その1 保険会社は暴利を食っている



この保険



なかなかショッキングなタイトルですね。

またまたamazon衝動買い。

この時期、保険のこと考えること多いですからね。

お分かりの通り年末調整でいろいろな方の保険のことを

お聞きするからです。

 

また保険のご相談も実は多いので、

当事務所も保険の代理店もやっているのです。

 

ただ保険会社からの視点ではなく、こういう観点から

真面目に考えておくのも良いかと思いましたし、

なかなか参考になる本です。

確かに保険会社のセールスマンのいう通りではダメで

自分で考えて保険を選ぶことは大事なことなのでしょう。

 

著者は後田亨氏。保険のコンサルタントです。

表紙見て分りますが、経済評論家の山崎元氏が推薦

しています。

この山崎元氏は最近がんを発症したことで、

「医療保険は無駄」

とあちこちで言っていますね。

「どうして医療保険が無駄なのか」

この本を読むとよく分かります。

 

それはあとで解説しますが

なかなかズバリ書いてあって面白い。

強烈な業界批判もあります。

 

まず

「保険会社が暴利を食っている」

 

でも本当でしょうか?

 

5_20231211144101

 

まずライフネット生命が出てきます。

華丸大吉のCMでよく見かけますね。

 

「粗利率」という言葉が出てきました。

「保険加入者から集めた保険料のうち

会社に残るお金の割合」

これが2019年から2022年の4年間で

43〜46%になっているというのです。

 

「そんなに保険会社ってボロイ商売?」

疑い深い私は得意のEDINET分析。

 

2_20231211144101

 

これがライフネット生命の最近の経営指標。

保険料収入に対する保険金等支払額の割合だけでは

ちょっと分かりにくいですね。

 

EDINETでは責任準備金の繰入額まで

書いていないのでちょっと良く分かりません。

 

この著者は

「保険会社が暴利を食っているから

契約者が儲かるはずがない」

といいたいのでしょう。

 

言わんとすることは何となく分るのですが

ただずっとこの生命保険会社赤字なのですね・・・。

テレビCMなど多額の広告宣伝費をかけているからと

なんとなく想像つきますが

新興の保険会社の財務基盤がいかに脆弱かが

よく分かります。

ただ

「こんな赤字の会社に自分のお金預けて

大丈夫なの・・・?」

そう感じませんか。

 

8_20231211144201

 

参考までに第一生命をEDINETで見つけたので

アップしておきます。

 

預かった保険料収入から、保険金等支払額が

ありますが、預かった金額以上に支払っている

年度があります。

資産運用収益があるからですね。

経常利益も4000億円〜5000億円。

 

でも第一生命はこのコロナ禍でも

こんなに儲かっているのですね。

 

「保険会社が暴利を食っている」

 

ということは外れてはないようです・・・。







その2 保険に入る理由


13_20231212095101

 

まあ、この著者は保険会社に何か恨みでもあるのでは

ないでしょうか!?

筆者は「保険に入ることは宝くじを買うのと同じ」

かなり極論的なことまで言っていますから。

当たってラッキーが宝くじで

死んでアンラッキーが死亡保険

ということでしょうか・・・。

 

このお話はいいとして、保険の基本的な考え方が

勉強になります。

そもそも保険に入る理由はこの3つ。

 

めったに起きない

自己資金では対応できない大金が必要

いつ起きるか分からない

 

だから保険に入るのです。

 

13_20231212095201

 

ここが分かりやすかったのですが、自動車保険のたとえ。

自動車事故がまさにこの3つの理由から入るのですね。

少ない保険料で手厚い保障を得るのですね。

 

 

14_20231212095201

 

では右側。

自動車の故障。

3つ全部ではないですね。

 

12_20231212095201

 

自動車保険の「賠償責任保険」と「車両保険」の区別。

左上の商品が保険に向くと考えられますね。

 

11_20231212095301

 

これを生命保険に置き換えるとこの表。

 

「すっと」理解できるのではないでしょうか。

 

ですから

少ない保険料で手厚い保障を得るから

「死亡保険は本来の保険の目的に合っている」

 

ということなになりますね。





その3 医療保険は無駄?


では「死亡保険」が本来の保険の目的に合致しているなら

その対照的な「医療保険」ははたして加入する必要が

あるのでしょうか?

 

19

 

高齢化社会に向け、自分の老後のことが誰よりも

心配ですね。

重い病気にでもなって、高額な医療費がかかるように

なったら困りますね。

登場してくる40歳のご夫婦も月7000円程度の

保険に加入していました。

 

「入院時に1日あたり1万円の『入院給付金』が

入院1日目から、いわゆる『日帰り入院』でも

支払われますし、また、手術の種類に応じて

5万〜20万円の『手術給付金』も支払われる。」

 

よくある保険ですね。

でも恐ろしいことが書いてありました。

 

「保険のプロである保険会社の営業マンは

そもそも医療保険なんか入っていない」

 

というのです。

本当でしょうか?

