その1 ふるさと納税のよくある疑問にお答えします



もう12月ですね。

この時期一番ご質問の多いのが「ふるさと納税」ですね。

自慢ではないですが、もう7年も前からこのネタをアップしていましたからね。

当時は、「税理士 ふるさと納税」で検索すると私のブログが

出てくるくらい。

ふるさと納税がこれだけ広まった功績も少しは私にもあるかなと・・・。

(誰も言ってくれないプチ自慢??)

 

そのアクセス殺到した7年も前のネタですが、

令和版としてリニューアルしてみましょう。

皆様の疑問にお答えするために・・・。

 

例えば人気ナンバーワンサイトの「ふるさとチョイス」
ありますね。こちら

 

7年ぶりにじっくり見ましたが、格段にグレードがアップしていますね。

 

1-_-1

 

これ家族構成と年収を入れると簡単に上限額が分かるから
なのですね。
なかなか便利です。

 

2-_-1

 

例えば年収600万の方で、小学生の子ども3人いて専業主婦の方がいる
サラリーマンだと、「簡単シュミレーション」で

上限60,000円

 

とでます。

 

さらに、7年前に比べたらだいぶ詳しくシュミレーションできるように

なりましたね。

以前は所得控除など無視していましたからね。

 

3-_-21

 

やってみましょうか。

これは源泉徴収票など見ないと分からないお話ですが、

年収600万円くらいだと社会保険料を年間80万円は払っているでしょうし、

お子さんいらっしゃれば生命保険くらいは加入しているものして

5万円の控除額入れてみます。

 

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5-_-22

今度は7万304円とでましたね。

これで分かりますね、所得控除をキチンと入れることで増えるのです。

 

6-_-42

 

さらにバージョンアップしていることで

税メリット額まで計算してくれます。すごいですね。

仮に7万円をやったとしたら

68,200円も税メリットがでるようですね。

 

何となくこれで上限額が分かるのですね。
これを参考にふるさと納税を仮に7万円やったとしますね。

 

どうして7万円なのでしょうか?
10万円だとダメなのでしょうか?
損してしまうのでしょうか?

 

そもそも7万円本当にメリットあったのでしょうか?
やはり、なかなか分かりにくいですね。

 

医療費控除の還付みたいに、メリットとして
ハッキリお金が返ってくれば分かりやすいのですね。
でもたぶん分からないのですね。
何故なら、住民税の計算まで普通の方はできないからなのですね。

 

これはすいません。7年前の「突っ込み」でした。

本当に、7年間と比べ、だいぶ分かりやすくなってきましたね。

(つづく)





その2 サイトによって異なる控除限度額


ここまで書いて、もういろいろ「突込み」たくなりましたね。

7年前とくらべて、どこのふるさと納税のサイトも

かなり充実しました。

 

ご紹介した「ふるさとチョイス」も素晴らしく変わりました。

ただどこのサイトもこの「ふるさとチョイス」に負けずと、

サービスを充実させたようです。

とくに「控除額のシュミレーション」をかなり充実したのですね。

 

ふるさと納税で最初に悩むのがコレです。

 

「私の控除限度額はいくらですか?」

 

ということですね。

7年前にこれ解説するのが非常に難しかったのです。

総務省の「訳わからない表」見ても、誰も理解できなかったですから。

 

ですから、この

 

「年収いくらで家族構成が・・・」

 

という簡単なシュミレーションが便利がられたのです。

 

でもここ数年で、このふるさと納税で一番多い疑問がコレです。

 

 

「いろいろなサイトがあって、それぞれ計算してみると違うのです。

どれが正しいのですか?」

 

私もサイト運営者でもないし、それこそ監修者でもないので

知りません。

 

ただサイトが増えすぎたので、皆様かえって混乱しているようです。

これは管轄する総務省あたりで、統一したものを

作ってほしいですね。

 

 

具体的に見てみましょう。

前提は

 

「年収600万円のサラリーマンで、小学生の子ども3人と専業主婦の奥様いる」

 

というご家庭ですね。

小学生・・・設定したのは16歳未満で扶養にはならないので、

実際には専業主婦がいる子供のいないご家庭でも一緒になります。

 

 

まず、楽天のふるさと納税のサイトです。 こちら

 

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71,400円

 

と出ました。

昨日のふるさとチョイスの6万円とはかなり開きがありますね。

 

 

次に「さとふる」 こちら

 

Photo_20211203100301

67,000円

と出ました。

 

 

「ふるなび」 こちら

です。

 

Photo_20211203100302

 

 

69,000円

 

ですね。このように大手4社で検索しても

60,000円〜71,400円の開きがあるのですね。

 

ここなのですね。

 

「どれが正しいのですか??」





その3 詳細版でシュミレーションしたら?


