その1 現役東大生が書いた本



東大




読書の秋ですね。
片っ端から、ジャンルを問わず、いろいろと読んでいます。

何と現役東大生が書いた本です。
何となく、「東大」につられて、いつものように「amazon衝動買い」を
したんですか、そのまま「積読」してありました。


私の世代は「東大神話」がまだ根強かったのです。
都立の進学校に進んだ私は、
「東大に行かないと幸せになれない」
そう指導する先生も多かったのですね。
漫画で「東大一直線」というのも流行りましたね。
あの頃、東大に合格するとフルネームで、
週刊紙に発表されていました・・・。

・・昔話は良いのですが、どうも世代的に「東大」に対して
ある意味「ゆがんだ」コンプレックスもあったのです。


衝動買いを後悔して「積読」してあった本なのですが、
いまだにランキング上位ですし、書評を読むと意外に評判が良いのです。
それで思い直して読んでみました・・・。

 



まず著者の経歴が面白い。
東京大学三年生であることは間違いないのですが、
歴代東大合格者ゼロの無名校のビリ(偏差値35)から
東大受験を決意。
2浪まででして東大を目指します。

この設定からして、もう
「ありえない」
お話なのですね。

ここで「読む力と地頭力を身につける読み方」を実践して
成績が急上昇。
東大模試全国4位となり、東大に無事に合格したそうです。

まあ、この本の「最大のウリ」がそこなのですね。

「ではその読書法は何?どうやって・・・?」

そう思って買ってしまう人が多くて
ベストセラーになっているようです。
受験生ならきっと買うでしょうね。

「東大生なのだから頭が良いのは決まっている。
地頭力がもともといいのだろ。」

そう思うかもしれませんが、
歴代東大合格者ゼロのビリ(偏差値35)から
地頭力をあげて東大に合格したのですからね。
これはかなり説得力ありますね。

以前「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に
現役合格した」という本(ビリギャル 角川書店)がありましたね。


まさに「ビリボーイ」(!?)の読書法の実践ノウハウ本です・・・。





その2 東大生の語る能動的な読み方


東大生のいうことを素直に聞いて真面目に読んでみました。
なかなか得るところも多いのですね。

「東大生は能動的な読書」

をしているのだそうです。


「能動的」とはどういうことなのでしょうか?


まず「読み始める前の準備」をするのですね。
大事なことは
「本の装丁を読み込む」


これは何となく分かりますね。
本を買う時に、まず一番最初に目につきますからね。
出版社側も「売らんかな」の商法で、あらゆる情報を
この装丁に盛り込んでいるはずだからですね。

要するに、この本の一番のウリが、装丁にはちりばめられて
いるからなのですね。
当然私なら、目次までざっと目を通し、内容を確認しますけどね。
さらに
「著者の名前をググって、どういう本を書いている人か」
を探るのだそうです。

このあたりは本を慎重に本を買う人ならやりそうですね。

 

ただその次が普通の人とは違うのですね。
さすが「東大生」ですね・・・。
得られた情報を
「付箋に書き留める」そうです。
つまり、書きとめることで仮説を立てていくのですが、
これは正直ちょっと面倒そうですね。


このあたりは分かるのですが、だんだん難しくなります。

「本を読まないでほしい」
「本の読者になってはいけない」

どういうことでしょうか。
「読書の秋」ですからね。本は好きに楽しく読みたいのですが
東大生はさすがに違います。


「取材読み」が大事なんだそうです。
つまり、「読者」にはならなくて「記者」になるのです。
本を取材しながら、メモを取りながら質問を投げかけたり、
ツッコミを入れられるように読むのです。
「質問読み」と言葉を変えて説明しています。
ただここでもまた「付箋」です。
付箋に質問を書き込むのですね。


「質問読みの効果」について
池上彰氏のよくいう「良い質問ですね。」を例に挙げています。
池上彰氏のようにすぐれた著者は、最初からそういう質問が
でてくると想定しているのです。

漫才流に説明すれば、わざとボケて、ツッコミがくることは
あらかじめ分かっているのです。


良い本であればあればあるほど、その質問の流れによって
論理展開が著者の想定通りになっているのだそうです。



なかなか難しいですか。
良い質問ですね・・・・。





その3 本は魚


なかなか難しいですか?

