その1 日本で一番売れている純米大吟醸

獺祭



「獺祭」(だっさい)というお酒をご存知でしょうか?
「獺」(カワウソ)の「祭り」(まつり)と書いて(だっさい)と読みます。
山口県の旭酒造が作っているお酒です。


2013年(平成25年)の出荷量は1万1400石。
一升瓶で換算すると140万本!
売上高39億円(前年比56%増)
純米大吟醸では日本で一番売れているお酒なのですね。
売上高もここ10年でなんと10倍!と急成長しています。
最近、「カンブリア宮殿」などビジネス番組にも何度か
取り上げられていますので、ご存知の方も多いかもしれません。


飲ん兵衛の方なら、「あの獺祭ね!」となるでしょうけど・・。


このお酒は2002年(平成14年)頃から、
「発砲にごり酒」を出して有名になりました。
私も興味本位でいただきましたが、


『シャンパンのような面白い酒』


そんなイメージでしたね。
2008年(平成20年)頃からは、シャンパンボトルに入れて
本格的に販売されていますから、これも飲んだ方も多いのでしょう。


もちろん「発泡酒」だけではありません。
この獺祭は、酒米のなかでも最高級の酒造好適米「山田錦」のみから
造っているのですね。
この「山田錦」も日本酒愛好家の方なら絶対にご存知の酒米です。
日本で山田錦の生産量は約31〜32万表なのですが、
実はこの旭酒造が4万俵も買っているそうです。


「日本で一番の純米大吟醸」の意味がこれでお分かりでしょう。
「美味しい」と思う方が多いからこそ、これだけ売れているのです。


実は、この獺祭は2014年3月に
パリの凱旋門の近くの一等地にお店を出すことが決まっているのです。
レストランのプロデュースは日本料理店「青柳」で有名な小山裕久氏、
店舗設計はこれも有名な隅研吾氏が担当し、世界進出に挑みます。



こう書いていくと、連戦連勝の経営者のようですが、
実は全く違ったのですね。まさに「逆境経営」
「連戦連敗」の中からつかみ取った栄光です。


獺祭でも飲みながら読んでいただくと、
なぜか勇気が湧く本です・・・。





その2 蔵元は山口県の過疎の地域


ではまず、この旭酒造のある周東町獺越(おそごえ)という地域は
どんなところかご紹介しましょう。


東京の私には、まったく土地勘がないのですが、
旭酒造のHPに地図がでていますね。

Map_2

 


広島駅から山陽本線で50分、JR「岩国駅」があります。
その岩国駅から、1〜2時間に1本しか走らない「岩徳線」に乗ること40分、
やっと周防高森駅に。
そこからさらに車で山中に入るところ15分のところにあります。
まさに山奥の「過疎地」ですね。


新幹線の「新岩国駅」というのがありますが、HPでは
「乗り換え時間が長いので岩国駅から乗り換えてください」
と指示までされています。


酒蔵のある地域の人口は、戦後3000人いたらしいのですが
今や500人の「超過疎地」。
そこに「へばりついて」(失礼!)旭酒造は大成功したのですね。


そんな過疎の企業が、なぜ成功したかはこの本を読んで
いただきたいところなのですが、社長曰く、
「宅急便」と「IT」なのですね。
これは大変参考になるお話なのでしょう。

 


ではここで 桜井博志 社長のご紹介。
1950年生まれ。現在63歳。
江戸時代(1770年)から続く旭酒造の3代目。
1984年4月急逝した父親の後を受け、34歳で社長に就任。


でも当時の旭酒造は、
山口県岩国市のなかでも「ドンベの」4番手メーカー。
「いつ潰れてもおかしくない」状況だったようです。

しかも当時は、今と違って、普通酒の製造のみです。
この新社長、地ビールの製造や、
紙パック詰めの酒を販売するなど、
次々に新ビジネスを手がけ、いろいろ苦労されたようです。
まさに「経営者としての苦しみ」を味わいます。


もがきながらも、その後の吟醸酒ブームやバブル景気などで、
多少脇が甘くなったのでしょうか。
社長就任から15年ほどたった1999年。
ついに大事件が起こります。


当時の売上は2億円ほど。それなのに
総投資額が4億8000万!
経営コンサルタントのいわれるがまに、


「大道芸を見せながら地ビールを売る」
奇想天外なレストランを開店!!