簡単シュミレーションでは結構なばらつきがありましたね。

各サイトには、詳細版があります。

 

サラリーマンの方なら源泉徴収票をもとに計算できるのです。

でもここで大問題ですね。

 

サラリーマンの方がご自分の「令和3年源泉徴収票」をもらえるのは

いったいいつでしょうか?

 

大企業でしたら、通常25日が給料で、

最後の給料の際に、いわゆる「年末調整」を行ってから

もらうのですね。

ふるさと納税の申込みが殺到するのは

実際に12月20日過ぎくらいらしいのですね。

 

すいません。中小企業だと来年になることもしばしばです。

「作成する会計事務所が忙しすぎるから?」

と言い訳を言いつつ、具体的に見てみましょう。

 

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まず楽天のサイトです。

 

いきなり「支払金額」、「給与所得控除後の金額」、「所得控除額の合計額」を

いれます。

これは源泉徴収票を見なければ絶対できませんね。

しかし、そのおかげでかなり正確な金額が出ます。

 

「68,424円」

 

とでました。 2,000円を超える分、つまり

 

「66,424円」

税金が軽減されるのだそうです。

 

すごいですね。1円単位まで出ますが、実際は千円単位しかふるさと納税は

できないはずです・・・。

ですから実際は68,000円なのですね。

 

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住民税と所得税も細かく出ます。

これも税金は100円単位のはずです・・・。

 

 

もう一つやってみましょう。

「さとふる」

ですね。

 

Photo_20211207104301

 

これも似たような欄に埋めるだけですね。

 

68,000円

 

 

見事に一致しましたね。

ふるさと納税の金額も1,000円単位ですし、

税金も100円単位で切り捨てられて見やすいですね。

 

 

もう一つ「ふるなび」です。

 

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ただこれは残念ながら「生命保険料控除額」を

入れる欄がありませんでした。

 

正しくはでないので

これは残念ですね。

 

 

とりあえず3大大手サイトで

70,000円〜68,000円

 

と出ましたね。

 

ではどちらが正しいのでしょうか?

 

もし68,000円が正しい上限だとしたら

ふるさとチョイスを信じて70,000円の寄付をしたら、

はたして損でもしてしまうのでしょうか??




その4 実際に確定申告してみましょう


では分かりやすく、かつ、具体的に説明するために

ここで確定申告する方に登場していただきましょう。

 

登場していただくのは、サラリーマンの川内勇気さん34歳。(仮名)

なかなかマラソンの速そうな名前ですね。

もちろん仮名です。実在のプロランナーとは違います・・・。

埼玉県庁にお勤めで、専業主婦の奥さんと3人の小学生の子供が

いることにします。

年収は600万円と想定。月収が額面で40万円。ボーナスが夏冬3カ月で

これぐらいですね。

 

奥さんは川内勇子さん(36歳。もちろん、仮名)

勇子さんが旦那さんに、

  

「ふるさと納税が絶対得らしいと朝の情報番組でやってたの!

  あなたやりましょうよ!牛肉もらえば子供たちも喜ぶわよ!

  税理士の吉田先生のブログでも間違いないって書いてあったし・・・」

 

まあ、こんなやりとりを想定して実際にふるさと納税をやることを決意します。

でも情報サイトをいくつか見ましたが

「いくらまでやったらいいか」

これが良く分かりません。

「さとふる」と「楽天」のサイトを見て

68,000円が上限のように思えてきました・・・。

でもふるさとチョイスみるともう少しできるように思えます・・・。

 

でも本当にメリットがあるのかどうかも分かりません。 

 

さて、本当にメリットあるのでしょうか?

