その1 知名度が低い理由
 


星野珈琲


面白い本を見つけました。
まず「星乃珈琲店」というところをご存知でしょうか?


ホシノとつきますので、
「星野リゾートがやっているコーヒー店か?」
そう思ってしまいますが、実は全く違います。
全国で100店舗(今年4月現在)展開するコーヒーチェーンなのですね。
東京では現在は30店舗位あるそうなのですが、
すいません。まだ行ったことありません・・・。


運営している会社というと
「ドトール・日レスグループ」
ドトールということですぐ分かりますね。
あのドトールコーヒーなのですね。
「何だドトールコーヒーの新業態か・・・」
そう思うでしょうけど、
その「旗振り役」をやっているのが、
日本レストランシステムの会長である大林豁史(ひろふみ)氏。
ここで
「日本レストランシステム」ってご存知でしょうか?


これもすいません。
この本を読むまで知りませんでした。
カレーの「ボルツ」やパスタの「五右衛門」といったら
お分かりでしょうか。


実は知名度がないのは、一切CMなどの広告をしていないから・・・。
この大林氏の経営哲学からなのです。
これは勉強になりました。こぴっとご紹介していきましょう・・・。





その2 飲食業界で堂々第3位!

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飲食業界の全体図を俯瞰してみましょう。
これは勉強になりました。


2014年5月26日付の日経MJからの
DATAだそうです。
飲食業の経常利益ランキング上位10社です。
単位は百万円。


どれがどういうチェーンを経営しているかが
分かればかなりの飲食業界通です。
第1位はスタバです。


下の数字は前年度の伸び率。マックが急落したのが
分かりますね。
でも経常利益100億円を超えるのは2社しかいないのですね。


それで3位が、このドトール日レスホールディングス。
100億には届きませんが88億円。
これほどの企業グループなのですね。
あとついでにいうと4位のプレナスは「ほっともっと」
6位のゼンショーは「すき家」。マックに次ぐ下落率。
飲食業界はしのぎを削っているとご理解いただけると思います。


そのドトール日レスホールディングスは
星乃珈琲店を3年間で100店舗まで拡大しながら、
躍進しているのですね。
どうやってこんな厳しい飲食業界で伸びているか
知りたくなりますよね。


その陣頭指揮を執っているのが、大林豁史(ひろふみ)氏。
東京大学経済学部卒。
大卒後日興証券に勤めます。
何と私と同じ元証券マンでした!!





その3 トップの大林は元証券マン!



大林会長は1969年(昭和39年)東大卒業後
日興証券に入社します。
きっと東大卒の証券マンとして将来を期待されていたのでしょうね。
でもわずか4年で退職してしまうのですね。
私と同じで?証券会社に早く見切りをつけた方なのです。


でも私と違ったのは、その日興証券時代に次のステップを
考えていたのですね。
レストランジローの創業者と営業を通じ、仲良くなっていたのです。
20代で飲食業界に入っていきます。

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いろいろとこの本や、大林のほかの書籍(外食非常識経営論)も
勉強しましたが、
この方は飲食業の「時代の生き証人」なのですね。


カレーの「ボルツ」やパスタの「五右衛門」で当たったのは
事実ですが、なかなか苦労されていますね。
この大林氏を研究することで飲食業の成功ノウハウが
盗めるのではないでしょうか。


外食チェーンの歴史を学ぶことができますね。
事実この本で、どうやってこの「星乃珈琲店」が
誕生してきたかをリアルに学べます。
こうやって外食産業はやってくるのかと・・・。


脱サラして、「仕方なく」始めたような小さな喫茶店では
とても太刀打ちできません・・・。
これは正直に、また、本音で思いました・・・。





その4 20世型ブランドの終焉



この本で著者が一番言いたいことをご紹介しましょう。


「20世紀になってすでに13年が過ぎた今、
20世紀型のブランドの時代は賞味期限が終わりつつある。」


これは外食産業に限ったことではないのでしょうけど、
20世紀で一世を風靡したチェーン店の創設者が
言っているからこそ、重む向きがあると感じるのです。


2007年に日本レストランとドトールコーヒーは
統合しました。
ドトールコーヒーこそ、まさに「20世紀型のブランド」ですね。
でも2008年にあの「リーマンショック」があって
大林会長が急きょ代表取締役にカムバックしました。


