その1 名著「伝える力」の実践編




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たまには書評をアップしましょう。
池上彰さんの前作「伝える力」はご存知の通り、100万部を超える
大ベストセラーになりましたね。
これだけ売れた本からかもしれませんが、前回取り上げた時、
かなりの反響でした。

「吉田先生のブログ読んで買いました・・・」

と何人に言われたでしょうか・・・。
この本は実にいい本でしたね。私自身10回は読み返したと思います。
実は、私のブログもたまに読み返すのですね。こちら

文章作成術の基本がまとまっていますので
ぜひ前著もお読みください。


出版社側も100万部も売れたので、まさに「二匹目のどじょう」を
狙っているのも見え見えです。

前作は池上さんの記者時代から合わせ数十年もかかって大成された
まさに「池上ノウハウ」なのですが、今回はやはり「どじょう」狙いかもしれません。

原発の報道に始まり、まさに現総理の「どじょう」も登場してきます。
半分くらいは、ダブってしまうお話なのですが仕方がないでしょうか。


前作は池上さんも「こんなに売れるとは思わなかった。」と
正直に書いていますが、ブログで取り上げたとおり、
やはり中高校生など受験生が大量に買ったみたいですね。
事実、「伝える力」から、多くの入試問題として出題されたらしいです。

また入試問題として使ってほしいような、「例題」がかなり入っていますので
やはり受験生としては、必見の本なのでしょう。
まさに「どじょう作戦」ここにありとも私は思いますが・・・。


でもやはり「池上節」は読んでいて確かに分かりやすいし、
池上ファンとしてはやはり外せない本です。

「伝える力 実践編」です・・・。




その2 相手に話の地図を渡す


「相手に話の地図を渡す」


この本で繰り返し説明されていることです。
これは役に立つお話だと関心しました。

何かを相手に伝える際に、まず「全体像」を「渡す」ということなのです。
「地図」というのは実にうまい表現だと思うのですが、
まず相手に全体像を理解してもらって、個別の事柄についての関係も
分かってもらうために、まず「地図=関係図」を説明するのですね。

要するに、相手の頭の中に、登場する事柄の「関係図」を
まず作らせてしまうことなのですね。
それから説明すれば確かに分かりやすいのです。

池上氏がやっていた番組で「学べるニュース」がありましたが、
その番組でもまずこの「地図」を説明したのだそうです。

たとえば、大震災の際に、原発問題を取り上げた時、まず
「東京電力、官房長官、原子力安全保安院の立場や役割、関係」
から説明していく・・・。

「なるほどな」
と思いました。
これは使えるお話だと思いましたね。

難しいお話を説明しようとする際に、まず全体像を話す。
そして出てくる単語を分かりやすく説明し、その関係まで最初に解説する・・。


私の例でいえば、よく簿記講習の講師を頼まれるのですが、

「簿記一巡の流れを説明し、登場してくる単語もまず解説する。
それでその関係をよく理解してもらうこと」
それが「地図」かなと思うのです。

それから個別のことを解説していく・・・。


これはいろいろ応用もできますよね。
スピーチでも
「これから・・・ということを説明していきます。」
とまず全体像を話すのですね。

そうすると、相手も
「これから・・ということを話してくれるのだな」
と頭の中の「白紙の地図」に、自分で埋めていくことができますよね。
そうなると、理解度が違ってくるのでしょうね。


ただ、相手のレベルを見抜く力も必要ではないでしょうか。
最初にどこまで詳しく解説するか、その能力まで見極めることも。
池上氏も番組の本番中で、ある「おバカタレント」(失礼!)から

「鎖国って何ですか?」

と急に聞かれて困った話が出ていましたが、
そんなこともあるのですね・・・。




その3 池上流「実践編」


この本で一番言いたかったことは、昨日アップした
「相手に話の地図を渡す」
ということなのですが、あと役立ちそうなことをいくつかご紹介しましょう。


1.因数分解をして話す

昔、数学で因数分解ってやりましたね。覚えていますか?
3a+3b=3(a+b)
要するに、同じものでくくってしまうということ。
同じことをくどくど話さずに、まとめてしまってから話すのですね。


2.スピーチは具体的な話から始める

さすがにテレビ界の名MCですね。
専門用語でいうところの「つかみ」を非常に大事にされています。

人前で何かを話し出す時に、まず聞き手の注意を注がせことですね。
「今日は天気がいいですね。」など一般的なことから始めるのでなく、

「営業一課の前川課長から報告をえていますが・・・」

など皆が知っている具体的な名前などいれて注意をひくそうです。
「なるほど!」と思いますね。その「つかみ」の方法としてまた


3.社名や地名の由来で相手の心をつかむ

これも中小企業の社長さんなら使える手ですね。
社長さんにお会いしたら誰でも「その社名はどういう意味ですか?」
と聞きたくなりますからね。また会社名を覚えてもらうには一番良いやり方です。

実は私はワイズプランニングというコンサルタント会社を持っていますが、

「私のワイズプランニングという会社名は
ワイズの『賢いというWISE』の意味と、『Y`Sというあなた独自の』という、
二つの意味を込めて付けました・・・」

どうでしょうか・・・。


4.丸谷才一に学んだ「ね」

これは私がよく使う技ですからお分かりになります「ね」

 


最後に、この本を「ソニー・リーダー」からダウンロードして
読んでみました。
初のデジタル読書ですね。

何と言っても定価より安くダウンロードできます。
池上彰さんの分かりやすい文体のせいでしょうか。
あっさり読めてしまいますね。

ただ何度も読み返そうとする私の独自の読書法には合わないのかもしれません。
今まで書評に取り上げられた本は、たいていは3回から5回くらいは
読み直しているのですね。

ところどころラインマーカーをつけたり
あとは付箋を入れたりして・・・。
そんな読み方は、デジタル読書には難しいのですね。
一応「書き込み」などの機能はあるのですが、正直「カッタルイ」

ただ読み終わった本の置き場所に困らないのは最大のメリットですね。

いろいろメリット・デメリットありますが、とりあえず
「伝える力」、「伝える力2」をダウンロードして読まれることをお勧めしておきましょう。


(池上彰シリーズ おしまい)

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