6万8,000円支払えば6万6,000円も効果があるのでしょうか?

 

具体的に計算してみましょう。

 

まず、川内勇気さんの「ふるさと納税をする前の」年間の税金を計算してみます。

なかなか他の人の確定申告書なんか見れませんよ。

1_20211208100901

 

 年収600万円の具体的な税金を計算します。

 所得税17万1000円も払っているのですね。

住民税も計算してみましょう。

これはちょっと一般の方は無理ですね。

 

1_20211208100902

専用ソフトで計算します。

27万9,000円と出ました。

結構、住民税も高いのですね。

 

奥様の勇子さんは、これで年間45万円も税金を払っていることに

驚愕してしまいます。

食べ盛りの小学生のために、美味しい肉を中心にふるさと納税を

やることを決意しました。

 

さて、楽天とさとふるのいうとおり、68,000円やってみました。

 

268000

268000_20211208101001

所得税164,200円

住民税219,600円

合  計383,800円

どうでしょうか?

 

青枠でカコったところが、「寄付金控除額」と「寄附金税額控除額」

ここがポイントですね。

これで税金が下がるのです。

 

450,800円 − 383,800円 = 66,200円


6万6200円 も税金下がりました!!

良かったですね。

予定通りの税メリットがありましたね。




その5 ふるさと納税の控除限度額の式とは?


ではここで、

「私はふるさとチョイスを信じて7万円をしたのですけど

どうなるのですか?」

 

そういうご質問出るかもしれませんね。

 

「楽天」や「ふるなび」には申し訳ないですが

 

限度額オーバーとされた7万円で計算してみましょう。

 

370000

 

370000_20211209112401

だんだん分かってきましたか?

寄付金控除額の青枠のところが68,000円に増えますね。

そうなると所得税は164,000円

寄附金税額控除額も61,058円になります。

住民税は217,800円

 

ということは

所得税164,000円

住民税217,800円

合  計381,800円

どうでしょうか?

 

450,000円 ― 381,800円 = 68,200円

6万8,200円も税金下がりました!!

 

ということは7万円しても良かったのです。

 

「何だよ〜。」

 

では正しい寄付金控除限度額はいくらなのでしょうか?

ここで7年間、「自称 ふるさと納税 応援大使」!?を務めていた税理士

として、「正しい寄付金控除限度額」を

計算してみましょう。

手前味噌ですが、これを計算できる税理士は少ないですよ・・・。

いれは以前、熱く語ったことがあったのですね。こちら

あまりにも難しかったようで、それほどアクセスが伸びなかったでしたが・・・。

 

限度額の計算式はコレでした。

 

                 (住民税所得割額 × 20%)

ふるさと納税限度額 = ―――――――――――――――  + 2000円

                   (90%−所得税の税率)

 

 

これにそって、川内さんの限度額を計算してみましょう。

まず解説するのは

住民税所得割額 なのですが、表から見ると 274,000円

ですね。

 

あと 所得税の税率 が問題なのですが 課税される所得金額が

26の欄 2,650,000円なので

Photo_20211209112201

これは国税庁のHPより

10%です。

それと細かいですが、復興特別所得税が2.1%あるので 

1.021倍しなければいけません。

 

では計算してみましょう

 

 

                  (274,000円 × 20%)

ふるさと納税限度額 = ―――――――――――――――  + 2000円

                    (90%−10%)× 1.021%

 

        54,800円

 =   ――――――――――  + 2000円

        80.168%

        

                 

 = 70,356円

 

でましたね。

私が計算するとやはり 70,000円 が正しいように思いますね。




その6 検証してみました


ここまで書いたのですから、

「ふるさとチョイス」と私の限度額計算が正しいことを証明しましょう。

 

「さとふる」と「楽天」には申し訳ないですが・・・。

 

川内さんに、あえて「限度額オーバーの」の71,000円の

ふるさと納税をしていただきましょう。

 

これで「控除限度額の意味」が分かると思います。

 

71000

 

もう分かりますね。

寄付金控除額の青枠のところが69,000円に増えます。

そうなると所得税は163,900円

71000_20211210093201

 

寄附金税額控除額も61,700円になります。

住民税は217,200円。

 

所得税163,900円

住民税217,200円

合  計381,100円

どうでしょうか?

