その1 売上3億円のパン屋!?



山の上


何だか最近不動産屋みたいでしたね。

 

それでも連休中もいろいろ本を読んでいる訳です。

書評がたまっているので発表しましょう。

 

今回の主人公は平田はる香さん。

 

株式会社わざわざ代表取締役。

長野県東御市でパンと日用品の店

「わざわざ」を経営。

 

題名読んだだけで何となく想像つきますね。

コロナ禍でよく流行った「バラエティ番組」。

サンドイッチマンか、タカアンドトシあたりが

何もない辺境を歩いて、ようやく見つけた飲食店。

 

「こんなところに美味しいパン屋!」

 

テレビ映りやインスタ映えには最高のロケーションですからね。

 

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実は私は東御市に2回くらい行ったところがあります。

玉村豊男氏のエッセイ読んでどうしても行きたかったところが

長野県東御市にありました。

 

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有名なレストラン。

「ヴィラディスト・ガーデンファーム・ワイナリー」

 

個人的には玉村氏のエッセイもそうですが

生き方が大好きですね。

「こんな楽しい人生をすごしたい」

そう憧れるファンの方が訪れるところ。

景色も最高で素晴らしいレストランですね。

私は車で行きましたが、

常連の方は、北陸新幹線上田駅から

タクシーで行くそうです。(タクシーで30分!)

そんな経験から、私は東御市が大好きなのですね。

 

でも実際行ってみると東京からならかなり遠い。

今なら新幹線で近くはなりましたが、

結構不便なところ。

そこで「わざわざ」というパン屋。

 

それで「東御市でパン屋」

しかも「わざわざ」という社名。

だから聞いただけで想像ついたのです。

 

「ヴィラディスト・ガーデンファーム・ワイナリー」

がある山の上でパン屋さんやったら楽しいだろうなと・・・。

 

しかし、やはり読書は大事ですね。

先入観はいけないのです。

 

SNSで拡散されてフォロワーも増加、

その後テレビでも紹介されて有名になり、

講演会にも呼ばれるほど知名度はアップ。

そうなると、ほっといてもパンは売れたのでしょう。

 

でも今はパン屋だけではないのです。

「エッ!そうなの?」

創業から14年の歩み。

なかなか勉強になりました。



その2 SNSフォロワー17万人のカリスマ


まず平田はる香さんのご紹介。

この本を読む前に、まず

「平田はる香」

で検索してみてください。

1976年(昭和51年)生まれ。

 

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しかし、すごい情報が出てきますね。

もちろん、「わざわざのHP」が秀逸。 こちら

 

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しかし「note」にもこれまた詳細に書かれています。こちら

読めば読むほど愛すべき方ですね。

私もファンになりました。

 

今流に言うと

「SNSフォロワー17万人」

 

先に書きますが、

この本は間違いなく「ビジネス書」ですね。

過去の平田さんの生き方に共感されたファンが

購入されているのも間違いないですが、

この本は売れそうですね。

ネット情報ですが、本人は「10万部売れる!」

と言っているそうですから・・・。

 

まず本の内容から。

幼少期の平田さんの家庭環境から

赤裸々に書かれています。

家族は父、祖母、兄の4人。

母親は0歳の時に離婚されていたそうです。

そのためか子供のころから日常的に

料理をするようになり結果的には趣味になるほど。

でも生活的には苦しかったのでしょうか。

高卒後ホテルに就職。しかし3日で辞め、スタイルストの専門学校へ。

20歳の時にクラブミュージックに出会うのですね。

ここでようやく自分のやりたいことを見つけたのです。

以降DJとして独り立ちすべく努力します。

 

でも、一方で平田氏が20歳の頃、世の中が大きく変わりますね。

1995年、あのWindows95が発売され、

一気に世界中がインターネットに盛り上がった時代です。

 

でも彼女のすごいところは

 

