その1 日経平均高値更新!
日経平均が最高値を更新しそうですね。
忘れもしない1989年12月29日。
3万8915円87銭!
史上最高値をつけましたね。
バブル絶頂期。
私もその当時、某野村證券にいましたから、
まさにバブルの生き証人なのですね。
でもその後大暴落。
バブルが崩壊して、株価も不動産価格も大下落。
自己破産した方が続出しました。
その後税理士となっても、あの当時に買った
「変額保険」
でどれくらいの方々が苦しめられたか。
まさに「失われた30年」の到来でした・・・。
年初から「新ニーサ」など聞かれることが
多くなりました。
でもこのブログでも取り上げない理由が
この本に書いてあります。
「暴落ドミノ」という非常にキツイ言葉ですが
当たってほしくないのですが、結構まともな
ことが書かれています。
30年前のことは皆忘れてしまったかもしれませんが
16年前の2008年。
リーマンショックもありましたよね。
あの時でさえ日経平均が
11600円から7000円まで下げたのですね。
暴落幅は40%です。
これからNISAなんて初めて良いものでしょうか。
著者の澤上氏は
「新NISAなどは暴落してから始めてよい」
と言っています。
そうかもしれませんね。
今新NISAを始めている若者は、
30年前のバブル崩壊も知らない、
それこそ16年前のリーマンショックも
知らない世代なのですね。
相場の世界から足を洗って30年以上も経つ
元証券マンとしてもこれは警鐘を鳴らさなければ
ならないことなのでしょう。
このブログでもたまに書きますが
もっと前で恐縮です。
入社して4年目の1987年10月19日の
「ブラックマンデー」
が一生忘れられない出来事なのです。
野村證券本社のディーリングルームにいた私は、
株価のボードがすべて緑色になった光景が
いまだに目に焼き付いています。
株価のボードは上がると赤、下がると緑だからですね。
「オール・グーン」
の大暴落・・・。
いつおきてもおかしくないと本当に思います。
その2 新NISAはどうする?
ここでお断りしておきますが、
やはり相場の世界ですので、
「いまは相場は天井です」
とか逆に
「まだまだ上がります」
断定的なことは言えないでしょう。
初めて書きますが、澤上氏は個人的には私が、
某野村證券にいることから存じ上げていました。
私の上司に、澤上氏を信奉する熱心な信者が
いたからです。
間違いなく日本で指折りのファンドマネージャー
なのでしょう。
だからと言って
「さわかみファンドで資産形成しましょう」
とまでは書きません。
私も経済学者でもないので、この本の指摘するような
大暴落につながるような状況にあるかどうかさえ
検証もできません。
でも澤上氏の指摘することはある程度正しいのでは
と思っております。
これが新NISAです。
毎日のようにテレビで取り上げられているので
ご存じでしょう。
新NISAを薦めているのは、リーマンショックも知らない
金融機関に勤めている若手社員です。
暴落の恐怖体験さえ味わったことが
ないのです。
(金融庁サイトより)
新NISAで何が問題かというと、
「一人一口座」です。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を
別々の金融機関で利用することはできないのです。
ですので、各金融機関の若手行員は
この新NISA口座の開設競争をしているのです。
「お得です。非課税です。」
「長期分散投資だから安全です。」
素人のようなセールストークで・・・。
銀行の行員は「口座獲得のノルマ」に追われ
今の相場の状況や将来のことまで考えては
いないのでしょう。
私自身感じていましたが、
「証券会社で顧客の損益まで管理していたら
すべての社員がうつになる」
本当にそうもいます。
ある意味、相場の世界だと割り切らないと
証券ビジネスはできないのです。
澤上氏もそのあたりかなり冷静に書いていました。
「投資家顧客との間では、長いお付き合いができるか
どうかの信頼関係は二の次だ。
それより、儲けてもらえば商売は続く。
損させたら別の客にアタックすればいいと、
きわめてドライである。」
その3 この時期に投資信託の設とは?
「日本の投信会社の大半が証券会社や
銀行の子会社である。
それで、どの投信会社も親会社の金融ビジネスに
良かれと、販売手数料をしっかり稼げる方向で
経営に終始している。」
なかなかこれは強烈な批判ですね。
銀行や証券会社に行って
「新NISA」を勧められた場合は
多くの投資信託は系列の会社の商品なのです。
「この投資テーマは人気化しているから、
株価上昇はまだまだ続きますよ。」
よくあるセールストークでしょう。
今だったら、「SDGs」とか{AI}、「半導体」
などでしょうね・・・。
これまさに証券ビジネスの実態ですね。
私も某野村證券にいたときは
「毎月5000万円がノルマ」でした・・・。
本当にこのノルマをこなしていました。
今と経済事情も物価も違うでしょうけど
なかなか優秀なセールスマンだったでしょ・・・。
でも
「その成果が、日本では6000本を超える
投信ファンドとなっている」
そうです。
上場企業の数3800社を超えますね・・・。
「大量設定、大量解約、野垂れ死にの山」
これキビシイ表現ですね。
大量に設定され、結局困ったセールスマンが
過去の投資信託を解約させて、新しい投資信託を
買わせるのですね。
「こっちのテーマより、今なら半導体でしょう・・・」
というもっともらしいセールストークで。
これを業界用語で「投信の乗換え勧誘」というのですね。
まあこれはいいでしょう。
しかし、多くの投資信託が2008年のリーマンショック
以降のものですね。
「新NISA」販売で熱心なセールスマンは
投資実績を見せる訳です。
そうすると結構な利回りになっているはずです。
アップした図は、先日日経新聞から見つけたチャート。
これから見れば誰でも儲かったはずですから・・・。
その4 相場の神様の指摘
このブログ書きながらも日経平均の高値は
更新していますね。
本当に「暴落ドミノ」は起きないのだろうか?
この著者のいう通りにならなければいいですね。
これ以上勝手なことは書けないので
あとは本書をお読みください。
どう判断されるかは自由です。
何度も書きますが、私としては澤上氏の言うことも
もっともだと感じています。
最後に澤上氏以上に、世界中でもっとも偉大な
「相場の神様」
ウォーレン・バフェット氏が先日
「株主への手紙」を公表しましたね。
「米国の株式相場の高騰は『カジノ的』と警鐘を
慣らした」
そうです。
バフェット氏が初めて株を買った1942年は
ダウ工業株平均は100ドルだったそうです。
それが今では3万9000ドルですからね。
390倍です。
それ聞いただけで巨万の富が築けたと思いませんか?
390倍になった資産家は少ないでしょうけど
アメリカでは10倍くらいになった投資家は
多いみたいですね。
どうしてか分かりますか?
アメリカは30年間で何と!14倍にもなったのです。
これ聞いただけですごいと思いませんか。
アメリカで投資熱が高いのはそれきいただけれ
お分かりになるでしょう。
ちょうど日本が3万9000円ですから
何となく高騰しているがそっくりですね。
でも悲しいかな日本ではそんな大もうけした株主は
いなかったのですね。
日本の30年間の株価推移。
30年かけてようやくもとに戻ったのですね
私が某野村證券を1992年。
素晴らしい相場観だったと言えますね・・・。
まあ「営業成績が悪い」証券マンの言うことに
信憑性がないでしょうか。
30年前のあの頃も
「まだ上がります!日経平均は10万円までいきます!」
「今が買い場です!」
「正直税理士」となった今。もう「ウソはつけません」
暴落ドミノが起きませんように・・・。
(日経平均最高値シリーズ おしまい)