その1 話題のどう生きるかシリーズ



銀行員はどう


「どう生きるかシリーズ」流行っていますね。
本当は「君たちはどう生きるか」
というのを取り上げたかったのですが、
ちょっと「青くさい」ですか・・・。



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これもなかなかの名著だと思いますね。
このベストセラーのタイトルを真似しているような
本ですね。

「これからの銀行は変わる」

という趣旨の本なのでしょう。
以前取り上げた「捨てられる銀行」の続編のような
感じですが、あれは銀行員だけでなくの銀行の取引先も
こぞって購入したのですね。
今回のこの本はきっと就活中の大学生も買っているのでしょう。

三井銀行中野坂上支店からこの物語は始まっています。
この支店のことはテレビや雑誌で取り上げているようなので
知っている方も多いのでしょう。

中野坂上というと地元ですね。
ただこの支店は「個人顧客専用店舗」として
生まれ変わったというのです。

なんと!ビルの11階にあります。

驚きなのはすべてペーパーレス。
銀行の支店というと、ATM以外ではすべて用紙に
書かせられますね。
必ずハンコも・・・。
それがないというのですね。

しかもフロア係のように接客している女性の方が
実は支店長だったというオチも・・・。

銀行が、しかも三井住友銀行というメガバンクが
こんなにも変わってきているのかという
シンボリックな例示ですね・・・。


ただ中野に住む個人顧客が皆中野坂上の11階のフロアまで
行くとは正直思えないのですね。
銀行に用事があれば、ATMで済ますか、
それこそネットバンクでやってほしいという狙いなのだとは思います。

またこれもこれからの銀行の行方を考える象徴的
なニュース。


「三菱UFJ銀行が6000人、三井住友銀行が4000人、
みずほ銀行に至っては1万6000人も人員を削減する」


と発表したのですね。
本当に銀行員はこれからどう生きるかなのです・・・。





その2 バブル世代の不幸


みずほ銀行が1万9000人もの「人員削減」とは
正式には発表していないのですね。
この本で解説してありましたが、正確には
「1万9000人分の業務量の削減」なのですね。
各銀行とも「業務量の削減」という表記ですね。
でも確かにこれは経営上の言葉なのですね。
そこに働いている人にとっては、「仕事がなくなる」ということを
意味しているのです。


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衝撃的な図をお見せしましょう。
みずほの「基幹職系の人員構成の図」ですね。
よく人口のピラミッドでみる図なのですが、
明らかに偏っているのが分かりますね。
50台前後に異常に人がいますね。


これ分かりますね。
まさに1990年(平成2年)あたりの「バブル世代」ですね。
あの頃は、どこの銀行も毎年1000人規模で採用していましたね。
そのバブル世代が大量に残っていることを意味します。

私もバブルの「時代の生き証人」なので、もう時効でしょうから
何でも書きましょうか。

平成2、3年の頃、野村證券のリクルーターをやらされましたね。
「早稲田大学卒で○百人取れ!」
みたいな号令のもと早稲田出身者が駆り出されて
毎日昼と夜に学生に会いましたね。
「ノルマ證券らしくリクルートにもノルマですからね・・・」(内緒)


みずほ銀行の前身に「日本興業銀行」がありましたね。
あの頃の人気ナンバーワンはその興銀でしたからね。
「興銀志望者をどうやって野村證券に入れるか」
秘伝の策もあったのですね・・・・。
経費使い放題でそれはそれで楽しかったのですけどね・・・(これも内緒)

リクルーターをやらせてもらった関係で、
当時入社した方にもいまだにお付き合いしてますよ。
確かに「バブル世代」は人数多いから競争も大変なんだそうです・・・。

しかし当時運よく興銀に入行しても、いまはみずほ銀行で
生き残りで必死なようです。

「銀行員としてどんなに成功しても、支店長に就く50歳頃と
なると銀行員としての終末期を迎えることになる・・・・」

まあそうなのでしょうね。
以前は、クレジット会社、システム開発会社、事務受託会社などなど
銀行には多くの子会社を抱えていましたからね。

つまり、「以前はセカンドキャリアとしての受け皿が用意されていた・・・」
しかし、今はもう諸先輩がそのポストを占めているので
まったく空きがないそうです。

 

また取引先への出向などの「天下り」は時代と共に
減ってしまったそうです。
受け手となる中小企業もそんなに余裕もないことに加え、
またその「天下り」をそれほど期待していないことも
その理由なようです。


まさに、「みずほ銀行員はどう生きるか」 なのですね・・・。




その3 半沢直樹にあこがれて・・・




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銀行のバブル入社組と聞いて、すぐこの物語を
思い出しましたね。