「秋葉原でWindowsを買って家でセットアップしました。

Wordで文章書いて、Excelで計算して・・・

無我夢中でHTMLを勉強し、IllustratorやPhotoshop

の使い方を独学で覚え・・・・」

 

ただ

 

「私は別にウェブデザイナーになりたかったわけではありません」

 

27歳で残念ながらDJとして生きていくことに挫折。

結婚されて長野に移住し、長野のシステム会社に就職し

もとから「やりたくなかった」ウエブデザイナーに。

 

でも、たった3年で辞めてしまうのですね。

しかしこの3年間でウェブのロジックを多く学び、

今では在庫システムに非常に役にたっているそうです。

またあとでご紹介するSNS戦略に

このスキルが間違いなく効果を発揮したのでしょう。

SNSのお話はあとで書きます。

(これはかなり参考になりました)

 

でもここで

「やりたいことを探すのを辞めた」のです・・・。




その3 なぜパン屋?


税理士として今までたくさんの起業開業をみてきて

どういうきっかけでその商売を始めたかは

大事ですね。

 

「やりたいこと」と「できること」が一致しなかった。

だからうまくいかなかった・・・。

平田さんはここでそう悟ったのですね。

「できることを掛け算しよう」

考え方を変えたのです。

 

平田さんの性格は

「際限のない没頭型タイプの人間」

と自ら称しています。

まさに、そうでしょうね。(すいません。)

Windows95が発売されたときにPCに

かなりのめり込んだほど。

また、「一介の主婦が25キロの粉を通販で購入して、

家族の食べる分量とか一切考えずに、

まるで修行僧のようにひたすらパンを焼く・・・。」

 

なかなか愛すべき人間ですね。

 

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私もブログでパンを焼くことを何度かアップしましたが

パン食材で有名な富澤商店でたまに強力粉買います。

せいぜい1キロの小袋ですからね。

(写真はリスドォル。これでベーコンエピが得意)

25キロとはまさに業務用の量です。

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ちょっと異常ですね・・・。

(写真は「春よ恋。この1キロをよく買う)

 

あと「できること」は、まさに

「プロのWebデザイナー」であること。

 

これらを考えた結果、

「パン屋をやろう」

ということになったのですね。

あとご存じだと思いますが、パン屋には調理師免許が

いらないのです。

 

ですから、意外にパンの開業というのが多いのですね。

パンを習った時に、新宿とか吉祥寺にパン屋の専門学校が

あることを知りましたが、そのまま開業する人も

多いのですね。

私の住む中野あたりは意外にパン屋さんが多いのですよ。

ですから激戦区で結構商売も難しい・・・。

 

そんな状況なのに、この本の題名通り

長野県東御市牧原という地名の

「山の上」

 

ここでもう突っ込みますが、

冒頭申し上げた通り、私も税理士として

数百人の起業開業相談をやってきたのです。

 

「山の上でパン屋を開きたいのですが・・・。」

 

その時平田さん33歳。一介の主婦です。

 

「止めなさいよ・・・失敗しますよ・・・」

 

そう正直に言ったかもしれませんね。(また、すいません。)




その4 山の上でパン屋を開きたい・・


真面目に考えてしまいました。

14年前に、32歳の平田さんが

「山の上でパン屋を開きたいのですが・・・」

 

そんな開業相談を税理士として受けたら・・・。

 

「パン屋での修行の経験はおありですか?」

「パン屋にお勤めになったことありますか?」

 

まったくないのですね。

しかも、当時「山の上で成功したパン屋」は

この世には、絶対なかったでしょう。

 

 

でもご主人から

「このパン、売りなよ。おいしいよ。お店でもやったら?」

 

そう言われて始めてしまったのですね。

起業開業のお話としては、実に面白いエピソードですね。

 

考えたら「起業開業相談」というのは、

実にいい加減なものですね。

先入観だけで判断してしまう・・・。

 

私も30年前を思い出しました。

経理経験もまったくない元営業マンが

 

「脱サラして税理士をやりたい・・・」

 

