その1 ブラック企業の役員から理想の会社へ




ほとんどの社員毎日17時に帰る



またまたタイトルの長い本。
こういう本は多いので買うのをためらいましたね。


「ウチの会社はすごいんだ!」という、単なるブランディングの本では
ないかと思って・・・。
以前、ご紹介した広告代理店も結局潰れてしまいましたからね。こちら


多少色眼鏡で読みましたが、なかなか参考になる本です。



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筆者はこの方。
株式会社ランクアップ代表取締役岩崎裕美子氏。47歳。
なかなかおきれいな方ですね。



それもそのはず、現在の主力商品は化粧品。
ホットクレンジングゲルは累計販売数500万本!
創業10年でなんと年商75億円。


多くの中小企業を見てきた税理士として思いますが、
10年で75億円は驚きです。



「そんなに儲かっているなら、残業なんてしなくていいだろ!」



と突っ込みたくなりますが、なかなかこれまでがいばらの道。
この方の生き様なのですね。


化粧品会社になるまでは広告代理店。
短大卒でJTBに勤めますが、その後広告代理店に転職して
取締役営業部長。7年で売り上げ20億までにしたのですから
なかなかのキャリアウーマン。
残業なんてあまり前。毎日終電まで働いた・・・。


「遅くまで働いている人が頑張っている人と評価される」


どこでもありそうなお話ですね。
何かぜひ盗み取っていただきたいので、
少しご紹介していきましょう・・・。





その2 なぜ毎日残業するか





以前勤めた広告代理店が、なぜ毎日深夜残業しなければならなかったのか?
これは、意外に経営者でも気が付かないことなのかもしれませんので
このあたりからご紹介しましょう。



「他社と差別化したオリジナル媒体がなかったこと。」


これが原因だったのです。
それでもがむしゃらに営業して7年で売上が20億円というのは
正直すごいとは思いますが、オリジナルの媒体がない、つまり、
誰でも売れる媒体で勝負していたのでは、
他社と価格競争に陥りやすいですね。


そうなると、まず売上が不安定になっていまいますね。
それを補うには新規開拓しかない・・・。
新規開拓は当然効率が悪いのです。
休む暇なく、当然毎日深夜まで残業せざるを得ない・・・。


これは広告代理店だけではないお話ですね。
営業が主体の会社なら、どこでもあるお話です。
かつて営業マンだった私でもこれは常に感じていました。


営業マンなら、定時に帰ろうものなら、


「営業成績が悪いのによく早く帰れるな」
それこそ
「よく有給なんか取れるよな」


営業課長のキビいしい言葉を浴びせられたり、
周りの冷たい態度で察したものです・・・。
ほとんどの社員が定時の17時に帰るなんてありえないことです。
常にファティング・ポーズを要求されるのが営業なのですから。


岩崎社長は37歳で起業した時に、まず心に誓ったことは


「他社と差別化した戦える商品を作ること」


これですね。
マーケティング力です。
それに気が付かない経営者は多いものです。


「がむしゃら営業」なんて、もはや昔話なのでしょうか。

 

「人より一本でも多く電話をかけ、
人より一件でも多く訪問することが営業の基本だ。」


この本を読んで、昭和の時代の「鬼軍曹のように怖かった」
営業課長の言葉を思い出しました・・・。





その3 37歳で同じ思い



「残業のない理想の会社を作ろう!」


そう思って、37歳の時に岩崎社長は、化粧品会社を設立し独立しました。



でも、これ読んだ瞬間思い出しましたが、わたしと同じ思いだったのですね。


私も37歳の時に独立して、税理士事務所を立ち上げました。
それまで勤務した税理士事務所は、
毎日夜の8時、9時、土日出勤もザラでした。
しかも、これ強調したいのですが、「残業代も出ない」滅私奉公・・・。


そういう税理士事務所は今から20年前は「ザラ」でした。
岩崎社長が起業した10年前ならともかく、今だったら
「残業代訴訟の餌食」かもしれませんね・・・。


そんな恐ろしいお話はどこかで熱く語るつもりですが、
結構これは最近よくあるご相談ですね・・・。
ただ岩崎社長は、残業代訴訟なんてまったく関係なかったとは
思います。


とにかく


「残業のない理想の税理士事務所を作ろう!」

まったく同じ思いでした。

 