 

450,000円 ― 381,100円 = 68,900円

6万8,900円も税金下がったのですけど、

これで「ピークアウト」したのが分かりますか?

ふるさと納税は支払った金額の2000円を超える分(69,000円)

が税効果あるのでしたね。

69,000円ではなく68,900円ですから

すでに「ピークアウト」しているのです。

これが「控除限度額の意味」なのですね。

 

「???」・・・分かりますかね。

 

住民税所得割額 × 20% 

 

この計算式が入っているということは、住民税の所得割額の2割までが限度

という意味なのです。住民税をたくさん払っている人は限度額は大きいのですが

そこのラインは人それぞれですから。

 

つまり、「それ以上控除できない」から「ピークアウト」と申したまでです。

 

まだお分かりにならない方のために

では川内選手(しつこいですが仮名です)にもっと面白い実験を

してもらいましょう。

 

奥様が、先日福岡国際マラソンのラスト・ランをした川内選手に

 

「吉田さんのブログ読んで7万円が控除限度額と分かったけど、

 福岡市に3万円ふるさと納税しましょうよ。

 09年の福岡国際マラソンの初参加から12回も走ることが

 できた思い出の大会でしょ。福岡市に感謝を込めて

 ぜひ3万円しましょう。」

 

すばらしい奥様ですね。

もちろん、本家本元での想像のやり取りですが、

川内さんが、限度額7万円と知りながら、あえて10万円した場合は

いったいどうなるのでしょうか?

 

結構このことを心配される方もいるようです。

「限度額オーバーは逆に税金取られるのですか?」

心配性の方なら、そう考えるかもしれないですからね・・・・!?

 

4100000

 

 

寄付金控除額の青枠のところが98,000円に増えます。

それでも所得税は161,000円

 

71000_20211210093201

 

寄附金税額控除額は64,600円になります。

それほど増えないのですね。これが20%限度の真の意味です。

住民税は214,300円

 

所得税161,000円

住民税214,300円

合  計375,300円

どうでしょうか?

 

450,000円 ― 375,300円 = 74,700円

 

計算すると 74,700円しか税金は下がりません。

でも間違いなく下がっているのです。増えている訳でもないですからね。

 

ただ、本来なら2,000円を超える98,000円の税効果が

あるはずだったのですが、そこまで享受できなかったということです。

 

でも別に川内さんは「別に税金取られた訳でもない」のですね。

そこは分かってください。

 

3万円福岡市に寄付したことで

美味しい「ふぐと明太子」が送られてきたのだし

果たして「損をした」と考えるべきなのでしょうか。

 

何より、川内選手としたら福岡市に感謝を届けることが

できたと思いませんか。

それこそが寄付の本来の考え方ですから・・・。




その7 ふるさと納税の限度額計算する意味


これで控除限度額の意味がだいたい分かって

いただきましたでしょうか?

 

 

川内選手にご登場いただき、わざと所得税の計算と住民税の

計算をしてみました。

 

もう一度アップしますが、ふるさと納税の限度額の計算で式です。

 

 

                    (住民税所得割額 × 20%)

ふるさと納税限度額 = ―――――――――――――――  + 2000円

                    (90%−所得税の税率)

 

 

住民税の所得割額を計算しなければいけないのと

所得税の税率まで出さなければいけないのです。

 

ということは、

 

@ 所得税の確定申告書を計算した上で

A 住民税の計算もしなければいけないのです。

 

これを分かっていただきたいのですね。

 

ここで何が言いたいかというと、このふるさと納税ネタを

アップすると、「問い合わせ電話」が必ず増えるのです。

 

「先生のふるさと納税のブログ読んで、ちょっとお聞きしたいのですが・・・」

 

こういう電話が12月20日過ぎになると結構かかってきます。

 

「何でしょうか・・・」

 

うっかり返事すると大変です。

 

「私は年収・・・で家族構成が・・・・です。

 それと・・・所得があって・・・」

 

もう電話による税務相談になるのですね。

 

「電話ではちょっと・・・」

 

大概丁重にお断りします。

 

お分かりでしょうか?電話だけで、所得税の税額まで計算して、なおかつ住民税の

計算までできないのです。

 