「当然」と言ったら失礼かもしれませんが、
これがものの見事に大失敗!!






その3 コンサルタントに任せて大失敗


コンサルタントに任せて成功する経営者は
なかなかいないのですね。


いままでご紹介した経営者では、
サイゼリアが成功した例で筆頭に上げられますね。こちら


私はここですぐ思い出しましたね。
中川政七商店。こちら
中川社長の言葉を借りるまでもなく、
どうせコンサルタントにカネをだすのなら、
「ブランディング」のための投資をすべきだったのでしょうね。


1990年頃から、旭酒造は「獺祭」を作り出し、
その後試行錯誤しながら、美味しい【純米大吟醸】を作ろうとするのですね。
「獺祭」の知名度を上げるために、つまり「ブランディング」のために
ここでカネを使うべきだったのでしょう。


結局、地ビールの大失敗で完全に事業基盤がゆらぎます。
それどころか、「旭酒造はあぶない」そんな噂まででてしまいます。


何より、会社にとって大損失だったのは、
会社の先行きに不安視して、杜氏が辞めてしまうのですね。
酒蔵でいうところの杜氏は、まさにもっとも大事な「キーパーソン」です。


残された社員はわずか20代の若い社員4人。
それと膨大な借金。
普通ならそこで潰れてもおかしくなかったのでしょう。


ここで社長は開き直るのですね。
まさに「逆境に強い」


「完全に社員のみによる酒造りに転換」したのですね。


杜氏を必要としない酒造りなのですね。
私は読んで初めて知ったのですが
「純米大吟醸なら経験を必要としない」
これは驚きなのですね。
杜氏が酒を作るものと思っていた私ですが、
まさに逆転の発想。


酒造りは、「杜氏が冬場に作るもの」という業界の常識まで
覆します。


社員が通年作れるように、完璧な空調設備をもつ醸造設備を作り、
「四季醸造」の体制を引くことができたのです。
これなら社員を雇っても1年中働けますからね。


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そこで最初ご紹介した、「スパークリング獺祭」も
できた訳なのですね。

この社長のベンチャースピリッツに脱帽します。





その4 獺祭がなぜ美味しいか


ではここで「獺祭がなぜ美味しいのか」を
税理士として「ウンチク」を熱く語ってみましょう。


この忙しい確定申告時期に、国税庁になり代わり
日本酒のウンチクを語る税理士は私くらいでしょうか!?


下の表をご覧ください。この本に出ている表です。
この基準は実は「国税庁が決めている」のですね。

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まず2つに大別されます。
「純米酒」と「本醸造酒」という「特定名称酒」ですね。
全体の3割にあたります。
それ以外が「普通酒」。消費全体の7割にあたり、大半がコレです。


真ん中の「本醸造酒」のシャアは近年、低下しているのですね。
サトウキビなどから醸造し蒸溜されたアルコールを、
白米の重さの10%以内で添加して、精米歩合が70%以下のものを
「本醸造酒」と呼ばれます。


そのかわりシェアを伸ばしているのが、左側の「純米酒」
名前の通り、「米と麹と水だけ」で作ります。
本醸造酒と違ってアルコールを添加しないのです。
そこだけでも、何となく「美味しそう」だと思いませんか。


ここで、お酒の造り方として、
「低温で1カ月余りもの長期間にわたって発酵させる
『吟醸造り』をしていれば」
精米歩合は50%のものを「大吟醸」
精米歩合が60%のものを「吟醸」と呼ばれるのですね。
酒屋でよく売られている「吟醸酒」とはまさにコレ。


ここでこの「獺祭」がどこに属されるかというと
左下の「純米大吟醸酒」のワクに入ります。
もう本当にこれを聞いただけで美味しそうですね。


でも、ここで説明しなければならない言葉は「精米歩合」
これも国税庁が決めている言葉です。
「精米歩合とは、精米後の白米の、元の玄米に対する重量の割合」
です。


お米って、元の玄米を精米して通常食べますよね。
一般家庭の白米は通常玄米を90%精米したもの。
つまり精米歩合90%です。

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酒持田本店のHPより)

 

この写真を見てください。これで分かりますよね。
右の玄米から、精米するにしたがって丸くなってきます。
写真では35%のものですが、もう真ん丸ですね。


では獺祭はどこまで精米するかというとなんと「23%」!!