周りは皆反対したのですね。

 

「経理の経験ないのだろ・・・」

「そんなの無理だよ。生活はどうするの・・・」

「簡単には受からないよ・・・」

 

ダメだしのオンパレードですね。

でもそこでめげるくらいなら起業開業なんて

無理なのですね。

 

ただ一点

ここは平田さんの考え

「やりたいことを探すのを辞めた」

とはちょっと異なりますね。

 

 

「自分のやりたいことをやりたいから」

脱サラして始めるのですね。

それで失敗してもいいではないですか。

 

「今できなくてもやれるように努力すればいい。

それを本当にやりたいのなら。自分の人生だから・・・。」

 

いまならそうアドバイスしますね。

 

でも、平田さんはパンを焼くのが好きだったのだろうし、

自分の焼いたパンを食べて「幸せになる笑顔」を

間違いなく見たかったのだろうと思います。

 

この本読んでまず思いますが、

「そんな簡単にパン屋ってできるんだ・・・。」

 

最初は金曜日と土曜日の移動販売。

月曜日からお菓子を仕込んで、パンは金、土で焼く。

すべて一人で・・・。

 

こういうこと書くと怒られるかもしれませんが

 

「料理好きの家庭の奥様が自分のパンを売り出した」

 

最初はそんな感じだったのです・・・。

それが今では年商3億円!

どうですか。開業相談の「無責任なアドバイザー」!?

の言うことなんか聞かずに、

思い切ってパン屋をやろうと思いませんか。

それが本当にやりたいのなら・・・。





その5 開業して3年間は・・・



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平田さんのnoteから情報を

拝借します。(すいません)

 

開業して3年の歩みです。数字は売上高。

1年目230万円

2年目550万円

3年目360万円

これから起業開業を受けたら必ず平田さんの

ご紹介をしましょう。

 

前回つい「筆を滑らせて

「料理好きの家庭の奥様が自分のパンを売り出した」

と書いてしまいましたが、

まさにそうだったのでしょう。

2009年2月開業。その時

「『だめならやめたらいいか』くらいの気持ちで

始めたパン屋だった・・・」

 

と書いてありましたからね。

 

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もがき苦しむお話は、開業の実話としてたいへん参考になります。

当初の週に2日だけの移動販売でしたが、半年でぱったりと

売れなくなります。

 

2009年9月に自宅店舗で販売。

でも申し訳ないですが、長野の「ド田舎」ですね・・・

(またスイマセン)

でもすごいのはその翌月

2009年10月オンライン販売。

 

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同時に東京のイベントに出店。

これ「マルシェ」なのですね。

今もやっています。 こちら

 

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「イベントでは、まず知ってもらうことが重要です。

フライヤーをたくさん持って宣伝するのはもちろん、

お店の見せ方を工夫して作りこみました。」

 

何故なら

「ディスプレイで目立つことができれば

メディアの取材を受けることができます」

 

実に目的が明快ですね。

これでオンライン販売に切り替えたということですが

恐縮ですが売上的には年間200万円〜300万円・・・。

 

 

私も税理士として長いので、すぐ分かりますが、

売上300万円以下だと税務署でタダで申告書を

作成してくれるのですね。

我々税理士会は一つの社会貢献として、

当時やっていました。(たぶん今も)

 

これも正直書くと売上300万円くらいだと

まず税金は出ないからですね・・・。

開業してこの時期が大変だからなのですね・・・。

 

でもこの方がすごいのは・・・まず最初に申し上げた

「料理好きの家庭の奥様」

という言葉を撤回しなければいけないですね。

 

2011年3月の東日本大震災をきっかけに

玄関先ではなく、自宅横に実店舗を建てたのですね。

しかも、

「ロケットストーブ式薪窯」

 

なかなか大胆・・・。





その6 大震災をきっかけに



 「あの震災で決心がつき行動に移すことができました」

 

なかなかの起業家ですね。

売上300万そこそこの個人事業主が、

実店舗を構えさらにゼロから薪窯まで

作成してしまうのですね。

 