それでも、「電話相談はできない」と丁重にお伝えすると、

 

「そうでしたら、資料をもって伺えばよいのですか・・・・」

 

そういう方も良くいらっしゃいます。

 

といって「いくらですか?」と聞かれても困るのですね。

無料で税務相談はできる訳もなく、ではふるさと納税の相談料といっても、

なかなか難しいのです。

もし、

「ではまず着手金・・・いただきます」

「計算終了後、税メリットの・・・%いただきます」

 としたら、それこそ

「ボッタクリの悪徳税理士?」

と言われるのではないかと思いますからね。

 

以前は電話だけでなく、メールもよくいただきました。

それでもよくいただいたメールに対して

丁寧にご返事していたものでした。

 

ただ、数年前からそれもしないことにしました。

ついおせっかいながら、返事をあれこれ書いても

ほとんどが、それっきりなのです。

別にあとから「請求しよう」などとも思っていなかったのですね。

 

よって、すいませんが、ふるさと納税のご相談は

電話でもメールでも受け付けないことにしました。

会計事務所としても年末調整などで忙しいのも理由です。

すいませんが、悪しからずご了承ください・・・・。




その8 「今年土地を売却したのですが・・」


もう一つ書きたいことがあります。

一番困る質問は

 

「私は今年土地を売却したのです。

ふるさと納税いくらまでできますか?」

 

さあ!いくらまでできるのでしょう。

 

何度もご説明している通り、

所得税の確定申告書を作成して、住民税の計算までしない限り

限度額は計算できないのですね。

 

「土地を売却されて税金がいくらか?」

 

これは簡単に電話やメールではお答えできないのですね。

もちろん確定申告のご依頼をいただいてから、

申告準備することはよくあります。

ふるさと納税の限度額の計算をするのはそれ以上の

事をやる必要があるのですから。

 

そういうご質問の場合は、実はこのように答えることに

しています。

 

「最近は楽天のサイトが充実して土地の譲渡所得まで

計算できます。そちらをご利用されたらいかがでしょうか?」

 

 

楽天のサイトでご説明しましょう。

 

11_20211214131901

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また川内選手にご登場いただきましょうか。

今年例えば川内さんも土地の売却があったことにします。

分かりやすく、10年以上前に100万円で買った土地が

200万円で売れたことにしましょう。

 

土地の譲渡所得は200万円―100万円=100万円

 

となります。

楽天のサイトではその 100万円 を入れる欄があります。

 

因みに楽天のサイトでは、

株式の譲渡所得

不動産所得

事業所得

の欄だけでなく、その他の所得まであります。

 

「所得の区分って何ですか?」

 

というお話は難しくなりますので、ここではしません。

要するに、サラリーマンの「給与所得」以外も

すべて入れる欄があるのですね。

これはなかなか優れものですね。

 

 

「ふるさとチョイスは株の譲渡益だけですし、

「さとふる」もここまで詳しくシュミレーションできないですから、

楽天だけですね。

 

13_20211214132001

 

計算すると80,957円

とでました。

 

土地の譲渡がないと7万円ほどでしたので、約1万円限度額アップですね。

 

 

土地の譲渡益は所有期間5年以上(長期)の場合、

 

所得税15.315% と住民税5%です。

 

100万円の譲渡益の場合、住民税が5%で5万円。

 

ふるさと納税は住民税の20%が上限だから、

5万円の20%の1万円。

 

なんとなく合っているように思いますね。

 

さてこれを確かめたくなりましたね・・・。




その9 おすすめの「さいたま市のサイト」


今回ふるさと納税の限度額を計算するにあたって

住民税を正確に計算することが必要だとよく分かりましたね。

 

ふるさと納税のサイトでの限度額計算がマチマチなのも

住民税の計算が、実はどこも正確にやっていないのがその理由だと

いえるのです。

 

サイトの運営者側としては、

「限度額が間違っている」

と言われるもの困るでしょうし、もっと最悪なのは

 

「オタクの言われる通りふるさと納税したけど、

2000円超える分の税メリットを受けられなかった。

損害賠償したい・・・・」

 

これは一番困るのでしょうね。(実際にそんな方がいるかどうかは知りません)