もう獺祭を飲みたくなってきましたか・・・。




 その5 究極の二割三分


一般的な酒蔵が行っている50%〜60%の精米を
あえて極限まで行っているのですね。
23%ということは玄米の77%も削り取ってしまうのですから。


しかもそのために、一日24時間を都合7日間、
168時間も精米時間をかけているのです。
原材料コストや人件費など考えたら、
とても採算合わないお話なのかもしれませんね。


「常識を破る非常識」が、この桜井社長にはあります。
伝統的な杜氏制度を廃止して自ら、リスクを取ってチャレンジした
結果なのでしょう。


それで出来上がったのが
「獺祭大吟醸 磨き 二割三分」

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一升(1.8L)で10,000円 720mlで5,000円 します。
「高い!」と思うでしょうか?


でもこの酒なかなか手に入りません。
「23%まで精米しなくても・・・」という方には


「獺祭大吟醸 磨き 三割九分」


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一升(1.8L)で4,700円 720mlで2,350円


「まだ高い!」と思う方には
「獺祭 純米大吟醸45」、「獺祭 純米大吟醸50」

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があります。
これだと一升で、3,990円と2,992円
それでも安くはなさそうです。


でも実はどれも品切れでHPで注文しても
なんと「2か月待ち」なんだそうです・・・。

 

「純米大吟醸なら絶対美味しいのか?」という左党のツッコミも
そろそろでてくるのでしょう。

「純米大吟醸何てどれも甘ったるくて・・・」
「口当たりが良すぎてダラダラ飲んでしまのが・・・」
「やはり酒はガツンとこなければ・・・」

という意見も確かにありますね。
私もどちらかというと「ガツン系」?ですから・・・。

桜井社長の日本酒造りに賭ける意気込みは違うのですね。
獺祭の酒造りは

「口に含んだとき、ガツンとくる当りよりも、最初はスッと
入って、そのあとで魅せる全体感と余韻を大事にしている」

そうです。
2か月待ちでも、やはり買いたくなりましたね・・・。




その6 最先端の遠心分離システムを導入


ではまたここで「酒造りのウンチク」を。


酒造りの大事な工程の一つに「上槽」(じょうそう)、
つまり、「お酒の原液を槽『ふね』の中に入れて絞る」行程があります。

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一般的な酒蔵では、昔から、日本酒の原液を布の袋に詰め、
槽(ふね)中に袋を積み重ねる「袋しぼり」という伝統的な絞り方を
やっていました。
すべて手作業ですから、大変な労力だと想像がつくでしょう。
でも機械で絞るより、自然な圧力でキレイな味に仕上がるのですね。
なんとなく美味しそうに感じるでしょうか。
現在では高級酒のみに限られて行われています。


というのは、お分かりのように「低価格で」大量生産しようと思ったら
これでは無理なのですね。


それで多くの酒蔵では機械を導入しているのです。
シェアが高いのが兵庫県明石のこのメーカーのもの。
「ヤブタ式」

Dassai_yabuta_2
(薮田産業HPより)


ただこれだと、獺祭の桜井社長いわく
「機械の袋香がわずかに残り、酒に外的な圧力をかけるために
お酒の味の組織が壊れてしまう欠点がある」そうなのですね。


それで獺祭が導入したものがコレ。


「遠心分離システム」


Dassai__enshin_system

 

日本で最初に導入したのが獺祭なのだそうです。
1分間に3000回も回転をお酒にかけ、
酒粕とお酒を分離させる装置です。
無加圧状態で、もろみからお酒を分離したものなので、
純米大吟醸もろみの本来持つ香りやふくらみなどの
美点が崩れることない美味しいお酒がつくれるのですね。


この装置を使って製造されたものがコレです。

Dassai_enshin23720

 

 

「獺祭 磨き二割三分 遠心分離」
一升(1.8L)で15,750円 720mlで7,875円


なんと!普通に製造されるお酒「磨き二割三分」の1.5倍!
「高い!」のです。


機械化することによってより高くなるのですね。
どうしてかというと、普通の「ヤブタ」を使うより
10分の1しか絞れないのですね。


一升で1万5千円もするお酒を高いと思うかどうかですね。
でも、この「遠心分離」もまた飲みたくなってきましたね・・・。






その7 なんと四合瓶で3万円!