あの大震災から1年後の2012年3月、

リニューアルオープン。

 

どうでしょうか。

 

ご紹介した通り、

移動販売→自宅の玄関先→マルシェ→実店舗+オンライン

 

もがき苦しみながら、

「プラットフォーム」を変えていくのですね。

 

ところで、平田さんは「ブロガー」なのですね。

ネットで探して見つけましたが、

開業当初からずっと書き綴っているのですね。

しかも大変なボリュームです。

開業時忙しかったのにかかわらず、寝る暇も惜しんで

書いてきたのでしょう。

 

この頃の苦労話をすべて正直にアップしているのでしょうね。

さすがに全部読めないのですが、そういうことから

ファンもきっと多かったのでしょう。

 

そんなことを急に書き出したのは、

私も一応「ブロガー」ですからね。

 

私がこのブログを始めたのが、2008年7月〜。

平田さんのブログも開業時の2008年5月から。

「ブロガー同級生」!?だったのです。

かなりの量のブログを書かれていますから

必死になって書いたのでしょうね。

 

ブログやると分かるのですが、

自分のことを正直に書いていると、

同じような環境下に入る方が熱心に読んでくれるのです。

以前、税理士試験ネタを必死に書いていると

そういう方から結構メールもらいました。

また開業時の苦労話を書くと、

同様な状況に置かれている方がファンになってくれたのです。

 

働きながら頑張っている女性、

料理好きやパン好きな女性。

パン屋開業を夢入る女性・・・。

きっと平田さんのファンは多いのでしょう。

 

いろいろな方から応援されてきたのでしょう。

 

ただブログというのはもう古いのですね。

この頃はすでにSNSに特化しているのです。

さすが元Webデザイナー。

広告媒体の「プラットフォーム」も

常に変えていっているのです。

またnoteからお借りします。

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これはこの本で一番勉強になりました。

同時期にブログを始めたのに、いまだにしつこくブログを

やり続けている私にキビシイご意見ですね・・・。

 

でも俳優の松重豊さんではないですが、

 

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「もっと早く言ってよ〜」





その7 私も通販で買ってみました



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ではこの本で一番驚くところ。

まずパン屋さんがここを読んだら

怒る人もいるかもしれませんね。

 

ただ経営的にどうなのだろう?

パン屋に限らずこういうことはありうるのかもと

感心してしまいましたね。

 

それは開業当初から

「27種類のパンとお菓子を焼いて販売」

していたのを

「カンパーニュと角食パンの2種類」

だけに絞ってしまったのですね。

あとは自分たちが良いと思ってセレクトした日用品

2500種類を販売することにしたのです。

 

なぜ2種類だけにしたのか?

1人で27種類ものパンを焼いていたら

単純に非効率だったそうです。

 

私もパンを焼くことが趣味なのでよく分かるのですね。

パンというのは「発酵」させるというのが

結構面倒なのです。

「1次発酵」、「2次発酵」と30分〜1時間かかるのですね。

ですから、早朝から「焼き立てパン」を販売しようと

するなら、朝の3時起きは当たり前なのですね。

朝から働きたい人は、まずいませんから。

店主自ら睡眠時間を削って働くことになるのですね。

 

それでいてパンは単価が安いから、利幅も小さいのです。

種類をたくさん焼こうとすれば、材料費もかかります。

なかなか儲かりにくいというのも、税理士として

容易に想像できます。

 

ズバリ書いてあります。

 

「飲食業や菓子製造業の儲からない構造こそが

労働環境を悪くしているのだ」

 

「パン屋や飲食業で良くあるのが『修行』という名目で

待遇の悪い中働かされる。残業代も出ず長時間労働が

常態化している。

材料費を削ったら商品に差が生まれてしまう。

だから人件費から削っていく。」

 

ここは賛成しますね。

私も税理士になる前は、会計事務所として「修行」という

名目でこき使われましたからね。残業代も払われずに

深夜や土日まで働かされた・・・。

 