ですから、どこも住民税の計算を正確にしていないか

「わざと少なめにして、限度額を小さくしている」

ような気もしています。

 

どこのサイトも「あくまで目安です・・・。」という言い訳は

必ず書いてありますね。

 

いろいろ考えるのですが、要するに

「市区町村が正確に住民税を計算」

していればいいのですね。

 

「住民税が正確に計算できる」そんなサイトがないかと

調べていたら、見つけました。

 

川内選手(仮名)をわざと埼玉県庁勤務にして、住所をさいたま市に

してあったのですね。

 

1_20211215133501

 

 

さいたま市のコレです。 こちら

 

 

素晴らしいサイトですね。

住民税がきちんと計算されるのですが、

 

なんとこのサイトには「ふるさと納税の控除限度額」まで

計算されます。

 

それを証明するために、前回詳しく計算した川内さんの数値を

入れてみましょう。

 

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12_20211215133701

13_20211215134001

ズバリ! 70,000円

 

 

素晴らしいですね。

さいたま市に住みたくなりますね。

以前、東京マラソンの寄付金控除で力説しましたが

さいたま市では控除額が増えるのでしたしね・・・。

こちら

 

 

では、川内選手に土地の譲渡があったことにして

計算してみましょう。

どうなるのでしょうか?

給与所得以外の欄もあります。

 

12_20211215134101

 

 

 

 

「長期譲渡所得」とか「一般分」など専門用語が出てくるので

ちょっと普通の方は分かりにくいかもしれませんね。

 

でも、収入金額(売却金額)200万円、必要経費(これは土地の取得費)

100万円と入力すれば、譲渡所得100万円が正しく計算されます。

 

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なんと!83,000円

 

楽天のサイトの80,957円とは違いますね。

どっちが正しいのでしょう?





その10 土地を売却した場合の検証


さあ!川内さんが土地の譲渡所得100万円あった場合の

税金を計算してみましょう。

 

1_20211216102901

2_20211216102901

所得税324,100円

 

に増えます。

もともと、給与所得だけで171,000円でしたね。

 

これは譲渡所得の税率が15%なのです。

念のため別表三もつけましたが、

100万円の譲渡所得に対して15%の150,000円が

計算されているのがお分かりになるでしょうか。

それに復興所得税が加わって税率は15.315%なのです。

100万円の15.315%で153,100円増えていますが

これは仕方がないですね。

 

3_20211216102901

地方税は

329,000円

になります。

これは赤枠でカコった譲渡所得の税率5%分の5万円が

増えているからですね。

 

所得税324,100円

地方税329,000円

合 計653,100円

 

つまり、もともと川内さんの税金の合計は450,000円でしたね。

譲渡所得があったことにより203,100円も

税金が増えたのです。

 

 

 

そこで、楽天のサイトを見て川内さんは

8万円をふるさと納税してみました。

 

どうなるのでしょうか・

800001

 

何度もやっているのでもう分かりますね。

寄付金控除額の青枠のところが78,000円になります。

そうなると所得税は316,200円

 

800003

寄附金税額控除額に70,037円になります。

住民税は258,8000円。

 

所得税316,200円

住民税258,800円

合  計575,000円

 

653,100円 − 575,000円 = 78,100円 

 

 

見事に2,000円を超える税効果でましたね。

 

 

良かったですね。

これで土地を売却した場合でも

ふるさと納税をやるべきだとご理解いただけましたか?




その11 「さいたま市のサイト」恐るべし!


譲渡所得に対してもふるさと納税の節税策が有効であることが

分かりましたね。

 

でも譲渡所得100万円に対して税金が約20万円も取られたのです。

それに対して、節税額が1万円ほどしかないのですね。

個人的にはあまりうまみは少ないと思うのですが、

令和3年にもっと多額の譲渡所得があった方には有効でしょうね。

 

 

あと、さいたま市の限度額計算では

83,000円

と出ていましたね。

どちらが正しいのか、「得意の」検証をしてみましょう。

 

 

 

川内さんに、あえて楽天では「限度額オーバーの」とされた83,000円の

ふるさと納税をしていただきましょう。

 

830001

 

 

もう分かりますね。

サラサラと計算できます。

寄付金控除額の青枠のところが81,000円に増えます。

そうなると所得税は315,800円

830003

 

寄附金税額控除額も72,730円になりましたね。

住民税は256,200円。

 

所得税315,800円

住民税256,200円

合  計572,000円

どうでしょうか?