「整理読み」というのも紹介しています。

「要するに何なのか」が理解でていないとダメなんだそうです。
これは何となく分かりますね。
つまり、
「一言で言い表すことができるかできないか」
ということなんだそうです。

本から得られる情報を整理し、一言で言い表せる状態にしながら
読むということなのですね。

面白い例えで説明していました。
なかなかこの東大生は頭が良いのですね・・・。
誰かが言っていることなのか、自分で思いついたのか・・・・。


Photo

 

 


「本は魚」であるということです。

本を書く側にとっての表現です。
書き手は「本を魚のように書いている」ということなのですね。

どういうことでしょうか?

まず本には著者の主張が最初に来ることが多いのです。
これが魚の「頭」なのですね。

そして最後にまとめとして、最初の結論にたち戻るというのです。
これが「尻尾」ですね。

「頭」と「尻尾」を結びつけるのが「骨」ですね。
この「骨」こそが「主張」なのです。
つまり、

「どんな文章でもどんな本でも、最初から最後まで一本。
骨になる主張が通っているのです。」

著者が伝えたいのは「骨」=「主張」なのですね。
でも間違いやすいのが「身」なのです。
本の分量のなかで「身」が最も多いのです。

様々な例があって面白く感じられるところですね。

 


ここで盲点は
「身を美味しく食べていると骨を失ってしまう」
ことになるというのです。

 

なかなかこの例示は分かりやすいですね。

本を読むという行為は魚を食べる行為に他ならないのです。
「整理読み」というのは「骨と身を分離させる」
ということなのです。

美味しい身に惑わされず、骨をしっかり見極めるのですね。

そうしたら「魚を美味しく食べることができる」
のだそうです。


「読書の秋」、「食欲の秋」に相応しい表現ですね・・・・。





その4 私はブログ読み


「要約読み」

というのも参考になりますね。


その都度140字でまとめながら読むのです。
140字という意味わかりますよね。
Twitterの制限文字だからですね。
なかなか現代っ子らしいですね。
「読み終わったら140字にまとめる」
なかなか良いですね。
こういうのは「オジサン」には参考になります・・・。


「推測読み」
「検証読み」
「パラレル読み」
「クロス読み」

詳しく説明しませんが、なんとなく想像つきますね。
最後に参考になったのは、

「議論読み」

要するに、「読みっぱなしにしない」
ということです。
ここで「本の帯を考える」
これは最初にご説明したテクニックと同じですね。
一言でこの本を言い表したら・・。

このテクニックを40年前に知っていたら、
地頭が鍛えられて、私も東大位に楽に受かったのでしょうね・・・!?。


書きながら25年くらい前の税理士受験生を思い出しましたね。
あのころ必死だったので、いろいろ勉強方法を
考えましたからね。
「最前列プレッシャー法」

「ノルマ質問法」
などなど考えましたから・・・。
著者も東大に受かろうと必死に考えたのでしょうね。


本の読み方も実は、この本に出合うまで私なりに
いろいろ読んでもいました。

一番読んだのは、「速読法」でしょうか・・・。
なかなかあれは難しいですね。
「本の見開きを1秒で読む技」
なかなか習得できませんでしたね。

最後に私の読書法は

「ブログ読み」

です。
もうお分かりですね。

「ブログでいかに紹介するか」
これを必死になって読みます。
使うテクニックは、私も付箋です。
大事なところをどんどん付箋でメモしていきます。

あと使うものはラインマーカー。
ブログで言いたいこと、使いたいところはどんどん引いていきます。
なかなかすぐれた読書法ですよ。

ただこの「東大読書」ではこのテクニックは使えませんでした。
理由は簡単。
最初からラインマークしてあるからなのですね。
この意味を一度読者に聞きたいですね。
ここ以外はなかなか参考になる本でした。

「読書の秋」お勧めの本です。

(ガンバレ! 東大生シリーズ おしまい)


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