掛けようとする姿勢が必要だと
藤田社長は確信しているからです。


2004年から
「黒字化した利益の30%を新規事業への投資にあてる」
ルールを発表し、さらに新規事業への投資のルール
「CAJJ制度」を作ります。
これは前にご紹介した撤退のルールなのですね。


2004年9月期で、売上は267億円、営業利益が17億円。
目標とする売上300億円、営業利益が30億円には届きませんでした。


そこ頃、脚光を浴びていたのが、ホリエモン率いるライブドア。
売上308億円、営業利益が56億円。
もともとサイバーエージェントの「下請け企業」に
ついに抜かれてしまいます・・・。


彼は焦ったのでしょうね。
しかも彼が目指す、「メディア事業」を先に手掛けていた・・・。
ホリエモンがカネの力で、つまり買収で「ライブドア」を
手に入れたからなのですね。


でもそのホリエモンも、ついに逮捕されてしまう。
これこそ「ライブドア・ショック」
さらに村上ファンド率いる村上氏も逮捕。
サイバーエージェントの株価も暴落し、
ベンチャー冬の時代が、またも到来・・・。


またここでも迷走するのですね。
起業家の苦しみをイヤというほど味わうのです・・・。


投資家からかなり叩かれます。


2004年に始めて黒字化したときも、
「一部グループ企業の貢献で黒字化しただけ・・・」
2005年、2006年の決算も
「ミクシィへの投資の売却益で黒字化しただけ・・・」
2007年の決算でも
「FX事業によって利益を出しているだけ・・・」


最年少上場企業社長として、騒がれ注目されながらも、
やはり彼は「起業家」として叩かれ、苦しみ続け、
それでも成長していくのですね・・・。





その6 かつての日本的経営を参考に




経営者として、もがき苦しんだ結果、藤田社長がつかんだこと・・・。
これが私が一番言いたかったことですね。
これは参考になりますね。


「かつての日本的経営を参考にする」


そういう「経営方針」を打ち出したのです。

現代の若い経営者なら、
「成果主義を導入し・・・」、
「ヘッドハンティングで即戦力を採用し・・・」、
「M&Aで当社の不足している部門を強化し・・・」
そう考えると思うのですね。
それをすべて否定したのです。


ここがポイントなのです。
ではなぜそうなのか。
かつての日本的経営というのは
「右肩上がりの経済成長を前提」にしているのでしたね。


でも「現在右肩上がりはないのでは?」
と誰もが突っ込むところなのでね。
でも彼の確信は違うのです。


「ネット業界は以前の右肩上がりの日本経済同様、
向こう何十年も成長が期待できる産業だ」


そう思っているのです。
確かにそうかもしれませんね。
現在のネット利用者層は若者が中心です。
さらにパソコンの多様化や家電のデジタル化など
デバイスも今後間違いなく、多様化していきますよね。
しかも、その若者が仮に20代であるなら、
50台以上シニア層になるまで利用するのは間違いないですね。
だからこそ、「向こう30年は成長産業である」と
彼は確信しているのです。


ましてや、インターネットの普及は、まだまだ10年ほどなのです。
彼曰く、「まだ誰も分からない」分野なのです。


私のような50代以上の”オジサン”が指揮官である大企業では、
絶対に参入できないのですね。


これは驚くべきことなのです。
まだまだ参入の余地は有り余るほどあると思うのです。


それをかつての日本的経営を参考に、
現在では死語になっているのではないかと思っていた
「愛社精神」「終身雇用」
なんて彼の言葉から出てくるのです。
「福利厚生の充実」
なんて最近の企業とはまさしく逆行するお話ですよね。


「二駅ルール」なんて有名な制度もありましたが
「翌日半休つきの社内飲み会」を奨励した結果、
帰属意識をより高まり、社内の結束力が強化していきます。
副次的に社内結婚が増え、離職率も激減したのだそうです。


まさに、かつての高度成長をささえた日本的経営そのものです・・・。




その7 スマホに熱狂



藤田社長のことを語り出したら止まらなくなりましたね。
熱くなりすぎたので、そろそろまとめましょうか。
しかし、この本を1年前に読んでいたら、迷わずアメブロでブログを
始めたのでしたが、ちょっと残念でしたね・・・。


この本は「起業家」の方にとって本当に参考になる本だと
思うのです。


藤田社長は起業して、本当に紆余曲折しました。
ITバブルの2度の崩壊や、ライブドア事件など、
この会社が消えてなくなっていても
おかしくなかったかもしれません。
そのあたり、起業家としての悩み苦悩、そして孤独感が
赤裸々につづられています・・。


2004年メディア事業を立ち上げて、黒字になったのが
2010年。6年もかかりました。
黒字にならなかったら、社長を辞任するとまで言い切って
社内をまとめあげ、自らがメディア本部長に。
この情熱がやはり、大事なのですね。


もっと有能な社長ならもっと早くできたかもしれないと
彼自身も語っています。


これも再三申し上げますが、
インターネットとは誰も経験したことのないビジネスなのです。
だからこそ、挑戦し甲斐があると思いませんか。


彼の座右の銘


「絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ」


いい言葉ですね。
今藤田社長が何に熱狂しているのか知っていますか?


「スマホ事業」なのです。


スマホのサービスを開発する技術者を中心に、
1300人もの従業員を新たに増やしたそうです。
すごいですね。
この「アメーバスマホ」で、また一花咲かせるかもしれません。


これこそ起業家なのですね。
最後に彼の言う起業家の定義。



「不可能を可能にするのが起業家」


起業家になって今を熱狂しませんか・・・。


(がんばれアメーバシリーズ おしまい)

お問合せ
吉田信康税理士事務所
〒164-0001
東京都中野区中野3-34-31
大橋ビル4階
TEL:03(3382)8088
FAX:03(3382)8099
WEBでのお問合せ
 
 

2017年7月提携!!
NEW(赤)

社労士

「マイナンバー」
 掲載されました!!

プレジデント


平成27年4月より改正!

改訂版ふるさと納税

     

弥生会計なら自信あり
ぜひお任せください。
弥生で簡単
今月の弥生セミナー
弥生HPより



吉田の趣味のご紹介
囲碁の部屋

マラソンの部屋
またまた出ました!!NEW(赤)
月間ランナーズ
テニスの部屋


新サービスのご紹介
給与計算
相続税