かつてのブランド力で生き残ろうとした、現経営陣に
我慢がならなかったのでしょう。
この「舵取り」こそが、まさに社長の役目なのでしたね。


それで21世紀型のブランド「星乃珈琲店」を作ろうとします。
これはなぜか?
このあたりこの本を読んで考えていただきたいところなのですが、
巻末に面白いことが書いてありました。
「ドトールコーヒーがなぜまずいのか?」
理由はコーヒー豆を商社を通じて輸入しているからなのですね。


それに気が付いた大林氏はキューバから直接買い付けます・・・。
これこそ「社長の仕事」・・・。





その5 21世紀型ブランドのためのキーワード




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(星乃珈琲店 阿佐ヶ谷店)



ではここで「21世紀型のブランド」とは
いったい何かということになりますね。


20世紀型の「安くてマズイ(失礼!)」ではドトールでは
「だめよ〜ダメダメ。」
なのです。(すいません。)



確かに、ここ数年の飲食業界は「安い」ことが
キーワードだったようです。


でも「安売り合戦は終焉をみた」と大林会長は見ているようです。
彼の分析では、1992年からのガストの低価格路線から始まり、
さらに、マックの安売りハンバーガーが、
この「デフレスパイラル」を招き、安売り合戦がスタートしました。


リーマンショック以降もこれが長引き、結局は業界全体として
「消耗戦」となり、飲食業界「冬の時代」が来てしまったのですね。
さらには昨今の「食品偽装問題」まで発展していってしまいます・・・。



ではその「21世紀型のブランド」のためのキーワード3つ。
これは勉強になりました。
ここは外してはならない3点なのでしょう。

これからの外食産業を占う3つのポイント

「少子化」
「高齢化」
「食の安全と安心」


何となく外食コンサルタントが、必ず言いそうなことでしょうけど
これは当たっているのでしょう。
ここからなぜ安売り合戦が終了したのか、
よくよく考えてみてください・・・。





その6 日レスが深夜営業をしていない理由



ではまず第一のポイント「少子化」


これは私が最近講演会で必ずいうネタですね。

特にこの少子化のもたらす功罪については私も力説していますね。


人口増加局面なら「衣食住」に関する産業ならまず

それほど努力しなくても「食いッパグレ」がありませんから・・・。

でも逆に人口減少では、

「そもそも小さくなっていくパイを大勢で取りあう」

のですからね。

 

ではこの大林社長は

「20世紀型の企業はよほど構造改革を行わないと

生き残れない」

こう手厳しいです。

 

飲食業界でよく言われる「人手不足」もこの「少子化」の影響です。

外食産業でアルバイトしていた人たちが消えているのです。

特に減少している青少年労働人口をコンビニと奪い合っている

のが実情なんだそうです。

 

ではそれに対して大林社長はどうしているのか?

これは参考になりましたが、日レスでは深夜営業は

一切していないのだそうです。

これは知りませんでした。

人手不足の問題も主婦パートを戦力化している

このあたり「なるほど!」と思いました・・・。



その7 生き残りのためのヒント




では日本という将来性のない小さなマーケットを捨てて、

海外へ発展することはどうか?

これには大林社長はバッサリと切り捨てています。

 

「外食産業というのはそもそもドメスティックな産業」

だからなんだそうです。

 

これも妙に納得しますね・・・。

 

もう一つのキーワード「高齢化」これも同じ観点ですね。

 

「子供のころからハンバーガーを育った世代は

大人になってもハンバーガーを食べ続ける」

この飲食業の「定説」を否定しています。

私のような世代がいわば「ハンバーガー世代」なのでしょうが、

最近では食べないですからね。

 

だからこそ大林社長は「ブランドスイッチ」が必要なのだと。

これも妙に納得しませんか?

 

では第三のキーワード

「食の安全と安心」

これは数年前の「食の偽装問題」で飲食業界は

窮地に追い込まれましたからね。

まあこれは当たり前すぎるポイントなんでしょう。

 

いろいろ語りたいことはありますが、

「大林研究」はいずれまた発表したいと思います。

 

(ガンバレ!21世紀型ブランドシリーズ おしまい)

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