平田さんが目指したのは

「人件費も材料費も削らない。その上で商品の価格も手ごろであり

続けよう。

自分が求める最良の材料で、人の手で丁寧に作り、

お店もお客様も幸せになる」

 

それで

「カンパーニュと角食パンの2種類」

だけに絞ったのです。

 

ここまで読んだら、

わざわざのサイト開いてこの2種類を買ってしまいました。

1500円のお試しセットですね。

送料が確かにかかりましたが、

平田さんの想いを買ってみたかったのと

わざわざのパンをぜひ味わってみたかったのです。

何といっても私もパン焼くのが大好きですからね。

 

びっくりしましたが、東京から水曜日に発注して

金曜日には届きました。

 

平田さんの従業員とお客様への愛を

味わうことができました。

たいへん美味しゅうございました・・・。





その8 戦略もおみごと!



平田さんがさすが元Webデザイナーの方ですね。

ネットによる宣伝の仕方がまさにプロですね。

おじさんブロガーとしては非常に参考になりました。

 

2016年にプロのカメラマンの方を

「パンを焼きたい」という単純な理由で採用。

長野に移住までして撮影してもらうことで

SNSで人気となったそうです。

なかなか戦略家です。

 

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さらに2017年に自費出版「わざわざの働き方」

という本を出版するのです。

 

きれいな写真まで入れているし

9000部刷ったというのですが

結構出版コストはかかったのでしょうね。

しかし完売!大ヒット!!

 

ここも「うなり」ます・・・。

 

この時入社してくれたエンジニアの方が

取締役にもなってもくれました。

これによりネット戦略も進みますね。

なかなか平田さんは努力もされていますが

運も味方してくれたようです。

 

この頃、ついに法人化。

さらに物流拠点となる倉庫まで確保。

このあたりから、真の経営者でしょう。

税理士として参考になる記述。

 

「個人から企業になるということはどういうことですか?」

 

顧問の先生から

(会計士と書かれていましたが、平田さんは

公認会計士ということを指しているでしょうか?

税理士を指しているでしょうか?

それともそれも区別つかない??)

 

 

「個人とは別の人格を持つことになること」

「人格が別とは財布も考えもまったく別になること」

 

なかなかいい指導です。

私も指導していることですが、

ようやくそれに気が付いたのですね。

さらに、労働問題を解決するために、顧問の社会保険労務士とも契約。

 

もう個人事業主から会社経営者への昇格です。

 

ですから、この頃になるともう平田さんはパンを

焼いていないのですね。

 

「創業以来ずっと私が焼き続けていたパンも、

段階的に技術を習得できる育成方法をつくり、

きれいに身を引くことを決意・・・」

 

経営者ですから、パンを焼くことさえ従業員に任せます。

自分はマネジメントに専念。

 

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そのおかげからか売上が急成長。

noteには2017年までしかないですが、

その後売上2億4000万円まで急伸!!





その9 パン屋さんから通販会社へ



パン屋さんから通販会社に切り替わるのです。

しかし会社が急成長すると、いろいろ問題も出てくるのですね。

いわゆる「内部崩壊」。

まあ中小企業にありがちなお話ですね。

あまり面白おかしく書けないので

ここは本書をお読みください。

 

そのため、その後2019年からまた大変革。

しかし2020年お分かりの通りコロナ勃発。

 

「コロナでわざわざはどうなったのだろう?」

 

気にはなりますが、このコロナ禍は税理士として

中小企業を目の当たりに見てきましたから分かります。

「おうち需要」で通販が飛躍的に伸びたのですね。

またどこのパン屋さんも、実は売上が伸びたのです。

 

ここで平田さんは英断します。

 

「倉庫の移転」を決断するのですね。

 

「何だよ〜。山の上から販売しているではないの?」

 

このあたり「内情暴露」ですね。

長野県内に自社倉庫を持っていたのですが、

東京の外部倉庫に業務委託を決断。

また申し訳ないですが、ここでもまた「内部崩壊」。

東京に倉庫移すといったとたん、

退職者が続出したから。

 それはそうでしょう。

「長野から発信する会社」

と思って入社したら実は違ったからですからね。

 

でもまたここで、平田さんは経営を学ぶのですね。

 

「全スタッフが参加する全社ミーティングを

スタートさせ、理念の共有など会社の状況を

ガラス張りに」

 

 

結果、2020年度(たぶん2021年2月期)

の売上は3億3000万円に!