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ご存知半沢直樹ですね。
数年前のドラマでは、50歳を前に同期の行員が取引先の
「タミヤ電気」に出向していましたね。
主人公の半沢直樹が、そのタミヤ電気とともに同期の出向者を
助けるという筋書きでしたが、もうこういうことはなくなるのでしょうね。

半沢直樹のようなバンカーはもう出てこないのでしょうか?
みずほ銀行はじめ、三井や三菱の銀行員が
今後大量に出向や転籍、退職してくるのでしょうね。
元バンカーとしてのプライド賭けて
タミヤ電気みたいな中小企業をぜひ助けてほしいものです。

50代のバブル組は良いとして、先日のみずほ銀行の
年齢構成をもう一度みてください。
大量にいる50台前後のバブル組のあと、
「就職氷河期世代」の40台前後、
そして2006年以降にメガバンクが公的資金を返済し終わったあと、
大量採用した30代前後がいるのですね。
女子の大量採用や、産休制度などが確立し、毎年1000人規模で
拡大したというのですね。
この年齢層の世代が気になりますね。

今後10年かけてメガバンクは、配置転換等で
業務の見直しするそうです。
昨年11月に各メガバンクが打ち出した戦略、
三菱UFJは「事業改革」、三井住友は「業務改革」、
みずほは「構造改革」と呼ぶそうです。

呼び方なんてどうでもいいですが、要するに、

「デジタライゼーションの活用によって業務上の効率化を
実現し、リテール業務分野を中心に人員圧縮を進めて
スリム化を図る」

ということなんだそうです。
ここでもITの力を頼っていくのでしょうね。
ただ、リテール分野(つまり個人相手の業務)をやらなくなるというのではなく、
個人なら富裕層に特化していく戦略らしいです。

お分かりになりましたか?
もっと分かりやすくいうと銀行で
「引出し、振込はネットでやってもらって、金持ちでない方は
イチイチ銀行の窓口にはこないでほしい」
ということなのでしょうね。
個人相手の支店業務を中心に行員を大幅にリストラする戦略なのです。

冒頭にご紹介した三井住友銀行の中野坂上支店の戦略なのですね。
わざと11階に支店を設けて個人が行きにくくする戦略なのです。




その4 銀行から大量人財流出か?


銀行についていろいろ書きたいことはありますが、
月末ですし、そろそろまとめましょう。

結局この本は、

「これからの銀行員や銀行そのものはどうなるのか?」

そういうことを考えるきっかけになる本ですね。

もっというと金融庁長官が「これからこうします!」という訳でなく
なんとなく「こうなるだろう」と憶測で書いている本ですね。


後半に書かれているように、日本の金融機関が
欧米のように変化していくのでしょうか?
このあたりは多少疑問にも思います。

フィンテック(金融とITの融合)という言葉が
やたら登場してきますが、日本ではまだまだのように感じます。

ただ欧米では
「金融サービスは必要であるが、銀行は必ずしも必要でない。」
という「Bank to Banking」というように言われ出しているらしいです。

2010年位からこのフィンテックということが言われ出したのですが
日本では2014年くらいからとまだまだ最近のことです。

ただあと数年で、銀行の融資審査が、決算書などのスコアリングシートから
AIで自動判定されるようになるのでしょうね。
資金決済のビックデータから、公共料金の滞納などを瞬時に見つけて
それを即融資判断する・・・。

銀行マンの長年の感などまったく無視する融資姿勢に
なるのではないでしょうか。

もし半沢直樹のテレビドラマ見て、バンカーにあこがれて入行した
メガバンクの20代、30代の若手行員はどう思っているのでしょうかね。

「潰れかかった中小企業を助け、活路を見出し、成長させる・・・」

半沢直樹は実にカッコ良かったですね。
上司はあの半沢直樹のような人を想像していたのに
実は上司はAIそのものだった・・・・。
きっと失望してしまうのでしょうね。

メガバンクはここ10年で大幅な配置換えをしていくらしいです。
業務の大半がシステム化されどんな仕事が残るのでしょうか・・・。


半沢直樹のようなバンカーにあこがれて入社した若手社員が、
辞めていってしまわないか不安ですね。
それでも前向きに考えると、銀行から大量の若手が流出し、
それが中小企業活性化の起爆剤になるのも望ましいかもしれませんね。


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最近よくみる宣伝ですね。
20代、30代の若手バンカーも必死になって
次のステップアップを考えているのかもしれません。


中小企業の経営者にとっては人材確保の大チャンスが到来しますよ・・・。


 

(ガンバレ 若手バンカーシリーズ おしまい)



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