その1 50万円が50億円?本当??
新聞の広告見てすぐamazonポチ買い。
私の悪い癖が出てしまいました。
題名につられての衝動買い・・。
「またやられたかな・・・」
そう思いながら読み出しました。
まず巻頭から、
トラックレコード。
本当に50万円を50億円にしたのか?
でも疑い深い私は、
「証券の世界でこんな資産を1万倍に
することなんて絶対にありえない」
「きっとどこかの証券会社の企画マンが
寓話を作り上げて、株式投資に向かわせる
巧妙なトリックさ・・・」
端から信じておりません。
最近「父から娘に・・・」
という題名も流行りだから、
やはり投資術の解説本かなと。
「でもこんな本を買ってしまって
間違ってなけなしの退職金を突っ込んで
その後の生活をパーにされては・・・」
以前紹介しました。
野村證券の大先輩の清原氏の本。こちら
これ何度も読み返して、
「私にはこんな経験できない。
相場の世界とはこんなに厳しいものか・・・」
リーマンショックで死ぬ思いした記述見て
どうもこのトラックレコードが信じられなかったのですね。
2006年1億円だった資産が
リーマンショックがあった2008年の
7000万円のわずか3割減どまり。
清原氏は本当に地獄の閻魔様にあったと・・・。
1億円をすべて失ってもおかしくなかった
はずでしょう・・・。
何よりここ数年で
10億円が5倍の50億円に・・・。
Xでた-ちゃんと名乗る現役の医師らしいです。
疑い深い私は探しました。
見つけました!
信じるか信じないはあなた次第です・・・(つづく)
その2 息子に語るお医者の本といえばこの方
この方本当の医師のようです。
昨年中山祐次郎医師の本に出会い、
あまりに感動した私は彼の著作は全部
読みましたからね。こちら
おかげで医師という職業については
かなり詳しくなりました。
医師という職業に今まで以上に尊敬の念を
いだくようになりましたから。
まず医師を志した経緯がかなり詳細に
記述されていました。
高校受験で
「まずまずのレベルの私立の進学校に受かることができた。」
どこの高校か分かりませんが、
山奥の寮に住んでひたすら勉強したそうです。そのせいか
「東大に行くか、医学部に行くか」
くらいの偏差値に。
「僕は医学部を目指した。『医者になりたい』と
思ったわけではない。『お金持ちになりたい』と
思ったんだ」
「世の中って結局、おかねなんだよなあ
とつくずくかんじたからだ。
東大卒でもお金持ちになれるとは
限らない」
これが「投資家の父から娘への教え」
もうここでこの本を読むのをやめようと
思ったくらい・・・。
広島大学医学部に進みます。
「大学に向かうものの、雀荘に通う日々。
大学では体育会ヨット部に入ったので
平日は麻雀、渡日はヨット部」
何だか非常に不真面目な医学生ですね。
中山祐次郎医師の本に出てくる医学生とは
真逆・・。
おまけに医師国家試験になんと不合格。
「医者に向いていないな・・・」
と気づいてしまった。
「医学生の時点で、医師としてほどほどに
働きながら、株式投資でお金持ちになる」
「そのため専攻も、24時間・365日
呼び出しが当たり前の外科や産婦人科ではなく
『麻酔科』を選んだ」
もうここだけでもこの本を投げつけたくなりました・・。
医者一人誕生させるのにどれくらいの税金が
使われているのか・・。
中山祐次郎先生! 申し訳ございません・・・。
その3 誰もがハマルビギナーズ・ラック
医学生だったころ、家庭教師のアルバイトで貯めた
50万円を株に投資します。
これが投資初体験。
さすが医学生ですね。当時は家庭教師で軽く
50万円くらいは貯められたそうです。
一株700円くらいで買ったセガが何と!