 

 

理念の共有からコーポレートアイデンティティ

=CIを定めたのですね。

 

「わざわざ」のスローガンは「よき生活者になる」

 

実にカッコイイですね。

 

このあたりからこの本の話があったみたいです。

この本の最後に「種明かし」があります。

 

「平田さんが書かないっていうのはありですかね」

 

そうなんです。

この本は平田さんが書いていないのです。

ブロガー同期の私としても、ここはガッカリしました。

 

「創業してから毎日ひたすら言葉を綴り、

インターネットの中で『私はここにいるよ!』

と叫んできた」平田さんだからですから。

 

平田さんの言葉で書いて欲しかった。

これくらいの分量なら1週間もあれば書けたでしょうに・・・。

 

実はこの本、あの「キントーン」で有名な「サイボウズ」が

書いているのですね。

2年半も期間をかけ書いているのです。

数時間のインタビューを5回、

ミーティングや打ち合わせは24回。

ここまで時間とコストをかけて書かれているのですね。

 

まさに「わざわざのブランディングための」本・・・。




その10 あのサイボウズがブランディング


あのサイボウズが手掛けると

ブランディングの本はこうなるのですね。

 

でも「結局平田さんは何を目指すのだろう?」

 

最後は分からなくなりました。

サイボウズの出版チームの

「平田さんはこうなってほしい。ここを目指してほしい。」

その願いが強くなりすぎたのかなと、勝手ながら思います。

 

「会社として大きくなりたいというような考えは、

今も昔もまったくありません」

 

きっと平田さんはそんな感じの方かなと思っているのです。

少なくとも「乃が美」のようなパン屋チェーンの全国展開は

まったく考えていないとは断言できます。

 

でも一方で、2023年1月にわざわざは

「わざマート」というコンビニ+直売所型の新店舗を

オープンさせました。

「わざマートは全国に広げていきたいと考えています」

 

何だか矛盾しますね。

平田さんはコンビニを全国に作りたいのでしょうか?

それは何だか違うと思うのです。

 

「もっとたくさんものを売るのではなく、

『もっと豊かさを深める』

『豊かにコミュニケーションする』」

 

なかなか難しいですね。

では、

 

「健康でいられるための環境を作るもの、

健康を形づくる食品を伝え手として届けていきたい」

 

これは分かりますか?

軽井沢からわざわざのパンを「わざわざ」買いに来る

「キャラメルナッツベーグルのスズキさん」

のくだりで本当に思いましたが、

平田さんは2種類のパンにするために

作らなくなってしまったのですね。

「キャラメルナッツベーグルは健康に悪い」

と思ったからでしょうか。

 

 

「よき生活者」になるために我々はどうしたらよいのだろう。

わざわざの面白い試みに今後も注目していきたいと思いますね。

 

個人的には「富澤商店」で、平田さんの出版サイン会を

ぜひやってほしいですね。

 

わざわざでお勧めする強力粉もぜひ販売してほしいし。

まあ多分ないでしょうけど、

「カンパーニュのレシピ」

も教えて欲しいです・・・。

 

パンを焼くことが大好きなオヤジとして

本当に思います。

焼きたての美味しいパンを食べた時の幸福感。

私にとってこれこそ「よき生活」です。

 

平田さん、ありがとうございました。

 

(ガンバレ! よき生活伝道者シリーズ おしまい)






 

 











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