残業ゼロへ岩崎社長の取った行動は参考になります。


「儲かっている会社だからできだろ!」

そう突っ込みたい社長もきっと多いかもしれませんが、
徹底した業務効率の見直しという点では、
なかなかすぐれたものです。
ほとんどの会社がこんなことまでやっていないでしょう。


例えば、毎月の業務の棚卸をします。
毎月必ず社員全員の残業時間のチェック。
その結果、毎月無駄な作業、無駄な仕事をやめていくそうです・・・。






その4 事務職を廃止




残業出さないために、社内をいろいろ変革していきます。



「アウトソーシングの徹底した活用」


採用活動、ホームページ制作、コールセンター、配送業務など
多くの仕事をアウトソーシングしていきます。
化粧品の通販会社ですから、社員がすべて配送業務を行っていたら
それこそ大変ですからね。
「めちゃくちゃ安い」運送会社を見つけたのだそうです。


「ルーティンワークはシステム化」


事務作業を減らすために80万もかけてシステムを導入。
これも確かにアリなのでしょうね。
これをさらに進めてこれがすごいのですね。


「事務職の廃止」


事務作業はアルバイトや派遣社員に任せることにしたのです。
社員は本来やるべき仕事に集中できる環境にするためです。


経理の専門家の立場としては、
「経理や総務もアウトソーシングか?」とすぐ思いますね。
ここはハッキリ書いてなかったのですが、こういう会社は
あるのでしょう。


実は、この本を読むと「人事コンサルタント」がやたら出てきます。
そういうコンサルタントの会社にお任せするのでしょうね。


それでもう一つ言うと、これが大事なのですが


「事務職の廃止と同時に人事評価制度を導入」


しているのですね。
各人がスキルアップしてもらう制度を構築しているのですね。
なぜ定時に全員が帰れるか、ここに秘密があると私は思うのです・・・。





その5 人事コンサルタントの力




大事なところなので、申し上げますが、
「事務職をなくした」ということはどういうことか分かりますか?


事務職は会社にとって利益を生まないところですね。
「コストセンター」ともいえるこころなのですね。
すべての社員を売上に直結する「プロフイットセンター」に変える
のですね。
つまり全員を営業職ということにするのです。
それとリンクさせて、人事評価制度を導入しています。


ではその人事評価制度とはどういうものか?
実はこの本にはそれが書いていないのですね。


つまり、定時の17時に全員帰るということは、
「やることキチンとやれば定時に帰っていいです」
という意味なのでしょう。


ということは、その「やること」と「やったことに対しての評価」が
キチンとされない限りできない制度なのですね。


経営者側から見ればそうでしょう。


「従業員が給料ドロボーにならないようにすること」


これが守られなければ、怖くてできないのですから・・・。

この岩崎社長は、この人事評価制度を見つけるために、
「かったぱしから電話して人事コンサルタントを探した」
と書いてありました。


この本で一番知りたいところはそこです。
ぜひそれを知りたいので、この会社の人事コンサルタントは
実名でその解説書を出してもらいたいものです・・・。






その6 15年、20年連続に・・・





残業なしの理想的な会社を熱く語ってきましたが、
もう4月になってしまったのでそろそろまとめましょう。



その他、効率経営のために
「会議は30分」、「メールでお疲れ様は使わない」、
「社内資料の作りこみは禁止」などなどまだ触れたいことはありますが、
肝心の評価制度が書かれていない以上、
結局この本もブランディングのための本なんだと
いうことがやはり分かってしまいました。



この題名だけ見ても、ものすごいブランディングですからね。
福利厚生制度がやたらしっかりしていることも書かれていて、
「こんな会社に勤めてみたい」
と子育て中の女性なら誰でも思うのでしょう。


ただ、この岩崎社長は、社長としてどうやって経営していたら
よいのか必死になって考えてきたようです。
どうやったら組織としての力を発揮できるか、
このあたりは、経営者の方には参考になるのでしょう。


わずか10年で売上75億円なのですから
急拡大してきた会社です。



これだけ短期間で会社の規模が大きくなれば
社内でいろいろなところでひずみが出るはずです。

 

それをうまくまとめあげて成長し続けているのですね。
このまま15年連続、20年連続で成長し続けるかどうか、
株式会社ランクアップに期待しましょう。
自分の会社をランクアップしたい方はぜひお読みください。

 

(がんばれ 理想の会社シリーズ おしまい)




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