その1  ローソン経営術のススメ


話題の本です。

梨

ところで先日友人から
「吉田さんのブログは読書感想文みたいですね。」
と言われてしまいました。


まあ、否定はしませんが、ブログに「定石」はないのでしょう。
好きに書かせてください。
また、「読書は経営に役立つか」というツマラナイ議論もあるみたいですが
役立つかどうかは本人次第ではないでしょうか。
私はこう思います。
「本を読まない人はサルである!」(成毛真)


さて、ローソンのお話に入る前に、
数年前、私の自宅と事務所と間に、ある日「ナチュラル・ローソン」が
できました。
「ナチュラル・ローソン」をご存知でしょうか。
焼きたてパンも提供する、健康志向のコンビニです。
「これは実に便利なものができた!」
と喜んでいたところ、実はその後半年で閉店になりました。
せっかく作ってあった、パン焼き器も全部取り払われて、全面改装して
「ローソンストア100」に生まれ変わりました。
これは驚きでしたね。


あまり人が入っていないのかなと思っていたら、急な撤退です。
この意思決定の速さはこの本を読んでようやく納得できました。
一般の中小企業では到底真似できないのでしょうね。
ローソン一流のマーケティング手法です。


ローソンの社長新波剛史氏は最近有名になりましたね。
名経営者の候補生なのでしょうか。
「どんな経営をしているのだろう?」
これも興味がありました。


また「アエラ」を毎週読んでいるのですが、彼のビジネス元気塾での
明快な文章も、大変好感を持っていたところでした。


ローソンという組織を勉強することで、また「経営に役立つ」と
私はお勧めしておきます・・・。






その2  教育は共育  

今から10年前の2000年7月にローソンは、新規上場に伴い
公募増資を行いました。
その時の公募の値段は7200円。なぜかよく覚えています。
実はその頃から注目していたのですね。
でもその新規上場の実態はどうだったのか?


ダイエーの中内帝国が崩壊したのはその直後のことです。
そんなゴタゴタのあと、2002年に新波社長は三菱商事から
送り込まれます。
若干43歳のときです。
砂漠で梨どころか「火中の栗を拾う」ようなものだった
と私は思います。
せっかく「天下の」三菱商事に勤めていたのに、
しかもハーバードの留学経験もあるエリート商社マンの地位を
捨ててまで
「ガタガタの」この企業を立て直していきます。
まさにベンチャースピリッツですね。
そのあたり爽快感を味わえます。


40そこそこの年齢で巨大企業の舵取りがうまくできるのか?
それは社内どころか回りも見ていたのでしょう。
でもそれを見事にこなして行ったようです。


それがうまくできた理由として
三菱商事という「人づくり」のノウハウによるものだと感じます。
新波社長は30台で、給食会社の社長に出向した経験があります。
そのときもかなり苦労したものの、最後は売上を
なんと10倍にまで拡大したそうです。


やはりそういう経験がものをいっているのでしょうね。
給食会社での苦労が、その後ローソンの「おにぎり革命」に
生きてきます。
また三菱商事での経験や人脈を生かし、
食材の調達に商社ノウハウを取り入れて生きます。


新波社長は

「教育は共育」

といっています。
これはいい言葉ですね。


この8年間でまさに新波社長も育ってきたのでしょう。
自ら学ぶ姿勢を新入社員の時代から培ってきたそうです。
20代の頃から、社内外の勉強会に顔を出して、
中内功主催の勉強会が縁でローソンの経営に
関わってきたのも事実だそうです。


経営の羅針盤が間違った方向に行かないように
常にトップ自ら勉強し続ける。
もうこれだけで脱帽です・・・。





その3  ローソンの変革

題名のとおり、新波社長になってから間違いなくローソンは
「変革」したと思います。
コンビニに新しい風を吹き込んでいます。

プレミアムロールケーキ.jpg

写真は今ローソンで人気商品「プレミアムロールケーキ」です。
値段は税込み150円!
安くて実に美味しそうですね!


現在ローソンは、他のコンビにとの差別化戦略として
「ウチカフェ スイーツ」をやっているのご存知ですか。
ローソン行くと、ケーキの種類が豊富なのに驚きます。
しかも、せいぜい200円くらいの手頃な価格のスイーツが並んでいます。
「コンビニのケーキなんて・・・」
という方がいらしたら、一度騙されたと思って買って食べてみてください。
コンビニも進化していることに驚くはずです。
弁当やおにぎりの工夫しているくらいは想像できますが
すべてにおいて日々、「命がけで」研究されているようです。


当事務所も駅前にありますので、パン屋やケーキ屋もあります。
でもあのコンビニが
パン屋以上に美味しいパンを安く提供していたら・・・
ケーキ屋以上に美味しいケーキを安く提供していたら・・・
本当にどうなるでしょう。
普通のパン屋もケーキ屋も弁当屋も太刀打ちできないでしょうね。