獺祭では、実はもっと高いお酒が発売されているのですね。


その獺祭の桜井社長の日本酒にかける熱い思いを
実現させたお酒をご紹介しましょう。
獺祭の中で、「最高」のものです。

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「獺祭 磨き その先へ」


720ml、つまり四号瓶でありながら、なんと3万円!
「高っ!」


と誰でも思いますよね。
当然ですが、私も飲んだことありません。


なぜこの「超高級酒」を発売したのか、この本で熱く語っています。


世界に通用する「日本酒」を世に出したかったからなのですね。
桜井社長にとって戦うべき「敵」は、「ワイン」なのです。


ワインだったら、一本70万、80万のものも確かに存在しますね。
ドンペリのピンクだったらやはり、1本3万円くらいはしますしね。


「高級ワインに比べたら3万なら普通の値段だろ〜」


まあ、そんな社長の考えなのでしょうね。


桜井社長の目は、実はもう海外に向けられているのですね。
実際、欧米では「日本酒ブーム」が誕生しつつあるそうです。


そのためにまず、手始めにフランスに出店するのです。


しかも、後継者である長男は現在アメリカに在住して、
将来の布石づくりをしています。


「日本人に3万円の味が分からなくていい」


とまで思っているのでしょうか。
まさに「その先へ」、つまり
「日本のその先へ」ということなのでしょう。


ちなみにこのお酒は、「純米大吟醸」ではなく「普通酒」として
発売されています。


これは国税庁が認めているのでしょうかね。
昨年、食品偽装があれこれ摘発された時に
普通酒を吟醸酒として販売しているところもありましたね。
そんな「いい加減な日本酒メーカー」に
社長は対抗意識まで持っているのでしょうか。


ここに社長のゆるぎない自信を感じるのですね。
「純米大吟醸」という看板なんてなくても、
十分美味しいのだと。


でもやはり「その先へ」も一度でいいから飲んでみたいですね・・・。





その8 競争相手はワイン


日本酒にかける桜井社長の熱い思い・・・
「獺祭」まだまだ止まりません・・・。


「フランスのワイン輸出量が2011年で7740億円にあるのに
対して、日本酒はわずか90億円でしかありません。」


「日本酒という名前も変えなければいけない。
ワインをフランス酒と言っていたらこれまで拡大したか・・・」


この本で初めて知りましたね。
そんな観点から日本酒を考えたこともなかったものですから・・・。


日本の文化そのものである日本酒を世界に通用させるには
やはり「飲み方」から輸出しないといけないのでしょう。


「熱燗徳利をお猪口で・・・」


などという日本独自の「伝統芸」を欧米人に押し付けるのは
やはり無理なのでしょう。
「熱燗」はまだしも、では「冷や酒」ならよいのでしょうか。
ここで桜井社長が、非常に忌み嫌う飲み方。

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コレですね。
居酒屋で「お酒!冷でね!!」なんて頼むと
必ずこの「升に小さいコップしかもわざとこぼして注ぐ」。
手がべとべとしますし、必ずこぼれて不衛生ですね。
これはやはりインターナショナルな飲み方ではないのでしょう。

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「獺祭」が勧めている飲み方はコレ。


やはり、グラスでワインのように飲んでほしいようです。


でも、やはり飲み方そのものを提案したいようなのですね。


「伝統的な」日本酒の飲み方は、いわゆる晩酌ですね。
オヤジが家族が先に食べ始めているのに、
一人だけつまみで熱燗を飲んでいる・・・。


この「文化」を押し付けるようでは
世界進出なんて到底無理なのですね。
ワインのように家族で食事をしながら
「食中酒」として楽しんで飲む。


そういうことを提案している日本酒メーカーも
確かに今までいなかったのですね。
考えたこともなかったというと、失礼でしょうか・・・。


世界に向けて「新しい食文化」を発信していると同時に
日本の今まで日本酒を飲まなかった人にも、発信しているのですね。
だからこそ今、獺祭は売れに売れて品切れなのです・・・。