 

653,100円 ― 572,000円 = 81,100円

 

あれっ! 83,000円しても2,000円超える分の

税メリットがありましたのね。

セーフでした。

 

申し訳ないですが「楽天」の間違いが分かりましたね。

では「さいたま市」が正しいかどうか

84,000円をして検証してみましょう。

 

840001

 

寄付金控除額の青枠のところが82,000円に増えます。

そうなると所得税は315,700円

 

840003

 

寄附金税額控除額も73,000円になりましたね。

住民税は256,000円。

 

所得税315,700円

住民税256,000円

合  計571,700円

どうでしょうか?

 

653,100円 ― 571,700円 = 81,400円

 

これで「ピークアウト」したのが分かりますか?

ふるさと納税は支払った金額の2000円を超える分(82,000円)

が通常、税効果あるはずでしたからね。

 

これで「さいたま市」のサイトが正しいことが

証明されましたね。

 

恐るべし「さいたま市」!!





その12 個人事業主の場合のふるさと納税


もう一つ多い質問。

 

「私は個人事業主なのですが、ふるさと納税をした方が

いいのですか?」

 

よくあります。

ふるさと納税のサイトはほとんどがサラリーマンを

主に書かれたものです。

個人事業主の方の欄がないものが多いです。

もうお分かりのように所得を計算しなければ

控除限度額が出ませんからね。

 

でもご紹介したように、楽天のサイトでは

事業所得を入れる欄がありますね。

これに入れて計算はできます。

 

ただ申し訳ないですが、個人事業主の方に

年内に確定申告の計算はできている方は、まずいませんからね。

昨年の所得を元に計算するくらいしかないですね。

 

 

ここで、どうしても申し上げたいことがあるので、

川内選手にまた再登場していただきましょう。

 

本家本元も、公務員を辞めてプロランナーになりましたからね。

では、個人事業主の川内選手もふるさと納税をやるべきでしょうか?

 

奥さんから

「吉田さんのブログ見て7万円はできそうよ。

ぜひやりましょうよ!」

 

奥さんにもし言われたとしますね。どうしましょうか?

 

 

私がもし顧問税理士でアドバイスするとしたら、

(もちろん顧問ではありません。念のため)

「ふるさと納税に7万円払うくらいなら

『小規模企業共済』に7万円払ってください。」

そういうでしょうね。詳しくは こちら

 

個人事業主に対して、私はこの小規模企業共済を必ず勧めます。

所得税も住民税も全額経費になるからです。

 

 

では埼玉県庁を退職したばかりの川内さんが

この小規模企業共済7万円をやったらどうなるのでしょうか?

 

面白いので計算してみましょう。

 

 

Photo_20211221093301

 

所得税の申告書に

「小規模企業共済控除」があるのをご存じですか?

ここにダイレクトに7万円の数字が入っているのを

ご確認ください。

 

所得税は163,800円

 

となります。

 

Photo_20211221093401

 

住民税にもダイレクトに7万円院かれていることが

確認できますね。

 

そうなると住民税は

272,000円

 

所得税163,800円

住民税272,000円

合  計435,800円

どうでしょうか?

 

450,000円 ― 435,800円 = 14,200円

 

「なんだ!1万4200円しか下がらないではないの?

ふるさと納税なら6万8000円!損した!!」

 

確かにそうです。ここで問題提起です。

ふるさと納税が本当に「節税」なのかどうか?

よくよく考えてみてください。

7万円で30%相当の返礼品は確かに来ます。

食べてしまえばそれでおしまい。

 

個人事業主の方は、将来の退職金として、その支払った金額は

丸々もらえるのです。

この点サラリーマンとは考え方が違うのですね。

(因みに、サラリーマンは小規模事業共済には加入できません)

 

ふるさと納税流にいえば

「実質負担5万5800円で将来の退職金7万円を積むことが

できるのです」

 

どうでしょうか?

お分かりになるでしょうか?