それとローソンの秘密をこの本で知ったのですが
ローソンの会員カード、ローソンパス(現在はローソンPontaカード)が
マーケティング戦略を担っているということです。
お客さんの購入品目や購入時期、買い合わせなど
詳細な情報がデータベース化され、
それを仕入や商品開発に役立てているそうです。
POSレジですからある程度そういうことをやっているとは想像つきますが
それをさらに進化させて2009年から「PRISU(プリズム)」という
新しい発注システムもスタートさせたそうです。


セブンイレブンにも「ナナコカード」ってあるのご存知ですか。
ナナコカードなんて持っている税理士は私くらいでしょうかね。
あれもきっとこのように使われているのでしょうね。
恐るべし!コンビニ業界です。


駅前だからということだけで、何も考えず、パン屋、ケーキ屋、弁当屋を
始めようなんて安易に思っている方には
とても想像できないことでしょうね。
コンビニが何を考えているか知ることも
やはりこれからの経営に間違いなく役立つはずです・・・。




その4  街のホットステーション

まだまだ続くローソン・ネタ。
コンビニから見る日本経済予測・・・。


昨年流行った言葉で、「PB(プライベートブランド)」がありますね。
メーカー製の商品と同等の品質で簡素なパッケージだけど2、3割も安いPB。
イオンの「トップバリュ」、セブンの「セブンプレミアム」・・・
このデフレ経済に、「安さ」で売れに売れました。


ローソンは、別路線で「ローソンストア100」という100円ショップで
対抗しています。
低迷続く日本経済です。この路線でしばらく躍進していくのでしょう。


一方、そのあおりを受けてか、一般商店街は大打撃を受けています・・・。
「商店街の没落」ということが言われて久しいですね。
「や」の付く商売、「八百屋」、「魚屋」、「肉屋」・・・急激に減ってきています。
夕方に買い物かごを持って商店街で買い物する奥様達は
いったいどこへ行ってしまったのでしょうか・・・。


かつての商店街にビルが建ち、マンションに変わり、
一方不動産会社は駅前の商店を地上げして、高層マンションを立てるのに
躍起です。
駅前の古くからの商店街がなくなり、マンションが建ち、その1階に
コンビニが入る・・・。これも当たり前の時代の流れなのでしょうかね。


でも、コンビニのターゲットは「や」のつく商売だけでないですね。
カメラの現像やクリーニングなんて当たり前に始めていますし、
「FF(ファーストフード)」もこれからの柱とするそうです。
またローソンはマツモトキヨシとも提携しました。
ローソンに郵便ポストがあるのご存知ですか?


「イノベーション」を標語として、新波社長はさまざまな業種業態に
チャレンジしていくのでしょうね。
「トライ&エラー」で大資本をバックに、さらには情報処理を武器に
あらゆることに進出してくるのでしょう。


「街のホット・ステーション」
というローソンのキャッチコピーがあります。
これではコンビニの中に、かつての商店街を作ってしまおうと
しているのだと、私は本当に思っています・・・。




その5  ここでもイノベーション

ローソンシリーズの最後に「イノベーション」のことをもっと掘り下げて
申しあげておこうと思います。


この「イノベーション」というのは、成長企業のキーワードですね。
ドラッガーも何度も言っています。


「イノベーションとは新しい満足を生み出すことである・・・。」


ローソンの新波社長もこのキーワードを好み、
常にイノベーションしているようです。
おにぎり革命や生鮮コンビニなどなど・・・。
ライバル企業セブンイレブンに追いつき、追い越すには、
既存の発想ではダメなのでしょうね。


数年後にはコンビニが、また新たな業態に変わるかもしれません。
昨日申し上げた、「郵便局にコンビニ」という発想は
ものすごい斬新なことだと感じませんか。


例えば、コンビニで今や納税ができるのなら、コンビニでいずれ確定申告が
できるようになったら面白いですね。
自宅のパソコンで申告ができる時代です。
技術的には簡単なのでしょうね。


海の向こうの米国では、確定申告の時期にコンビニで当たり前のように
申告ソフトが売られているのです。
それを買った人がその場で、申告できたらこれも便利ではないですか。
そのソフトの使い方や、さらには、コンビニで記帳指導が受けられる。
さらには税務相談もできる・・・。
そんなサービスがあるコンビニ・・・。
電子申告がより普及し、国税庁が泣いて喜びますよ。
しかし、こんな「バカなこと」はまだ誰も言っていないですが・・・。


でも新波社長は郵便局内にローソンを出店させた方です。
コンビニ内にポストができて、郵便サービスが受けられますね。
ということは郵便という公の機能自体が、コンビニに解放されたと
思いませんか?


これはコンビニによって大打撃を受けつつある『や』のつく商売を
決して対岸の火事だと思ってはいけませんね。


「砂漠に梨を作ってやろう!」と考えてくるくらいの企業です。

「温室で楽をして生産性のない企業」は間違いなく滅んでしまいますね。


とにかく世の中常に
「イノベーション」です!

(ローソン・シリーズおしまい)

 

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