その1 風鈴会にての公開対局


週末に囲碁のお楽しみの会がありました。
その懇親会で言われたこと。


「ブログよく見るのですが、いつもマラソンの話ばかりですね。」


そう初めて言われてしまって、ちょっと反省しました。
少しマラソンに力が入りすぎですね。
囲碁歴40年の自慢のお話をもっとアップしなければ
なりませんね。
マラソンでいえば、
「インターハイ選手で、かつサブスリー選手!?」なのですから・・・。


まず、私の所属している囲碁の会のことをご紹介しましょう。
もちろん、税理士会の囲碁部には入っているのですが、
アマの勉強会にも所属しているのです。
マラソンでいえば「走友会」みたいなものですね。


あまり教えたくないのですが、私が長年通っている会があります。
「風鈴会」といって、新宿の碁会所で、週末月に2回
(非公式をいれると3回)開催されています。

Huurinkai

 


主催は、鈴木伊佐男先生。日本棋院7段の本当のプロです。
写真(左側)の通りお若い、しかも見た目通り優しい先生です。
(隣は私の碁敵のT田さん、なかなか強い。
酒飲むともっと強くなる風鈴会のあぶさん)


毎回碁の愛好家が20、30人集まり、そのうち級位者や初心者の方もいますが、
強い人は県大会代表クラスまで。
最近は大学囲碁部で鳴らした猛者も結構います。


碁会の仕組みが面白いのです。
最初1時間30分ほど鈴木プロの講義のあと、実践です。
これも時計を使って持ち時間一人45分。
時間的にだいたい2局くらいしか打てないのですが、
時計を使って真剣に打つのは棋力向上には良いのですね。
しかも三連勝すると「昇段」するのですが、
逆に三局続けて負けると「降段」してしまう厳しいルール。
それだけ皆真剣に打っているみたいです。


この会にお世話になって10年近くになりますが、
おかげで少し強くなった気がしております。
(こんなこと書くとクレームがくるかな??)



実はその会が週末に行なわれ、イベントで
なんと私が公開対局を打つことになりました。
相手は、この風鈴会の師範代である中村欽也氏。
会では普段8段格。
かつて東京代表にもなったこともある(らしい)アマ強豪。
通常私は「2子」置く相手なのですが、(つまり2目の差)
でも4、5局に一回勝てるかどうかの手合い。
ということで「3子で6目の逆コミ」というハンデになりました。
公開対局なんて高校選手権の決勝戦以来ですか。
でも3子も置くのですから、もう負けられませんね。


日本棋院のサイトから、独自にソフトもダウンロードしましたので
今週は、囲碁のかなりマニアックなブログにしてみましょう!






その2 アマ強豪との3子局


1_5te



では最初のハイライト。
わずか6手目です。
左上の空き隅に白が小目に打って、黒は一間高がかり。
白はケイマに挟んで黒三々につける。
そのあと白は二間に開き、ここまではまさに最近の定石。


そこになんとつけたところ。
白が5手目までどうもスラスラと打ってくるので、
これは作戦だと気がつきました。


三子局の碁だから、空き隅が問題になるのですね。
白番としては、そこで星など平凡な手や、普通の定石を選択すると
やはり三目の置石のパワーが後々出てきます。
となると、白としては、この空き隅でなんとしても成果を出したいのです。


得意な定石や、研究済みの手を打って、
三目のハンデを二目半か二目まで縮めたいのですね。
これは逆に三目置かせたときに上手が考えることだから
容易に分かるのです。


そこで、この6手目▲の着手。
白は意外だったのでしょう。
会場からは「どよめき」が起こりました。
公開対局ともあって、多少「ショーマンシップ」があったことも
認めますが、こういうところが囲碁の醍醐味なのですね。
お分かりになりますか?


相手の意図を外す手を思い切って打つ。
囲碁の面白さをぜひご理解ください。


2_35made

 

34手目までのその後の別れです。(白Fは4の八)
打っているときは、「まあまあかな」とは思っていましたが
局後の検討では、黒34がヌルイと指摘されました。
左上隅の2の三で根拠をしっかりして生きているのが
良かったのですね。そうするとまだ左側の白に寄りつく
楽しみも残っていました。
検討ではここまでの変化が結構難しかったですね。
黒が白19と打ったところに突き当たる手があったかどうか?
手割でいうと黒12と白13の交換がよくないらしいし、
白も31の押し上げがちょっと良くなかったそう。


まあ、そのうちプロが、私の手をマネて正解図を
作ってくれるでしょう!?

3_35kara5te


その後左上にかかってきた白に黒❶、❸と押し上げ
先手を取って、❺


ここでも左上隅の2の三が良かったのかもしれません。
でもこの碁は一貫して、黒が左下の模様を大事にします。


打ちたいように打つ。
これがまさに囲碁の醍醐味なのですね・・・。





その3 上手の言うことを聞かない!?


さあ次のハイライト!

