その1 ついに初フルマラソン


初チャレンジやってきました。
参加したマラソン大会は
館山若潮マラソン!

スタート前

房総の館山は、東京から高速がつながったせいで以外に近いのですね。
アクアラインを使うと2時間かからない距離です。

2日前から「アンパン4個」と「おにぎり4個」を
毎日通常の食事以外にせっせと食べて準備です。
それほど緊張はしませんでしたね。
逆にワクワクするような気持ち。
喩えれば、小学校の時の「遠足の前夜の気持ち」。
そんな気持ち、思い出せば、分かりますよね。
カバンに持っていくものを何度も出し入れしたし、
「アレもコレも」
と入れていくたびに楽しさが。
この年であの気持ちが蘇っていくとは・・・。


ただ朝10時スタートですので、日帰りも可能なのですが
マラソン・ビギナーとしては謙虚に前泊しました。
午後の3時から前日受付に、「ヤル気十分で」並んで受付。
勇んで駆けつけたものの、でも私よりもっとヤル気十分の
「オッサン・ランナー」で長蛇の列。


そのあと車でコースの下見。
ビギナーらしく用意周到ですね。
館山若潮マラソンは後半にアップダウンのきつい難所があり、
比較的難易度の高いコースなのです。
ご紹介したとおりマラソンでは「30キロの壁」があります。
このコースには30キロ地点に急な坂があり、まさにそこが「壁」なのです。
ビギナーとしてはそこが関門なのだそうです。

そこを車で走ってみました。
正直「帰ろうか・・・」と思ったくらい。
でも結果的には見ておいて良かったですが・・・。


宿泊先は、学生時代の知人宅にお世話になりました。
前日は「酒を飲まないぞ!」
という堅い決意でいったつもりが、バスケットボールで
同じ釜の飯を食った仲です。昔話に花が咲き
ついついビールが日本酒になり・・・。
これはこれで楽しかったのですが。

でも「サッカーの決勝戦は見ないぞ!」
という固い決意もかえって酒を飲んだせいで良かったですね。
おかげで11時過ぎにはいい気持ちで床につき、
「サッカーも見ず」ぐっすり眠れました。


さあ!決戦当日。もう6時には目が覚め、軽いウォーミングアップのあと
勇んで会場に向かいました・・・。
写真は「ヤル気マンマン」のスタート前の私です。
この時点では実に元気でした・・・。



その2 ついにスタート

さあ!ついにスタートです。
このスタートの瞬間の緊張感は私は好きですね。


参加者なんと9500人!
前回7000人だから3割増しの大混雑です。

スタート直後

スタート直後の写真です。
まだまだ余裕ですね。この混雑振りがわかるでしょうか。
スタートしてしばらくはこの団子状態で走ります。
キロ表示がないのでペースがまったくつかめません。
いつもより遅いペースで若干あせります。

でもそんな気持ちも海岸線を走るコースに出たとたん忘れました。
コバルトブルーの海に遠くに富士山が見えます。
すばらしい景色です。
見とれながら走るのは実に楽しいですね。


5キロ通過。
ラップは33分。
ということはキロ6分30秒です。
いつもハーフは2時間10分くらいのキロ6分ペース。
いつもより遅いのですが、何せ団子レースですから
これ以上ペースをあげるのも大変です。
「こんなものか」
初フルマラソンですので、慎重なペース展開。
無理しないペースなので楽に走れます。


8キロ地点で5時間のペースメーカーに会いました。
この大会は、ゴールタイムの30分ごとのペースメーカーが
走るのです。それについていけばそのタイムでゴールできるので
初心者としてはかなりの目安になります。
1分くらい並んで走ってから一気に抜きました。

ここで結構考えたのですね。
5時間のペーサーについていこうか悩みました。
ただ5時間というとキロ7分ペースです。
「ちょっと遅いかな。」
「いけるところまでこのキロ6分30秒で行ってみよう!」
そんな感じでした。


10キロ通過。
ラップは1時間5分。

20キロ通過。
ラップは2時間15分。
ペース的にはいいのではないかと思いましたが
このあたりで目標タイムの4時間30分はあきらめ
とにかく5時間を切ろう!そう思っていました。

でもこのときの景色は本当にすばらしかった。
綺麗なリゾート地の中、太平洋を見ながら走るのです。
どこまでも青い海。
「これか!」
マラソンのすばらしさを実感したときでした・・・。




その3 ハーフ通過

ハーフ通過。
もう2時間20分です。
ペースが遅いせいか、このとき5時間も切れないのではと思いましたね。
しかも、これから私自身「前人未踏」の21キロ以上の走りです。


ただ、このころようやく「フルマラソンの走り方」を気づき出しました。
皆本当に「もくもくと」走るのですね。
ハーフだと抜きつ、抜かれつ、結構忙しないですが、
フルマラソンだと、本当に皆淡々と走ります。

またエイド(給水所)もありがたく、うれしいのですね。
バナナやパンがものすごく美味しかった。

コース図


コース図分かるでしょうか。
館山駅の北側、海岸の公園から走り、ずっと綺麗な海岸線を
走ります。
素晴らしい景色を眺めながらまさに淡々と。
南房パラダイスの公園や館山カントリーなど美しいリゾートと
菜の花が咲くフラワーライン。走っていて楽しい。


