その1 ついに7度目のチャレンジ!
さあ!いよいよですね。
2年ぶり出場。
これで通算7度目。
ここ一か月ばかり、この大会に向けバッチリ
調整してきたつもりでした・・・。
やる気満々の顔。分かりますか。
ただちょっとここで言い訳。
先週の川崎月例で、やはり張り切り過ぎたのですね。
ちょっと腰を痛めたみたいです。
腰というか、ここ一か月ずっと腹筋強化を
してきたのですが、それがかえって良くなかったみたいです。
年齢相応の調整をしないとダメということと
やはり無理はいけないですね。
また言い訳ですが、動画ランニングクリニックで
「腹筋を強化しなさい」
と指摘を受けていたもので・・・。
(鵜呑みにしてもいけないのですね)
念のため、薬を処方してもらいます。
一応ドーピングに引っかからないように漢方薬。
まあ市民マラソンにはドーピングはないですからね・・・。
あとさらに早朝また事件。
なんとリストバンドがないのです。
朝中野駅で気が付きました。
「出場不可か・・・」
ちょっとブルーになりましたが、
そのまま意を決して新宿駅へ。
「腰を痛めて無理して走るな
という神様の暗示だ・・・」
そうも思っていたのです。
ただラン仲間からの情報では
「リストバンド取れた方への救済措置がある」
という情報。ありがたいですね。
一応免許証を持っていてよかったのです。
まあ。これは情報として上げておきましょう。
「リストバンドなくても本人確認ができれば
走れます」と。
結局、何とかHブロックへ入場。
すごい数です。
知り合いの4時間半くらいの方がいて、
「これ速い順?」
と思いましたが、まあいいでしょう。
写真を取り合っていよいよスタート。
腰が若干痛かったですが、
走り出したらもう忘れていました・・・。
ただフルマラソンは甘くないです。
痛み止めを飲みながら完走なんて簡単には
できないはずなのですね。
もうフルマラソンを30回以上チャレンジしてきましたが
忘れられない42.195キロになりました・・・。
その2 10キロ〜20キロは楽しい
スタートして直後。
すぐ腰の痛みは忘れました。
やはりこの高揚感。東京マラソンの素晴らしさですね。
1キロなんてすぐです。
6分35秒。
Hブロックは何となく4時間半から5時間くらいと
感じられました。
手負いのへぼランナーはどんどん抜かれます。
でも今日はそんなことかまわない。
「とにかく完走を」
それだけが目標でした。
当然ですがロケットスタートは封印です。
仲間のランナーがどんどん先を行きます。
いつもの歌舞伎町を抜け、四谷の坂を駆け下ります。
この瞬間が好きですね。
レガシーハーフや新宿シティハーフでも慣れたコース
なのですが、やはり東京は違う。
途中の防衛庁で楽隊が演奏していましたから。
それだけで楽しくなってきます。
飯田橋まで5キロ。あっという間でした。
手元見ると32分52秒。
まだ速い感じがしました。
「今日はキロ7分ペースで十分だ」
水道橋で家族の応援を受けます。
これは内緒にしておきたいのですが、
応援スポットとしては
水道橋は最高です。
駅前ですし、何より空いています。
曲がるところだから確実に会えます。
孫の顔を見て元気に。
これこそ東京マラソン。
地元開催だからこそです。
いつもの神保町。
必ず写真を撮る大原の3号館は
今日はじっと眺めて通り過ぎます。
31歳で脱サラして学生に戻った
「第二の青春の街 神保町」
ですからね。
ただこのあたりからペースがどんどん
落ちてきました。
腰をかばいながら走っていますからね。
体幹を使わずに足だけで走っている感じ。
コーチが見たら怒られそうなフォーム。
淡路町を曲がるとすぐ10キロ。
1時間7分48秒。
「予定通り?7分ペース」
まで落ちてきました。
12キロ地点。
もう一度家族の応援を受けます。
ここも内緒スポット。
神田駅前だから応援もしやすい。
孫パワーでまた復活。
ただペースは順調に?落ちてきています。
キロ7分半くらいでしょうか。
14キロ。ラン仲間の応援を受けます。
これもまたうれしい。
15キロ 1時間45分19秒。
まずまずです。
でもだんだん暑くなってきました。
スタート時点では曇りでちょうどいい気候
だったのですが、やはり予報通り暑く。
これが後半強烈なダメージを与えます・・・。
浅草寺到着。
これこそ「ザ 東京マラソン」
このスカイツリーも定番。
20キロ到着。
2時間24分50秒。
まあいつもよりは遅いですが
2時間半くらいでハーフと思っていたので
想定内でした。
この辺りまでは腰の痛みを忘れ
心の底から東京マラソンを楽しんでいました・・・。
その3 24キロで満身創痍・・・
(24キロ地点の冨岡八幡の折り返し)
20キロの地点は蔵前橋。
隅田川を渡りながら毎年思いますね。
「ここから4キロ先の冨岡八幡までの
折り返し8キロが毎年の鬼門。
キロ7分で走れば1時間足らず。
1時間我慢して走りければあとは楽・・・」
でも毎回やられているのです。
キロ7分どころか、キロ9分も無理なのです・・・。
ここからさらに気温が上昇。暑いです・・・。
エイドのたびに水を飲みます。
両国、森下と川を何本か越えていくのですが