各保険会社に「社員の医療保険加入率」を

発表して欲しいですね。

 

これ何となく想像つくのですね。

どうしてか分かります?

保険会社は知りませんが、私は証券会社の内情が

分かるから。

「証券マンはまず投資信託で自分の資産を運用は

絶対していない。」

からです。

 

今は知りませんが、投資信託の手数料が高いのを

証券マンはよく知っていますからね。

同様に、保険会社の社員は医療保険で会社は

かなり儲けていると知っているからかもしれません・・・。

(これ想像です・・・)

 

医療保険が必要ないという筆者の意見ですが

ここは勉強になります。

 

まず、そもそも

「医療保険では、何かあったときに受け取れる給付金が

高額になりにくい」

こういう仕組みがあるのですね。

統計から

「入院給付金の平均は1件当たり約9万3000円

手術給付金は9万5000円ほど」

これ驚きませんか?

先ほど40歳の男性の保険料が月7869円でしたね。

年間94,428円!

「自分の払った保険料が返ってくるだけ」

というカラクリなのですね・・・。

 

「な〜んだ・・・」

というオチですね。

あと、次に申し上げることが一番重要です。

 

「私たちは、既に『最強の終身医療保険に入っている』

からです。

 

ここはぜひ知ってほしいですね。

 

最強の終身医療保険とはお分かりですね。

国の健康保険です。

サラリーマンならだれでも加入している「アレ」

です。

国の健康保険で十分賄えるのです。

これよくご理解ください・・・。




その4 最強の終身医療保険に加入済み


まず国の健康保険では

「医療費はそれほどかからない仕組み」

ですよね。

現役世代で自己負担は3割まで。

70歳以上は原則2割。

75歳以上では1割。

 

それに大事なのは「高額療養費制度」があり、

押さえられているのですね。

これは絶対に知っておかなければならない点です。

 

仮に1ヵ月の医療費が100万円かかったとしても

100万円全額払わなくていいのです。

 

16png

 

70歳未満のいわゆる「現役世代」の場合、

年収600万円の平均的なサラリーマンだと

すると、自己負担額は8万7430円まで。

 

まあ貯蓄があれば何とかなる金額ですね。

 

17png

 

70歳以上の場合はどうか。

これも年収があれば上限額が同様に設けられていますが

70歳以上で収入があるというのは

少ないでしょう。

年金暮らしとなり、もし収入が無かったら8000円なのですね。

私も95歳になる母親がおりますが、

医療費何てほとんどかかりません・・・。

 

この表見ると安心するのではないでしょうか。

 

あとこれも知ってほしいのですが

「多数回該当」

という欄が右側にありますね。

「過去12か月以内に3回以上、限度額に達した場合、

『多数回該当』となってさらに限度額が下がる」

こんな仕組みがあるのです。

 

民間の医療保険では1回につき60日〜360日、

通算で1000日という縛りがあるのですね。

保険会社が損しないような仕組みです。

 

18png

 

さらにこの表。

そもそも民間の医療保険には加入条件があるのです。

健康でなければ入れないのです。

持病があっても加入できる保険はあることはありますが、

保険料はかなり割高になります。

 

それに対して

「国の医療保険は誰でも加入できるし、

持病があっても入れる医療保険」

なのですね。

  

「最強の終身医療保険に加入済み」

という意味がこれでお分かりになりましたか?




その5 がん保険は必要か?


Photo_20231215151601

医療保険はどうやら入らなくてよさそうですね。

ご理解いただけましたでしょうか。

 

では次に「がん保険」。

これはどうでしょうか?

 

まずショッキングな表から。

 

がんの罹患リスク。

よく言われていますね。

がんは「二人に一人がかかる」言われております。

 

正しくは、男性が65.5%。女性が51.2%

そうなると、「男性は三人に二人」が正しいみたいです。

この表から年齢が高くなるにつれて高まります。

 

いろいろ脅かされるので

「がん保険でも入っておこうか」

 

こうなりますね。

でも39歳未満なら1〜2%なのです。

 

Photo_20231215151602

 

でも数年前に小林麻央さんが、乳がんを発症して

あっという間になくなりましたね。

 

Cm

 

結構ショックな出来事でした。

また毎日のようにテレビCMも流れます。

特にアフラックのCMもよく見ますね。

がんに罹患された方が、

「保険に入っていて良かった・・・」

 

そうなのですね。

確かにがん患者はふえているものの、

完治する人もまた増えているのです。

 

私の年代以上だと

「がんは恐ろしい。不治の病だ・・・」

そう思い込む人も多いのでしょう。

 

Photo_20231215151701

 