23キロくらいから山道に入ります。
いよいよ難所の突入です。
ダラダラとした上り坂。
もうめげそうになるくらい。立ち止まっている人も何人も見ました。


ここで感動したお話を。
ちょうど特養ホームの前に通りかかった時でした。
一人のおばあさんがむいたオレンジを
ランナーに一生懸命に配っていました。
もちろんボランティアでしょう。

その手の温もりを感じるようなオレンジをほお張った時、
なぜか底知れぬ力が沸いてきたような気がしました。
「こうやって寒い中応援してくれている人がいるのか・・・。」

そのおばあさんだけでなく、アメを配っている人や
レモンをくれる人まで沿道にたくさんいました。

こうやってボランティアの人や地元の人たちが
大会を盛り上げているのでしょう。
「いいマラソン大会だな」と走りながら、
しみじみ思いました・・・。




その4 30キロの壁

館山若潮マラソン エイド.JPG

写真は山道に入る前のエイドで
バナナを食べて元気になっている私です。
バナナを握り締めた表情からまだまだ元気そうですね。

エイドや沿道の声援に助けられて、一気に難所に向かいます。
アップダウンのきつい中、太平洋の大海原が見えました。
遠く富士山や伊豆諸島も見えます。
すばらしい景色です。ホノルルマラソンにも匹敵するくらい
(もちろん参加したことないですが)
本当に素晴らしいロケーション。


見とれながら走っているとついに難所到着。
30キロ地点です!
ここで標高差40メートルの急坂を登ります。
ゆっくりですが「絶対歩かないぞ!」という気合です。
手元のマラソンウオッチを見たら、キロ8分の遅いペースでした。
確かにここが一番苦しかったですが、これを乗り越えた後が
楽しかった。


一気に下り坂を駆け下ります。
不思議と足もどこも痛くもない。
自慢ではないですが100人くらい抜いたと思います。
この難所で苦労して歩いている人、立ち止まっている人も
いましたが、自分としてはそれほどダメージなかったのですね。

「30キロの壁」を自ら打ち破った瞬間でした。
「マラソンって楽しいな・・」
駆け下りるとき心底思いました。


山道を下りるとまた海岸線に戻りました。
33キロ地点。
タイムは3時間45分。
山道でずいぶんタイムロスしたみたいでしたが
「残り9キロだと1時間もあれば到達できるのではないか。」
そんな楽観的な気持ちでした。
初マラソンなのだからとにかく5時間以内に・・・。
もう必死でした。


残り8キロ・・・
残り6キロ・・・
ひたすら走りました。
この頃から充実感で胸が一杯になっていました。


「フルマラソン完走だ!5時間切りだ!」
本当に感動はハーフの完走とは比べ物ならないですね。
残り4キロ・・・
残り2キロ・・・
ようやくゴールが見えました。


思わずバンザイで感動のゴール。
タイムは4時間56分20秒!




その5  感動のゴール 

ダッペ


(館山若潮マラソンのマスコットキャラクターのダッペエと)


タイム4時間56分はグロスタイムなのですね。
つまりスタートの号砲から私がゴールしたときまで。
実際には参加者が多いため私がスタート地点を通過したのが
4分くらいあと。
手元の時計では4時間52分くらいでした。これがネットタイム。


・・・まあ細かいことはよいとして、とにかく初のフルマラソンで
5時間を切って完走したのですからよしとしましょう。


ゴールした後、ランナーに振舞われたトン汁が実にうまかった。
そのあと温泉に立ち寄って極楽タイム。
疲れた身体を温泉で癒し、充実感で本当に胸が一杯でした・・・。


最後に「42.195キロの向こうに何が見えたか」を解説しておきましょう。

見えたものは
「感動」と「自信」
でしたね。
まずこんな達成感はなかなか味わえないということですね。
忘れていたものを思い出したような。


それと、この歳でこの長距離を歩かず走りきれたことは
ものすごい自信になりましたね。
気がついたのは前半が2時間19分で後半が2時間32分。
ということはあまり後半でそれほどペースが落ちなかったのですね。
後半のアップダウンを割り引けば、逆にペースが上がったくらい。
もっと走れそうな気がしてきました。
今度走れば4時間30分は切れそうですね。


あと「どうしてそんなマラソンなんて苦しいことやるのですか?」
とよく聞かれることにもお答えしておきましょう。

1年前はマラソンを走る人に対して、自分でも確かにそう思っていました。
ただこれは自分でもうまく説明できないし、ブログでもうまく書けませんね。
これは走ってみないと分からないことなのでしょうね。

登山家に「どうして山に登るのですか?」という質問に対して
「そこに山があるから」という名言がありますね。
ということは、「どうしてマラソンするのですか?」と聞かれたら
「そこに道があるから・・・」

(ちょっとキザですかね・・・。)


その答えを知りたい人は走ってみませんか。
私ももっと走りたくなりました。
東京マラソンやホノルルマラソン。ゴールドコーストマラソンもいいですね。
夢がまた脹らみましたね。

とにかく来年も「館山若潮マラソン」は走りにいきますよ。
あのコバルトブルーの海をもう一度見たいから。

エイドの美味しいクリームパンをまた食べたいし、あのオレンジをくれたおばあさんに
また会いたいから・・・。



(感動の初フルマラソンシリーズおしまい)
皆様応援ありがとうございました。

Tateyamah23

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