腰をかばって走っているせいか
だんだん足も痛くなってきました・・・。
24キロの折り返し。
何だかこのあたりでもう満身創痍。
門前仲町の交差点を左折すると清住庭園。
ここで初めてサロンパスのブース。
さらにトイレ休憩すると、腰に激痛。
さすがに腰が本当に痛くなってきました。
ここでまた衝撃的な事実。
反対車線のランナーがいないのです。
「皆関門でアウトになったのか・・・」
ここで初めて自分がどん尻にいることが分かりました。
「マズイ!」
腰をかばいながらヘロヘロで走り出しました。
2年前の北海道マラソンでの関門アウトの
強烈な経験がフラッシュバックしました。
笛とともにロープが飛んでくるあの光景・・・。
「あんな経験は2度とごめんだ・・・」
それでも追い打ちをかけるような衝撃的な事実。
エイドで水がもうすでに「売れ切れ」。
水がないのです。
「水すらないのか・・・」
この時ばかりはここで本当に
リタイアしようか迷いました・・・。
その4 水がない・・・
26キロ以降本当にどこのエイドにも
水がありませんでした。
ただ最後の水の時に何となく予感があり
コップを捨てずにポケットに入れておきました。
東京以外では私は必ずマイボトルをもって
走りますからね。
東京マラソンはマイボトルもマイコップも
禁止です。
「テロ対策」ということが目的らしいですが
今回のことを踏まえて改めてほしいと
節に思います。
テロ対策は大事かもしれないですが
紙コップを無駄に使うより、
はるかにSDGsであると。
腰が痛く、足もさらに痛くそしてのどがカラカラで
やっとの思いで28キロの隅田川を渡りました。
蔵前橋で
「今回もダメか・・・」
予定の1時間どころか80分くらい
かかっています・・・。
30キロ。
3時間58分。
昔は30キロで3時間半は
切れていたのですけどね・・・。
もう自己ワーストは確実。
関門アウトだけはなりたくない必死でした。
写真で分る通りもう周りは歩いている人が多い。
でもへぼランナーこれだけは言えるのですが
「歩くのはマラソンではない」
これは信念なのですね。
昔紹介した村上春樹さんの
「走ることについて語るときに僕の語ること」
この最後のところですね。 こちら
村上さんの「墓碑銘」
「 村上春樹 作家(そしてランナー)
1949-20・・ 少なくとも最後まで歩かなかった」
これを私も真似たいと走ってきました。
こんな状態であっても・・・。
31キロ地点。ラン仲間の応援を受けます。
うれしいですね。
でも仲間に「水ないですか・・・」
本当に言いそうになりました。
この時小銭を持って走らなかったことを
かなり後悔しました。
自販機に駆け寄り飲み物を買いたかった。
水が飲みたくて我慢ができなくなりました。
茅場町を右折して日本橋方向へ走る途中、
ついに意を決してコンビニで水を買おうと
コンビニを探しました。
小銭はなかったけどスマホには
paypayがあったのです。
その時、外人が水のペットボトルを持って
大声で騒いでいるのを見つけました
「助かった・・・」
本当に感謝しました。
「Thank you very much Thank you very much」
なんども叫びました・・・。
その5 最期はロッキーのテーマ
33キロ。
銀座に到着してようやくエイドにも水が。
もうがぶ飲み・・・。
銀座四丁目の交差点。
もうタイムはどうでもよくなっていましたが
すでに4時間半くらい経っていたでしょうか・・・。
34キロ。日比谷公園を左折しますね。
ここでも毎回思います。
「34キロから品川の折り返しまでの7キロ、
ここが正念場。」
そうなのですね。後半2度目の折り返し。
メンタルもキツイ。
遅いせいか周りも歩いている人も多い。
37キロ。知人からコーラの差入れ。
これは本当においしかった・・・。
38キロ。ロッキーおじさん。
引退したと聞いていたので、声をかけると
「私もこれがラストレース」
と言っていました。
つくばマラソンでは必ず彼から元気もらいましたからね。
心配そうに奥さんらしき人が横に立っていました・・。
そのあと走り出すともう反対車線には
ランナーがいません。
「関門アウトか・・・」
また事態が呑み込めました。
「やばいっ!」
ここから頭の中に「ロッキーのテーマ」
が流れ出しました。
歩いているランナーをどんどん抜いていきます。
残り30分ほど。
もう足が痛いのか腰が痛いのか感覚もありません。
「6時間を切らないとアウトか・・・。」
この時制限時間6時間とは知っていたので
6時間切らないとゴールできないと思ったのです。
残り1キロ。有楽町駅を曲がり丸の内仲通りへ。
大観衆の中、次々に抜いていきます。
本当に数百人は抜いたでしょう。
走りながら思いました。
「ここをサブフォー達成できそうなとき
走ったら絶対楽しいだろう・・・」
今はサブ6を目指すへぼランナー。
でも絶対6時間は切ろうと必死でした。
ゴールが見えたとき残り2分。
正直うるっと来ました。
ゴールです。
5時間59分34秒!!
ゴール直後の振り返った時の写真。
まさに6時間ジャスト!
ありがとう!東京マラソン!!