4_41made


再三黒は、左上の隅の黒を守らなかったものですから、
ついに白が△とハネてきました。


打たれてみると分かりますね。
黒の一段の根拠が完全に奪われています。
しかも、続けて3の二に下がっても黒の目がないのですね。
同時に、左辺の白のイキが確保されているのですね。
まさに急所の一手だったのです。


ここでハタと気が付いて、どうしようか迷いました。
頭に浮かんだのは、9の九と一間にトンで逃げる手ですね。
多分それが正解だったようです。
局後の検討でも上手の方々が皆言っていました。


でもこの碁は、方針として「左下の模様を大事にしよう」と
思って打っていたのですね。
そこでまた思い切って「手を抜いて」
下辺の星に打ちました。


5_41kara13te


当然、白は黒が打たなかったところへAとボウシ。
黒は❸とコスンで逃げればいいという考え。


黒は15手まででとりあえず左辺へ根拠らしきものをもって
逃げましたね。
打っているときは、これで十分とも思っていたのですが、
局後黒15は15の六に打てば、しっかり地も確保できたと
指摘されました。


しかし対局心理としては、右辺を囲っても三々がまだ残っているし、
何より、まだまだ不安定な中央の白にくらいついて、
左下の黒模様を大きくしたい考えだったのですね。
でも、この局面までで、黒も全体が安定して、いよいよ左下の黒模様が
どうなるかの場面ですね。


6



黒が右上を守らなかったものですから、右辺は破られました。
いよいよ左辺にDと手を付けてきました。


ここで迷いましたね。
黒は2の十一と左へ下がるか、4の十一と右につなぐかの選択です。


練習碁ならノータイムで左へ下がったと思うのですが、
白があまりにも「堂々と」打つものですから、
「読み切って打っているのか」とさえ思ってしまったのですね。


(これは局後相手はそれほど読んでいないかったと
コッソリ教えられました。
これこそが上手特有のハッタリなのですね。
下手は気を付けなければいけません・・・。)


ただ実際に下がると、それのアジで左下隅の三々あたりが
かなりイヤらしかったのですね。

7


結局❶とついでしまって、思いがけずコウ。
(Aは2の十一)
そこで白がGとコウ立てを打ちます。
ここでもまさにハイライトですね・・・。






その4 いよいよ勝負所


さあ!
白からコウに仕掛けられてまいりましたね。


この白からのコウ立てを一回キクとなると、
白からのコウ立ては、ここにいくらでもできてしまいます。
逆に黒からのコウ立ては、局面にほとんどないなのですね。


ここは気合いをこめて、「バシッ」とコウを解消しました!
ここでも場内に「どよめき」が起こりました。
「右上の隅の黒四目さえ死ななければいい」と・・・。


9


黒11までとなって、左上の大石とつながったのも大きい。


途中黒❺と白をへこましたのも気持ちよかった。
まだしっぽの4目は落ちる可能性はあるものの、
白の地はそれほど増えていないということですね。
ということは黒字が十数目減ったくらい。
これに対して黒の成果は左下にゆうに20目は下らない。


でも相手は百戦錬磨のアマチュアのトップ。
やはり「必殺手」が飛んできました。

10


左下の黒模様に殴り込みです。
こういうところがポイントなのですね。
アマの高段者はこういう仕掛けから、
勝負をひっくり返すワザをいくらでも
持っているのですね。


左下の星につけられた局面。
あなたならどう対処しますか?
「次の一手」に出てきそうな局面ですね。


ここは必死に考えました。
取りあえず選択肢は二つ。3の十七に隅から抑えるか、
5の17と右から抑えるか。


隅から抑える手は、どうも左辺を小さな地にされそうで
結局選択肢から外しました。
やはり敵の意図は、
「黒字を左側に押し込めて、下辺で白模様を作ること」
こう読んだのです。

11


そのあと11手まで。
どうです?
黒は最強にがんばった手を打ちました。
結構難しかったようですが、これが最強かつ最善だったみたいです。
局後このあといろいろ検討されましたが、
なかなか白も頑張れないようです。

14



それで白は右から@と当ててB、7の15(❹の上)にかけるくらい。
結局白は13までで、後手を引くことになり、
黒14とまた「パシッ!」


これも気持ちの良い手でした。
これも最善の手だったみたいです。
黒は勝利へと一歩近ずいたところ。



それでも、まだ分からないのが碁なのですね。
そこがまた碁の面白味でもありますが・・・。





その5 最後までなんとか・・・



最後のハイライトです。

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白は△と手を付けてきます。
実はこの石の狙いは左上の黒の大石。
上手は恐ろしいことも考えるのですね。

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局後の検討では、白@と打ちこんでアヤをつける手が
上手から披露されていました。
白15まで大事件です。(Dは15の十三)
さすがトップアマは違いますね。
実際白@と打ちこんで来たらどうするか必死に考えていたのですね。


「せっかく黒は右下の隅をしっかり守ったので
どうしても右辺を地にしないといけない・・。」


そう思っていたのですね。
これは反省点です。

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鈴木プロに指摘されたのですが、
「もし打ちこんできても相手にしないでしっかり守っておく。
それで、白を追い出しておいて、下辺にできそうな白模様を
消しておくだけで黒十分。」


これには感服しました。さすがプロの大局観ですね。

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実践に戻って黒34まで、最強手段で、白石を捕殺!します。
(黒8は17の十三、黒12は18の十三)
このあたりから「ドキドキ」ものでした。
持ち時間も無くなってきて心臓も「バクバク」。
「白石取ったド!!」そんな感じ。
でもまたこの雰囲気が、やったことがある方なら
分かりますね。まさに囲碁の醍醐味でもあるのですね。


右辺の白石に眼はありません。
白は強引に黒との攻め合いに持ち込みますが、
これも的確に応戦して、このあと数手打ってから
白の投了となりました!


では最後に総譜で。


Saisyuukyokumene



どうでしたか?
囲碁の醍醐味を味わっていただけましたか?
公開対局という緊張感も味わうことができたのと
こんなに気分のよい碁は久しぶりでしたね。
このあとの懇親会のビールはもちろん最高の味でした。


私と相手されたい方はいつでも「風鈴会」へお越しください。
いつでもお相手差し上げます。




(以上、自慢の碁シリーズ おしまい)

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