不安に駆られて加入するのですね。

やはりアフラックが人気のようです。

 

しかし、

「なぜ保険会社はがん保険を売るのでしょう?」

次の答えが驚きます。

 

「売れるからですよ」

 

「がん保険では、広告などで心がゆさぶられる体験談

なが流布されます」

 

先ほどの小林麻央さんの病状の写真なんか見たら

「これは入っておかないとたいへんなことになる・・・」

 

そう思って当然でしょうね。

 

でもここは勉強になりました。

「二人に一人がかかる病気のための保険」

ですね。

 

これは保険本来の目的である

「めったに起きないこと」へのリスクヘッジでは

ありえないのですね。

 

恐ろしいたとえで説明してありました。

「戦場の最前線にいる兵士を対象にした死亡保険が

商品として成立するだろうか?」

 

確かにそうでしょう。

死亡保険金が3000万円だっとしたら

その保険料はいくらだと思いますか?

保険料は3200万円くらいになるというのです。

そうしなければそもそも保険会社は

ビジネス的に成立しないだろうと。

 

がん保険は罹患しても100万円程度が多いです。

ということは契約者は100万円以上払わされることに

なるのではないか・・・。

 

保険会社慈善事業で保険ビジネスをやっている訳では

ないのですね・・・。

確かにそう思いませんか。





その6  無駄な保険は解約して新NISAに!?


いろいろ書きたいことはあるのですが

そろそろ生命保険会社から文句言われそうなので

まとめましょうか。

保険会社の営業マンも今はたいへんなのですね。

 

この筆者の言いたいことは

たぶんコレでしょう。

 

「無駄な保険を解約して新NISAにしましょう」

 

まあ、そういうことなのでしょう。

代弁すると

 

「医療保険やガン保険、

またあえて解説しなかった「学資保険」などは

入らなくていい。

その分貯蓄に回して資産を貯めれば十分賄える。

貯蓄に最適なのはNISAです・・・。」

 

2024年から「新NISA」が開始しますね。

この暮れの忙しい時に、ニュースやワイドショーは

「新NISAとは・・・」

 

こういう番組が多いですね。

実は最近急に聞かれることが多くなりました。

 

「吉田先生は元野村證券でしたよね・・・。

株や投資信託など投資に詳しいですよね・・」

 

確かに元野村證券でした。

でもこのブログでもNISAをあえて

取り上げてこなかった理由があるのですね。

 

野村證券を退職して(株の世界から足を洗って)約30年。

毎日新聞の株式欄さえ見ていないのです。

 

「もう見たくもない」

 

というのも本音です。

 

「相場を気にせず生きていくのも幸せだ」

 

と実感しているからなのです。

だから、

「そんな世界を知らなかった方々に

あえてそういうことを無理に教えるのも・・・。」

 

と思ってしまいますね。

このブログでも書いてなかったことですが

一時期「日興証券のFA」にも登録したことが

あります。

 

「何か商売のネタになるかな」程度でしたが

すぐ辞めました。

 

何だかいい加減なことを言えないのかなと

思っております。

 

この本でも

「投資信託を20年続ければ、

お金は平均2倍になっていた」

 

そう書いてあります。

証券の世界で過去のトラックレコードを

いくらでも切り出してこういうこと言えるのですね。

なんだかFAでもそんなこと言わされるのも

本当にイヤだったのです。

 

毎日のように、テレビ番組で

「ユニクロの株を30年前に買っていれば

数百倍にも資産が膨れ上がっていた・・・」

 

そういうテレビのアナウンサーも多いです。

実に無責任なことです。

同じように

「山一證券の株を30年前に買った人もいる」

そういうことも言わないで・・・。

 

まあこのあたりのことは

また改めてアップしましょう。

 

とにかく生命保険について勉強になった本でした・・・。

 

(解約されずにがんばれ!
 保険営業マンシリーズ おしまい)

 

 







お問合せ
吉田信康税理士事務所
〒164-0001
東京都中野区中野3-34-31
大橋ビル4階
TEL:03(3382)8088
FAX:03(3382)8099
WEBでのお問合せ
 
 

どこよりも詳しく!
公開情報!
KAKINOKI物件情報
NEW(赤→)
「企業魂」に出ました!
YOUTUBE
NEW(赤→)
「企業魂」解説!
テレビ出演
NEW(赤→)
免税事業者の対応は?

インボイス免税事業者はどうする?
改訂令和版!
まだ間に合います!!

ふるさと納税
東京マラソンの申告はどうする?
寄付金
脱サラ起業

弥生会計なら自信あり
ぜひお任せください。
弥生会計で簡単に
弥生セミナー

吉田の趣味のご紹介
囲碁
マラソン

またまた出ました!!
月刊ランナーズ
テニス

新サービスのご紹介
給与計算
相続税