因みに個人事業主は月7万円で年間84万円まで掛けられます。

個人事業主はサラリーマンとは違うのです。

将来の保証を誰もしてくれません。

そういう使い方もあるではないでしょうか?

 

それこそ、年末に7万円支出するのなら、その資金で

「ゴッドハンドの整体師に7万円支払って施術してもらって」

来年稼げばいいのです。

 

7万円で30%相当の「牛の切り落とし」1キロ2万円相当もらう

くらいなら、東京マラソンで稼いで

最高級のシャトーブリアン1キロを食べればいいのですね。

 

それこそプロですから・・・。



その13 ふるさと納税とチャリティーの違い


熱く語ってきた「ふるさと納税シリーズ」ですが、

クリスマスも近づいてきたので、そろそろまとめましょう。

 

「節税しましょう!」

というタイトルで書いてきましたが、確かにふるさと納税は

節税かもしれませんが、「返礼品がくる」ということだけで

税金で払うか、ふるさと納税で払うかの違いで

「キャッシュアウト」は変わらないということを

ぜひとも、ご理解いただきたいともいます。

 

 

最後に、

「川内選手に7万円のふるさと納税をする代わりに

7万円のチャリティーをしたらどうなるか」

それを計算してみましょう。

 

Photo_20211222112001

私が東京マラソンで走るときに必ず寄付する団体

「公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チェリティーズ・ジャパン」

ですね。こちら

Photo_20211222112501

 

これは以前ご紹介しましたが、「さいたま市に住む方」は

特別に住民税の税額控除増えるのでしたね。

 

_7

なんと27,200円も、税額控除がされて、

所得税は143,200円に!

_7_20211222111601

 

住民税も6,800円もの税額控除がされて

272,100円に下がります。

 

 

所得税143,200円

住民税272,100円

合  計415,300円

どうでしょうか?

 

450,000円 ― 415,300円 = 34,700円

 

なんと34,700円も下がるのですね。

 

「ふるさと納税なら68,000円も税メリットだったのに!」

そう考える方もいるかもしれませんが、

7万円の有効な活用方法だとも思いませんか?

 

 

「チャリティー」とは本来そういうものではないでしょうか。

 

クリスマスの時に、サンタクロースがまさに「チャリティー」で

子供たちにプレゼント配りますね。

 

子供たちの笑顔をみたら幸せな気分になりますね。

 

「病気で苦しんでいる子供たちが少しでも笑顔になってほしい」

 

そういう願いこそが「チャリティー」の精神なのですね。

子供たちの笑顔を思い浮かべたら、少しでも幸せな気分に

なるのではないでしょうか。

 

 

そろそろ私の言いたいことが分かってきましたか?

 

 

これから政府の「愚策」により、国民に10万円が「無駄に」

配られますね。

コロナで大変なご家族にとっては、期待されている方も多いでしょう。

 

「オレの納めた大切な税金が、赤木裁判の認諾費用に勝手に使いやがって・・・」

 

そう国に対して憤りを感じている方も多いかもしれませんね!?

 

もし、本当にそう思われるのでしたら、

これを全額ふるさと納税されたらいかがでしょうか。

税メリットは申し上げた通りです。

 

 

でも、もう少し「チャリティー」のお気持ちがあれば

こういう公益財団法人に寄付されたらいかがでしょうか。

 

一応、税理士ブログですから税メリットを

計算しておきます。

 

_10

_10_20211222111701

これは東京マラソンで何度も計算しましたから

お分かりですね。詳しくは こちら

 

所得税130,900円

住民税269,100円

合  計400,000円

どうでしょうか?

 

450,000円 ― 400,000円 = 50,000円

 

「チャリティー」でも、なんと! 税メリット5万円もあるのですね。

 

それだけあれば、十分よいのではないでしょうか?

 

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あとは、喜んでいる子供たちの笑顔を思い浮かべて

幸せな気持ちに浸ってください。

一年に一度くらいサンタクロースになってもいいのでは

ないでしょうか。

 

メリークリスマス!!

 

 

(ふるさと納税で節税シリーズ おしまい!)


※2021年12月現在で必死になって考えました。
文責は吉田ですが、間違っていたらごめんなさい・・。

 

 

 

 





 







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