その9 日本復興の一つの形


3.11の今日に、「一人の酒好きの税理士」がいつまでも
日本酒を熱く語っている理由をそろそろ言いましょう。


獺祭の突き進む経営は、「日本の復興の一つの形」だと
思うからなのです。
日本は長く「稲作」が伝統産業でした。
でも現在は「コメ余り」。
相次ぐ「減反政策」で稲作離れが進んでいます。


でも獺祭が目指しているように
「日本で米を作り、その米で酒を造り世界に販売していく」
そんな発想は今後進むべき一つの方向ではないでしょうか。


獺祭が使用するお米は「山田錦」でしたね。
かつては年間40万俵も取れたのですが、現在は32万俵。
そのうち8分の1の4万俵を獺祭が使用しています。


獺祭は現在、50億円もかけ設備投資を実施しています。
これにより現在の3倍の年間500万本の生産ラインを
築こうとしています。
それには山田錦が8万俵必要となるのです。
もっともっと日本の農家にコメを作ってほしいのですね。


「山口県の小さな酒蔵」が目指していることを
日本全国でやってみればよいと思うのです。


ワインのような輸出高になるには、
まだまだ先の事かもしれません。
ただワインがたどってきた道を
これから日本酒がたどるかもしれないのです。


そのためには、まず「日本酒の関税を撤廃」しなければ
いけないのですね。
この本では知ったことですが、海外に輸出するには
関税と酒税があまりにも高すぎるのです。


例えば日本酒を台湾に輸出しようとしたら、40%もの関税が
かかります。それがワインだと10%ですむのです。
フランス政府がワインを輸出拡大に向けた努力の成果なのですね。
日本人がこれだけワイン好きになったのは
そういう背景があるからなのですね。


これは日本の政府が、今まで日本酒を輸出させようなんて
思ってもいなかったことからくるのです。


関税を決めるのは、実は「国税庁」なのですね。
でも国税庁は、内国の税収を上げることに躍起で、
諸外国の関税何て、まったく考えてもないことなのですね。
(内緒ですがそう書いてありました)


ただ、ようやくTPPで日本酒の関税撤廃が叫ばれるように
なってきたようです。


もっと言うと、輸出することも大事なのでしょうけど、

「世界でお米を作り、現地で日本酒を作る・・・。」

それくらいの発想を持つ若者が増えてほしいですね。
そうなれば世界中に日本酒愛好家が増えてくるのですから。

なんだか希望が持てるようになってきたと思いませんか・・・。





その10 飲むと健康になる獺祭を・・・

「ダルビッシュとカトパン(フジのアナウンサー)が
二人で赤坂の高級割烹で獺祭を飲んでいた・・・。」


これを知った桜井社長はことのほか喜んでいるようですね。
「数年前なら高級和食店にはワインが当たり前だったんですが・・・」
と社長のメルマガに書いてありました。


ダルビッシュもアメリカに帰っても獺祭を大いに飲んでほしいものです。
日本酒の国際化に向け一役買ってほしいからです・・・・。


さて、獺祭シリーズ最終回で、
この本で私しかツッコまない箇所をご紹介。
実は桜井社長は過去「糖尿病」だったのですね。
獺祭を飲み過ぎたからなんでしょうか。
それで行ったのはなんと「糖質制限」!


これはトウシツセイゲニストの私としても非常に興味あるところ
でしたね。


糖質制限というのは、実は日本酒はダメなのですね。
醸造酒を蒸留したものが蒸留酒で、
焼酎やウイスキーなど糖質ゼロのものはいくらでも
飲んでもいいのですね。


でもビールや日本酒などは醸造酒なのですね。
これは「エチルアルコール+糖質」が含まれているから
糖質制限としてはご法度なのです。


これに対して桜井社長は
「日本酒の糖質はご飯に比べて8分の1しかないので大丈夫」
と言って、結局、一日1合半という制限を課して
痩せたんだそうです・・・。


とは言っても「日本酒は太る」という定説は
なかなか覆せないのではないでしょうか。
世界的な規模での「健康ブーム」の流れは
どうしても止まらないと思うのです。


ですので最後にお願いしたいのは、
「糖質ゼロの獺祭」なのです。


ワインがこれだけブームになったのは、
「ポリフェノールが身体によい」
と言われたのも一つの要因だと思うのからです。


世界に通用する美味しく身体によい「獺祭」を
ぜひ開発してください。


(がんばれ獺祭シリーズ おしまい)

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