3倍に。
まあこういうのを「ビギナーズラック」というのでしょう。
でも申し訳ないですが、こういうことやると
株式投資にハマルのですね。
これもう40年近く前のことですから
懺悔を込めていいますが、証券会社では
「お金持ちで投資未経験の方に」
必ず儲かる株を割り当てるのですね。
「新規公開株」というのがあって
当時はまず儲けることができた。
そこから株式投資にハマル方が
多いからですね。
「ビギナーズラック」というのは株式投資
だけではないですね。
パチンコだって競輪競馬もそうです。
極端な言い方ですが、そんな経験をしてしまうと
人生を棒に振る・・・。
この主人公医学生でありながら、
株式投資で自己資産が3倍にもなってしまったら
間違いなくハマルのでしょう。
そのせいか
「ほとんどが合格する『医師国家試験』で不合格」
「医学より株の勉強意欲のほうがまさっていた」
正直に書いてあります。
でも医学生ですからね・・・。
ますますのめりこんで、
「家庭教師のアルバイトと株式投資で
増やした600万円を金鉱株に全額投資」
「20代半ばの若者の投資額としては
大きいかもしれないが、仮に全額失ったとしても
医師として働けば、いずれ確実に取り戻せる」
なかなかの自信ですね。
結局金鉱株は10倍に。
これ業界用語で「テンバガー」ですね。
10倍株。まさに宝くじでもあたったかのよう。
何と29歳で
働きながら資産一億円越え。
「億り人」
皆これ絶対思うでしょうね
「本当かよ〜?」
でも
「億り人」
なんてフレーズ久しぶりに聞きましたね・・・。
その4 誰も自慢したい「テンバガー」
(名村造船 わずか3年で15倍へ)
1億円まで膨らんだ資産がリーマンショックで
3割減。
奥さんとの結婚式のために貯めていた資金を
すべて株式に投入。
典型的な「バクチ打ち」ですね。
申し訳ないですが「投資家」ではありません・・・。
30代でなんと資産6億円へ。
「一株220円くらいで買った株が、
2013年5月には1600円を超え、
わずか半年で実に7倍になった。」
「ホントかよ〜」
突っ込みたいですね。
あまりに儲かったので38歳で
「FIRE」
勤務医を本当に辞めてしまったのですね。
資産10億円にもなったそうでが、
年間の配当金だけで暮らしていけるはず
ですからね。
「FIRE」という言葉前に勉強しましたが
個人的にはうらやましいとは
あまり思いません。
毎日雀荘に通ったそうですが
事実、半年でFIERはやめてしまったそうです。
「2022年、僕の投資意欲が再び燃え上がる
出来事が起きた。
がんを宣告された。」
ちょっとこれはショッキングな内容ですね。
「ステージ4の直腸がんが判明し、4度の手術」
「残念ながら2024年末に肺と肝臓への
転移が見つかった。49歳のことだ。」
主治医からは
「50歳は迎えられても、51歳は分からない」
と言われたそうです。
こととき10億円を超える資産があったそうですが
すべて名村造船とほかの造船関連株へ投資。
もう大博打ですね。
チャート調べました。
150円くらいだった株が現在15倍の3000円です。
さすが15倍まで膨らまなかったようですが
10億円が50億円へ・・・。
何度も書きますが、
「信じるかどうかはあなた次第・・・」
その5 末期がんを宣告さた方の遺言!?
一応昔「証券業のプロ」だったのもとして
この本を論評しておきましょう。
なかなか著者は勉強されています。
そういう意味で参考になります。
株式投資でよく言われる王道。
「安く買って高く売る」
当たり前の投資行動ですが、
ではその割安な株はどうやって見つけるの?
そこでよく株式投資ででてくる基本の数字。
「割安であるかどうかを見つけるもの」
としてこのPERとかPBRが
登場してきます。
40年も前の証券マン時代にもこのワードは
よく使っていました。
でもこの方の見つけ方、なかなか秀逸ですね。
「資産バリュー株」というものを見つけよう?
というものですね。
書きながら思い出しましたが、
40年も前の某野村證券で同じような営業を
やっていましたからね。
当時野村證券が手掛けた銘柄が鉄鋼株。
東京湾岸には広大な工場をもっている鉄鋼株は
「東京ウォーターフロント銘柄」
といって本当に急騰したのですね。
懐かしいですね。
工場見学に何度も行きましたよ・・・。
まあ、そういうことを証券会社として
「割安株」を見つけるのではなくて
個人で見つけてください
ということらしいです。
見つけ方も親切に書いてありました。
7つのステップと書いてありましたが
全部アップすると怒られるでしょうから
さわりだけ・・・。
前述のPERやPBRでスクリーニング
かけるのですね。
創業が古い企業をチェックするのです。
そこで最近上場したネット企業などは
目もくれないのですね・・・。
そこで有価証券報告書を入手してチェック。
これ読んでうれしくなりましたね。
私のEDINETチェックと同じ。
こうやって割安株を見つけるのです。
40年前の証券会社で有価証券報告書を
読み込もうなんて方はいませんでしたから・・・。
そもそも証券会社でBSとPLの違いも
分からない人も多かったし・・・(内緒)
どうでしょうか。
参考になりましたでしょうか。
何度も書きますが、
「信じるかどうかはあなた次第・・・」
投資はあくまで自己責任でやってください・・・。
(資産を1万倍にした投資家シリーズ おしまい)